新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

12月23日 その3 菅首相の決断力を期待したい

2020-12-23 15:18:10 | コラム
一国の指導者足る者は:

中川日本医師会長が指摘された「現在の医療が風前の灯火である」との深刻な危機を訴えられたのを聞いたことについての私のものの考え方は「そもそも、我が国の医療体制は新型コロナウイルスが襲って来るという想定があって整備されていたのではないことが最大の原因であろうとなっている」となっているのだ。この点は安倍前政権に対しても多少同情すべき点もあるかと思っている。それに以外には、前内閣の時から後出し的に短期的な対症療法だけで対応したきたので、医療の態勢が仲川会長の指摘のように悪化したと見ている。

安倍前政権の頃から「ウイルス対策と経済の回復乃至は安定かの何れを、明瞭に選択すべきかの決断が出来ていないままに流れてきたこと」が、結果的にどちらも悪化してしまったのではなかったかと密かに批判していた。それにも拘わらず、菅政権となってからも同じような後手後手で対症療法に専心していたのだから、事態が好転することはなかったのではないだろうか。しかも、緊急事態宣言以後は何故か外食・外飲み業界への補償ばかりに気を遣って、お医者様を含めた医療従事者への配慮が余りにも足りていなかった気がしてならないのが残念だ。

しかも、専門家会議などを組織されたのは良かったが、私にはここでは「収束の為の対策」が主として論議され、恰も統計学者の集団のように数字を主に話し合っていたし、本来は臨床に専念しておられるべきお医者様を集めて政治的な判断までさせていた」という見当違いの方向に、担当の西村康稔大臣が引っ張っていたように思えてならない。感染の拡大の先手を打って専用の病棟乃至は病床を増やすとか、看護師さんを増員するとか,病院から開業医の先生方の経済的負担軽減にまで目がいっていなかったと、今になれば批判できるのだ。これが後手後手のツケではないか。

専門家からは批判的な意見が出ていたが、保健所に負担させた業務上の仕事の負担が多過ぎたようだ。保健所が医療従事者の範疇に入っているか知らないが、私は保健所という組織が何の為にあって如何なる仕事をしているのか全く知らなかったし、考えたことなかった。しかも行政改革とやらでその数が減らされていた上に、その担当区域内に感染者が発生すれば濃厚接触者の追跡調査をせねばならないような2類の指定をされたのでは、人員も能力も極度に不足して来たのも当然かと思えてならない。ここでも後手後手だったのだ。

上述の2点だけを考えても、政府というか厚生労働省の働きには疑問な点があったのではないかと思えてならない。それらの状況に対して時宜を得た対応が出来ていなかったのは、事態がここまで悪化した現時点では菅内閣の責任にされるべきなのか否かは、俄には断定できない気もする。それは菅首相の下に西村康稔大臣、田村憲久厚労相がいて、その先に知事会、分科会、専門家組織、医師会等々の組織があって、個別に行動し意見を発表するのだから、何処に誰が中心となって全体を牽引しているのかが不明だとしか思えない。

上述の担当の大臣と多くの組織の間に横の連絡(カタカナ語にすれば「コミュニケーション」)が十分に取れていたのか等が解らないのだ。特に小池都知事のように常に政府に対抗心を見せて先走った手を打ったり発言をする方もおられては、何時まで経っても纏まりが出てこなかったのも仕方がないのではないか。内閣総理大臣はこれらの組織を束ねて纏め上げて、全体の指導者になって「責任は俺が取るから、皆で一致団結して事に当たってくれ」という勇気を持つことが「苦しい時の真の指揮官の在り方だ」と思うのだが、これでは何となく観念論みたいな気もしてくるが。

私はここまででは仄めかしただけで、菅首相の決断力の欠如とまでは言う気はない。強いて言えば、国の先頭に立って引っ張っていこうという指導力を見せようという気構えが、未だに明らかに表に出てきていないようだと言えると思っている。それは特にウイルス対応だけを考えても、安倍前総理の時からの西村康稔大臣や自らが選んだ田村憲久厚労相と加藤勝信官房長官に任せておくというか、信頼して依存しすぎではないのかという気もするのだ。

