世界の街角

旅先の街角や博物館、美術館での印象や感じたことを紹介します。

平戸紀行 #5 (波佐見・やきもの公園)

2016-04-21 08:39:14 | 陶磁器
<龍窯・中国>



<穴(窖)窯>
穴窯の断面模型である。これをみていると北タイの中世の窯は、ここから派生したであろうと、容易に想定される。同様に龍窯もこの穴窯の発展形であろう。
北タイの中世の横焔式単室窯は、直接的には安南(ベトナム北部諸窯)の影響を受けたと考えるが、その更にオリジンと思われる映像(・・・と云っても極一部であるが)を過日見た。それは北宋・徽宗期の雨過天晴磁を焼成した汝官窯の窯址である。その窯址は小型窯で秘色青磁を焼くため、小型にして温度制御に注力したという。それが下の写真であるが、窯高さは言及なし。
写真といっても、発掘地点を図面化した映像で、Y19とかY20がそれであるが、図面からみるに単室窯である。これだけでは倒焔式か横焔式か分からないが、横焔式単室窯に見えなくもない。
横道の話はこの程度にして、やきもの公園内のほかの窯について、紹介を続けたい。
<登り窯>

日本に導入され、現在も用いられている薪投入窯。
<景徳鎮の薪窯>

やきもの公園内に復元展示されている窯は以上である。全体的印象は中途半端で食い足りない。遣るからにはもっと充実して欲しいと、勝手ながら感じた次第である。














平戸紀行 #4 (波佐見・やきもの公園)

2016-04-20 07:13:49 | 陶磁器

<レンガ焼成窯・中国>

 


<倒焔式窯・トルコ>

 

 


<昇焔式・オリエント窯>

 

 


<昇焔式石炭窯>

 

いずれも日本では馴染みのない窯ばかりであるが、土地と云うか国あるいは民族により、窯構造を色々と着想するようである。高温を得られる窯、燃焼効率のよい窯を目的に応じ考えられた結果であろう。




                             <続く>



平戸紀行 #3 (波佐見・やきもの公園)

2016-04-19 08:52:21 | 陶磁器

今回の平戸紀行の目的の一つに波佐見のやきもの公園内「世界の窯広場」を見学することである。吉野ヶ里へ行った後、到着したのは午後2時半頃であった。場所は小高い丘の上、周囲は陶業が盛んなようで陶磁器会社が立ち並んでいた。

 

中国各時代の窯が、復元展示されているものと期待してはいたが、う~ん残念 !。興味は削がれたが、以下数回に分けて紹介したい。
<倒焔式石炭窯>

 

 


<昇焔式上絵窯>

 

タイでも特にスコータイでは、この手の昇焔式窯が使われていたようである。
<昇焔式窯・英国>

 

 

中国や日本では発想しない窯構造か? 多くは中国や朝鮮半島の影響をうけたであろうし、昇焔式窯はオリエントの影響を感ずる。



                                <続く>


平戸紀行 #2 (吉野ヶ里)

2016-04-18 06:22:25 | 旅行
4月16日吉野ヶ里にやって来た。前回来てから20年振りであるが、前回は目的もなく来たため記憶に薄い。今回は集落の入り口にかかる、鳥の肖形物が載る鳥居状の結界を見たいがためである。それについては後日記事にしてみたい。
遺跡公園入口から北内郭の復元建物群の遠望である。民家の甍も数軒見える。

主祭殿で高さ16.5m。発掘調査の結果や古代中国の事例を参考に復元したというが、大きな木造建築物である。青森の縄文遺跡・三内丸山、巨木文化が繁栄した事例と比較すれば、弥生遺跡である吉野ヶ里に、このような大きな建築物が存在したとしても違和感はない。それにしても巨大という表現を使っても良さそうなほど大きい。
南内郭入口の鳥居形の結界で、鳥居の原形と云ってよいだろう。写真の人はボランティア・ガイドの方である。聞くと、当地でも震度5の揺れであったが、建物や構造物への被害は皆無であったとのこと。高速経由熊本まで100km、直線距離で80kmほどであろうか、熊本に近いのに被害がないのが幸いであった。






平戸紀行 #1

2016-04-17 05:54:06 | 旅行
4月初旬に念願の平戸行を計画していたが、急遽別件が入り1週間順延することにした。出発は4月16日で吉野ヶ里→波佐見→平戸→福岡の2泊3日の行程である。
ところが4月16日・深夜の午前1時25分に携帯がけたたましく鳴動する、緊急地震速報で熊本で大きな地震とのことである。その後余震も含めて、何度も緊急地震速報に起こされた。ついに寝付けない、車で出かける予定だが、九州道は大丈夫かと通行止め情報を検索すると、古賀インター以西は通行止めとの表示。
日の出になり、道路状態が明らかになれば、開通するだろうとの思惑から、田舎を午前4時半に出発した。

午前8時半前に関門に到着、小休止である。見ると平穏そのもの、確かに熊本とは距離があるが、同じ九州でこうも違うのか。古賀IC以西は開通したようだ。一路吉野ヶ里を目指したい。



                              <続く>