新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

優勝するためには

2021-10-22 09:06:52 | コラム
「勝ち方を知るべき」なのだ:

目下の所、NPBでセントラルリーグではスワローズとタイガースが、パシフィックリーグではバッファローズとマリーンズが僅差で優勝を争っている。だが、4球団共に足踏みしているような状況で、中々競合するする相手を振り切れていない。この様子を見て「勝ち方を知らない」という、湘南中学の蹴球部のOBの教えを思い出した。

私が中学2年生だった昭和21年に、湘南中学の蹴球部は第1回の国民体育大会で、神戸一中(現神戸高校)を破って優勝した。この頃は旧制中学の時代で最高学年は5年生だった。その5年生だった方々は皆関東大学1部リーグを代表するような選手になっておられた。そのOBの方々と神奈川県の他の高校の試合を見る機会があった。すると、リードを守り切れずに逆転で負けた学校を評してOBの1人が言われたことが「勝ち方を知らないと、こういうことになる」だった。また「彼らは学がない」と言われた方もあったが、これはまた別な問題。

この「勝ち方」という点を日本大学フェニックスの前監督橋詰功氏は「勝ったこと(優勝したこと)がない監督やコーチが指導しているテイームには優勝はできない」と言っておられたと聞く。同じ事を別な言葉で表現されたと解釈している。

私は「優勝が懸かったような大試合では、何時もの練習をするのと同じような平常心でグラウンドにで行けるかどうかが重要だ」と思っているし、更に「試合中のここ一番という最も難しい局面では、打つべき手は何通りもあるもの。その中から何も考えずに瞬間の閃きで選んだ手が最高のものになるように、普段から十分に練習を積み精神を鍛えておくべし」とも言ってきた。

要するに上記の4球団の選手たちの中には優勝経験がある者はごく少数であり、矢野、高津、中嶋、井口の監督たちも監督として優勝争いは初めての経験だったと思う。また、スワローズとバッファローズは昨年には共にリーグの最下位だった。即ち、「勝ち方を知らない選手たち」と「勝った経験がなかった監督」による優勝争いだということ。私は「だから、もたついているのだ」と見ているし、4球団の試合振りにも相当以上の緊張感が見えてくるのは、平常心で試合に臨んでいないのだ。昨日のスワローズの塩見の後逸などは、その典型的な例だとみた。

そこに見えてきたことは「緊張感による圧迫」または「気持ちがピント張り詰めた状態」だったのだろう。英語ではtensionであるが、張り詰めたために切れてしまったのではと思っていた。即ち、優勝しなければという緊張感に圧されて平常心で捕球できなかったのだろう。こういう経験を積み重ねて優勝できて、初めて「勝ち方を知ること」ができるのだろう。余談だが、近頃若者や芸人が使う「テンション」は「気分が高揚する」ということのようだが、英語のtensionにはそんな意味はない。

このようなことはビジネスの場に於いても当て嵌まると思っている。即ち、「勝ち方を知ること」即ち「大きな仕事の成し遂げ方を知るため」には、「平常心で交渉の場や最終の詰めの場に臨めるよう」に精神統一をして、経験を積んで置くことは必須だと思っている。自信がなかったり平常心でなければ、交渉相手側に読まれてしまうものだと経験上も言えると思う。


アメリカのMLBの球団名を調べてみれば

2021-10-21 08:26:46 | コラム
“giant”には意外な意味があった:

現在、NHKがBSでMLBのチャンピオンシリーズの中継放映をしている。その中でアメリカンリーグではヒューストンアストロズ対ボストンレッドソックスの激戦を見ていて気が付いたのだが、アストロズ(=Astros)とは宇宙飛行士のAstronautの略語だったのだ。それではとばかりに、Red Soxも検索してみた。これはどうやら野球選手は靴下を履いていることに由来しているようで、その色を表しているとのことだった。他にもシカゴホワイトソックスという球団もある。

これで面白くなって、何気なく初めてお馴染みのgiantを調べてみた。勿論「巨人」か「大男」の意味だったが、Oxfordには「アレッ」と思うようなことが出てきたのだった。即ち「物語の中に出てくる非常に大きいが屡々冷酷で愚かな人物をいう」とされていたのだった。ジーニアス英和にも同様に「物語に登場する」となっていた。アメリカのナショナルリーグにはサンフランシスコジャイアンツがある。この球団はニューヨークから移転してきたのだった。

アメリカのナショナルリーグのチャンピオンシリーズではダジャーズ対アトランタブレーブスの争いになっているが、ブレーブス(Braves)は「勇者」か「戦士」を意味している。即ち「ひらりと体を躱す軍」対「勇者軍」の決戦だ。そう言えば、我が国には往年阪急ブレーブスがあった。アメリカ国歌の歌詞の最後にも“home of the brave”とある。