既に何度が指摘してしたことで、菅首相は「誰がやっても上手く行かない危険性が極めて高い時期に、難題を数多く抱えて就任された以上、覚悟を決めて決断してもっと菅色を全面的に押し出してやりたいようにやれば良い」のであって、「大変ですな」と私が同情しても局面は変わらないのだ。総理大臣に同情しても何の問題の解決にもならないのである。恐らく股肱の臣だったはずの大臣たちも「これが大正解」というような解決策など持ち合わせていないだろうから、総理大臣ご自身が直接の指揮を執られても良いのではないか。

私が知る限りでは菅首相だけではなく、小池都知事も国立国際医療研究センターに密かに視察に来られたそうだ。菅首相の行動の記録を見れば非常にご多忙だとは解る。だが、大勢にお会いになる他に医療の現場等の困窮の実態を視察されても良いのではないか。防護服に身を固められて、マスクとゴーグルをかけられれば、何処の誰が来たのかは解らないだろうから。私はもうそそろそろ7年8ヶ月の官房長官時代に蓄積された経験と見聞を活かして、決断力を発揮して頂いても良い頃だと思って期待している。


12月23日 その2 トランプ大統領は「自分ファースト」を何処まで貫かれるのだろうか

2020-12-23 10:11:52 | コラム
私は黙ってアメリカの成り行きを見守っていくしかないのか:

トランプ大統領は未だに選挙の敗北を認めておられないし、選挙前から唱えておられた民主党のバイデン候補側の不正選挙説を、多くの州で訴訟が棄却されようとも断固して貫いておられる。そして、来年の1月20日だったからか民主党のバイデン政権が起動しても、多く面で身動きがとなくなうような手を打っておられるようだ。その辺りを見ていると、ご自身が前任者のオバマ政権が成し遂げたこと及び為し得なかったことを、次から次へと覆すか、成し遂げていった。如何に選挙公約であったにせよ「凄い」と感嘆していた。

その点をバイデン政権には覆しようがないように仕向けておられるかのようだ。私が見ていても対中国の政策などは、中国寄りとの兎角の批判があるバイデン氏が如何とも出来ないようにあらためて固めておられるので、大きな変化はあり得ないだろうというのが専門家の間の一致して見解のようだ。

バイデン政権の稼働開始が1ヶ月に迫った現時点であるが、私如きには一体全体どうなって行くのか解る訳がないので、昨22日のTBSの「報道1930」には信頼すべきゲスト、中林美恵子早稲田大学教授と小谷哲男明海大学教授のお二方が登場されたので、敢えてPrime Newsを犠牲にしても聞くことにした。パトリック・ハーラン君もいたが、彼は色物だと思っているので、それほど信頼している訳ではない。

因みに、大学関連の消息には明るい方だと密かの自負している私は、明海大学についてほとんど知識がなかったので検索してみた。すると、元は城西歯科大学だったと解った。アメリカのワシントンDCについて豊富な情報を持っておられる小谷教授は大阪教育大学のご出身だとも知り得た。

私はあのアメリカの大統領選挙の結果は「バイデン支持者よりも、トランプ大統領嫌いの票が多かった」という説を少しは信じている。だが、白人がアメリカの人口の依然として過半数を占めている(2014年時点で62.3%)状況下で、白人票を多く獲られた現職のトランプ大領が7,200万票を得ても負けてしまったのでは、バイデン氏側の不正を言われるのも無理はないのかなという気もするが、真相など分かる訳はない。

昨夜も2人のゲストがニューヨークタイムスが記事にしたというフリン氏の提案の戒厳令を出して選挙をやり直そうだとか、極端な選挙結果を覆す案がトランプ陣営で出ていたが、流石に却下されたという話も、二進法的な思考体系を採るアメリカ人であれば、「やり返す為の手段」が多少極端であっても提案されるだろうとは思って聞いていた。要するに、永年体験してきた彼らの思考体系からすれば「やる以外ない」となれば、我々の思考体系では考えも及ばない事が、ごく普通に出てくるものだということを、あらためて立証された気がした。

だが、トランプ大統領陣営でそのような戦略が練られている中で,ペンス副大統領夫妻はワシントンDCを離れるべく土地を物色し始められたとと聞かされた。トランプ大統領は退任された後に降りかかってくるだろう多くの税務や法律問題から脱出する為に、自身を恩赦するかもという話は既に流れている。ハーラン君は「最早共和党ではなくトランプ党になってしまった」という大凡の専門家の見方を「その通りだろう」と肯定して見せた。

