中日新聞の「くらしの作文」に「逆ナン」というタイトルで、65歳の男性が投稿されていました。
名古屋・名駅の商業ビル「名鉄レジャック」の閉館が決まったことを新聞で知りました。
もし、レジャックがなかったら、私の人生は全く違っていたに違いありません。
昭和五十五年十月。
私はこのビルにあったディスコに通っていました。
仕事後の毎週金曜日の夜です。
映画「サタデー・ナイト・フィーバー」を観て影響を受けたのです。
気分はジョン・トラボルタでした。
その日、「一緒に踊っていただけませんか?」と、女性が丁寧な言葉で声を掛けてきました。
当時十八歳だった妻でした。
女性から男性に声を掛ける「逆ナンパ」というパターンだったのです。
妻は看護学生でした。
病院に住み込み、午前中は仕事、午後は高校の看護科で勉強、夜も仕事というハードな生活でした。
卒業と同時に無事、准看護師に。
後に我々は結婚しました。
妻は五十代で正看護師とケアマネジャーの試験に合格。
頑張り精神は若い頃と変わりません。
現在の私たちには子ども三人、孫三人。
私は前期高齢者になり、妻は昨年還暦。
今も現役バリバリの看護師です。
もしあの日、レジャックでの出逢いがなければ、妻と結ばれることはなかったわけで、閉館はとても寂しい。
一度ビルの前で手を合わせようと思います。
以上です。
逆ナンされたんだ、羨ましい!😁
そういえば、私がかみさんと最初のデートで待ち合わせたのは、レジャックの近くにある名鉄セブン館前にあるナナちゃん人形のところでした。
ナナちゃん人形の背の高さは6メートルもあるので、待ち合わせ場所には便利でした。

恋 松山 千春