ここまで来たのだからと、思いつくままにMLBの球団名を調べてみた。遂に訪れる機会がなかった、美しいと聞いていたカリフォルニア州のサンデイエゴにはパドレス(Padres)がある。このpadreはジーニアス英和によるとポルトガル語で、しばしば複数形のPadresとなり、略語で従軍司祭、略式で司祭」となっていた。それならばとセントルイスカーデイナルス(Saint Louis Cardinalsはと調べると、Cardinalとは「枢機卿、ローマ教皇の最高顧問」の意味であると解った。

他にも面白いと感じたものにトロントブルージェイズ(Toronto Blue Jays)とボルティモアオリオールズ(Baltimore Orioles)と、鳥の名前を使っている球団があった。“blue jay”は「アオカケス」であり、orioleはアメリカでは「ムクドリモドキ」のことのようだ。私は「信号無視で横断する」を意味するjaywalkという言葉があるので、ブルージェイズはそれと何か関係があるのかななどと考えたが、そうではないようだ。

余談になるが、我が国のNPBでは「ジャイアンツ対タイガース」が伝統の一戦と言われているが、Oxfordに従って危ない橋を渡るような感覚で言ってみれば「冷酷で愚かな大男対虎」の戦いともなってしまうとは、全く考えても見たこともなかった。


10月20日 その2 余計なことかも知れないが

2021-10-20 09:58:06 | コラム
DODGEの発音は:

昨日はMLBのナショナルリーグのDodgersは現地では「ドジャース」ではなくて、「ダジャース」と発音されていると指摘した。その際にウッカリ書き漏らしたことがあった。私が問題にしていることは「英語(アメリカ語か?)本来の発音とは異なるカタカナ語を作る意味はないのでは」ということだ。

それは、嘗てアメリカのクライスラー(Chrysler)の代表的な車だったと思うDodgeは私の記憶、または何処で調べても「ダッジ」と呼ばれていた。決して「ドッジ」ではなかった。だが、何故かDodgersは「ドジャース」にされていた。

「くどい」とか嫌味だと言われようと何だろうと、私が言いたい事は「何故、カタカナ表記にする前に、アメリカに正しい発音を問い質すか、辞書を引くくらいの簡単なことができなかったのか」なのだ。少しでも、アメリカの英語を勉強するか乃至は発音を承知していれば、「ドジャース」とはならなかったと思うのだ。

私は「早くからローマ字に接する機会を与えておくことは、アルファベットの読み方を学べるという長所はある。だが、英語本来の発音や読み方を正確に学ぶか、覚える機会を危うくする短所もある」と指摘して来た。同時に「カタカナ語は既に日本語の一部を為しているのだから云々」との説に対しては、異論を唱えていない。私が問題にしているのは「カタカナ語は英語本来のものとは違う表記になっていたり、異なる意味を表している」という点だ。それと承知の上で使われるのまでは阻止する気はない。

参考までに付記しておくと、クライスラーは2009年に倒産し、FIAT Chrysler Automobiles傘下にありStellantis North Americaとなっている。

ワクチンパスポート

2021-10-20 09:12:05 | コラム
かの玉川徹は「政府は馬鹿か」と罵った:

デイジタル庁(digitalを私はデジタルとは表記しないと決めてある)は「ワクチンパスポートをスマートフォンに載せて、マイナンバーカードに紐付けする」と公表した。それ即ち紙にはしないということだと思って聞いた。それを、先ほどモーニングショーで有名な玉川徹が「(こんな決定をするとは)政府は馬鹿か」と罵倒した。彼の言い分は「未だ全体の3分の1の人しか取得していないマイナンバーカードの更なる取得を煽っているのだとしたら愚策だ。これを聞いただけで自分は取得しないと決めた」だった。

彼の言い分が正しいのかどうかなどは私には解らない。だが、私は我が国ではスマートフォンの所有が義務化されたとは知らなかったし、マイナンバーカードも某銀行に取得の必要無しと聞かされた取得しようともしなかった。しかし、先日も反省したように両方とも持っていないことには、何時の日にか(または私の生存中には)ウッカリ外食しようとしたり、イベントとやらや大きな商業施設には入場出来なくなる危険性が高まった来たと知ったのだった。しかも、そのカードが健康保険証に使える日も迫ってきたというのだから、なおのこと辛いし焦りすら感じさせてくれる。

確かにカードの申請には動いてみたが、それ用の写真を撮らねばならないという条件で行き悩んだ。PCかスマートフォンで申請可能と言われたが、我がPCには写真を取り込む機能は無いのだ。しかも、この近所には添付する証明用写真を撮れる設備はない。また、スマートフォンに切り替えようにも、ドコモは予約してからショップに来て欲しいというが、ここから最も近いショップでも30分は徒歩で行くしかない場所にしかない。行く途中でウイルスにでも感染しないかと躊躇させられる。