私は在職中に民主党政権、就中クリントン政権が我が国に冷たく当たったことが深く印象に残っている。その冷淡さはオバマ政権にも引き継がれていた。私は何と言っても忘れらずに何度もも述べてきた、クリントン政権が我が国に向かって輸出に万全の態勢が取れていないことも知らずに「輸入を増やせ」と、高飛車に迫ってきた無法な態度には嫌悪感を覚えていた。特に製紙業界に「原料だけを買うのではなく、世界最高のアメリカ製の印刷用紙を輸入せよ。さもなくばスーパー301条を発動する」と威嚇した態度には呆れるほかななかった。念の為に申し上げて置くが、私はW社で我が国に原料を輸出してのではない。

自慢話ではなく申し上げて置くが、1987年に我が社の洋紙部の副社長兼事業部長が「日本市場に進出したい」と東京にやって来た時に、相互の市場の如何ともし難い文化の違いを承知していた私は「絶対に成功しない結果に終わるのは明らかだが、それを承知でも出てこられるのであればお手伝いする」との条件で2年間務めたが、我が社を含めてアメリカの印刷用紙メーカーで成功したところは1社もない。一般論としてアメリカ政府が「我が国には圧力をかければ言いなりになる」と思い込んでいた姿勢は研究不足であり、何も製紙業界だけのことではない。

話を戻そう。昨夜もトランプ大統領を熱烈に支持する「プラウド・ボーイズ」などのデモの光景も出てきた。事ほど左様にトランプ大統領の再選を望む勢力は多いし、我が国にも多くの熱心なトランプ大領支援者がおられる。私は民主党嫌いであるし、バリバリの共和党支持の会社にいた。オウナーのジョージはパパブッシュとイエール大学の同期で親しい間柄だった。個人的には余りにもアメリカの上流階級らしからぬドナルド・トランプ氏の礼儀・作法は好ましくないので嫌っていた。だが、政治的な業績まで批判はしていない。

という意味では共和党政権の継続が好ましいのだが、どうしても容易に理解できないことがある。それは、トランプ大統領が選挙結果が判明した後に取られた態度と政権末期に打たれた諸々の施策である。それらが果たしてアメリカの国益に沿ったものなのか判断出来かねているのだ。もしかして「アメリカファースト」であり同時に「自分ファースト」と非難されかねないのではないかという辺りが,どうしても理解できないのだ。バイデン政権に自分の実績と成果とを継続するように仕向けることが、何処までアメリカの為になり、世界を安心させるかが未だ解らないのだ。

アメリカ合衆国で本当にトランプ大統領が主張し続けられているような「大統領選挙で不正が出来るものなのだろうか」が、私には解らないのだ。

カタカナ語排斥論者は褒める

2020-12-23 08:31:08 | コラム
「Jリーグは偉い」と:

昨22日に「Jリーグ・アウオーズ」が発表された。これは滅多にない快挙であるし、以前にも賞賛したことがあった。ここまでで何を褒めたのかお解りになる方が数多くおられると有り難いし、喜ばしいのである。問題としたい点は「カタカナ語の嘘の表記」なのだ。この「アウオーズ」は言うまでもなく英語の“award”(単数形)であり、その発音は「アウオード」であって、カタカナ語製造業者が創り出して普及させた「アワード」ではない。

だが、テレビ局ではほとんどが何の躊躇いもなく「アワード」と言わせている。恥ずかしくないのだろうか。以前にも指摘したことで「このアワードとされた原稿を読んでいるアナウンサーさんたちは、皆天下の一流大学の出身である。彼らに英語教師たちは何を教えていたのだろうか」なのだ。テレビ局の彼と彼女たちは「アワード」ではおかしいとは思わないのだろうか。情けない話だ。大体からして“war”と書いて「ワー」というかを考えて見よ。

そういう状況下でも、我らがサッカー界は敢然として立ち上がって(たのかな)「アウオーズ」としてきた。流石にサッカー経験者たちは普通に英語を学んでこられたのだろう。マスコミ業界も少しはサッカー界とJリーグを見習うと良い。