将に八方塞がりのような状況で悩んでいる。何れにせよ、また思い切って出掛けていかないことには、時代に取り残されることになりそうなのだ。そうならないように、方々歩き回らねばならないのかなと、先ほどから思案投げ首の状態だ。菅前首相が推し進められようとしたデイジタル化というものは、そうあるべきことなのだろうが、一部の高齢者には無情な事態を生じさせるもののようだ。


カタカナ語あれやこれや

2021-10-19 09:12:05 | コラム
軽い読み物のつもりなのだが:

このところNHKのBSでアメリカのメイジャーリーグのCS(チャンピオンシリーズかなと思っている)を中継している。先日はナショナルリーグのアトランタブレーブス対ロスアンジェルスドジャースの試合を見た。アトランタのホームゲームだったので、ブレーブスのTruist Stadiumの外まで撮して見せてくれた。そこにはアフリカ系の大スター、ハンク・アーロンの打撃フォームの銅像が建っていた。なるほど、我が国のホームラン王・王貞治と並び称される(王貞治が並び称されたのだろうが)だけのことがあるブレーブスの大選手だったと解る。

ハンク・アーロン:
「また、そんなことを言うか。好い加減にしろ」と言われそうだと承知で参考までに申し上げておくと、このMLBを代表する大選手、Hank Aaronは実はHenry Aaronという人でAaronは「エアロン」と読むのが正しいのである。HankはHenryのニックネームであり、William Clinton元大統領が一般的にビル・クリントンとニックネームで呼ばれていたように、BillはWilliamのニックネームであるのと同じ事だ。恐らくHenry AaronはHankというニックネームで選手登録をしていたのかなと思っている。

ニックネームの話だが、カーター元大統領もジミー・カーターとして知られていたがJimmyはJamesのニックネームなのである。私はこういうニックネームで世間に知られている方を報道する際には、北方謙三氏が指摘しておられたように括弧内に「BillはWilliamのニックネームである」とか「ジミーは正式にはジェームスである」のように注釈を付けておくのも良いかななどと考えている。

そこでAaronのことに戻ると、我が国ではAという字が重なっているので、素直にローマ字読みして「アーロン」としたのだろう。だが、アメリカでの読み方は「エアロン」だったのだ。私は実際にAaronという名字の人のことを知る機会があったので、彼らは「エアロン」と言っていると知っていただけのことだ。我が国では最初にAaronと聞いたときにアメリカ側に照会して「エアロン」と表記して置けば良かったのではないかなと思う。

ドジャース(“O“の読み方):
この往年はニューヨークのBrooklyn本拠地にしていた球団が、Los Angelesに移転したのだ。我が国での人気が高いこのDodgersは、長いこと「ドジャース」と表記されてきている。この辺りが“O”(オウ)というアルファベットの読み方の難しいところだろうと思っている。というのは「ひらりと身をかわす」という意味のdodgeの発音は、アメリカは言うに及ばずUKのOxfordでも「ダッジ」と表記したい発音記号になっているのだ。同様に「ドッジボール」(=dodge ball)として知られている球戯も「ダッジボール」だったのである。

即ち、アルファベットのOの字は必ずしも「ローマ字」式に「オ」という発音にはならない場合が多すぎるのだ。私には「我が国ではアメリカ語よりも先に英連合王国の英語が入ってきたのか、あるいは先人がこれを受け入れてローマ字を発明したのかと思う。だが、ヘボン式ローマ字はJames Hepburn氏が創造したのである。ところがHepburnは「ヘバン」と聞こえそうな読み方だが「ヘボン」になってしまったようだ。しかし、映画「ローマの休日」の女優Audrey Hepburnの場合は「オードリー・ヘップバーン」と表記された。

“O”の読み方に戻ろう。私は既にbody、jobは「バディ」であり「ジャブ」とするのが正しいのだと指摘した。ところがである、notは我が国の英語教育では「ノット」のように教えられていると思う。即ち、これが由緒正しきQueen’s Englishの発音だと信じられているから。UK系の人たちは当然のように「ノット」と聞こえるように言う。アメリカ式は当然のように「ナット」が近い。そこで、今回生まれて初めてOxfordでnotの発音記号を調べてみた。するとアメリカ式では「ナート」となっていたので、解らなくなってしまった。

ここまで来て考えたことは「カタカナ表記をする場合には、その後に括弧内に元の英語の単語を付記しておくか、最初にUK式かアメリカ式の何れに準拠したかを表示するか方が良いのではないのか」なのである。そして、少なくともローマ字式の読み方は避けた方が正しい英語を普及させるために良いと思う。私は矢張りAppleのSteve Jobsは「ジャブズ」とした方がより正確だと思う。それは、UK式が良いとか何という議論ではなく、アメリカではシリア系アメリカ人のステイーヴン・ジャブズ氏がAppleを創業したのだから。