■宇治の見初めは 矢河枝比売
仲哀天皇 そのお子の
品陀和気命 即位して
応神天皇 お成りなる
応神天皇 近江国
巡り治めの 宇治野にて
葛野望みて 謡う歌
葉繁る葛野 見てみれば
居並ぶ家並み 見てとれる
これぞ国満つ 証しなり
千葉の 葛野を見れば
百千足る 家庭も見ゆ
国の秀も見ゆ
―古事記歌謡(四十二)―
宇治経木幡で 乙女遇う
「何処娘」と 問い掛けに
「比布礼能意富美 娘にて
宮主矢河 枝比売」とぞ
「明日に逢わん」と言い置くに
帰り枝比売が 経緯を
父に伝うに 「そは天皇ぞ」
待つに日明けて 応神天皇来たり
馳走致して 酒杯捧ぐ
酒杯手に応神天皇が 謡う歌
膳なる蟹は 何処の蟹
遠い道来たる 角賀蟹
横這い歩き 何処へ行く
伊知遅島や美島 辿り来て
潜り息止め 喘ぎつつ
難儀歩みの 湖畔道
この蟹や 何処の蟹
百伝う 角鹿の蟹
横去らう 何処に到る
伊知遅島 美島に着き
鳰鳥の 潜き息づき
段差だゆう 佐佐那美道を
されどこの朕 すいすいと
木幡道来て 逢いし児は
後ろ姿も 端正し
白い歯並び 椎や菱
すくすくと 我が行ませばや
木幡の道に 遇わしし娘子
後姿は 小楯ろかも
歯並みは 椎菱如す
櫟井で取れる 丸迩坂土
上にある土 赤み帯び
下にある土 黒み帯ぶ
中の程よい 土採りて
直火を避けた 眉墨で
黒々描いた 児に逢いき
櫟井の 丸迩坂の土を
初土は 膚赤らけみ
底土は 丹黒き故
三つ栗の その中つ土を
頭突く 真火には当てず
眉画き 濃に書き垂れ
遇わしし女
こんな児ならと 思う児に
こんな児ならと 思う児が
今目の前に 向い居る
朕に寄り添い ここに居る
斯もがと 我が見し児ら
斯くもがと 我が見し児に
真正面に 向かい居るかも
い添い居るかも
―古事記歌謡(四十三)―
これが枝比売の 産む宇遅能
和紀郎子は 応神天皇適い
仲哀天皇 そのお子の
品陀和気命 即位して
応神天皇 お成りなる
応神天皇 近江国
巡り治めの 宇治野にて
葛野望みて 謡う歌
葉繁る葛野 見てみれば
居並ぶ家並み 見てとれる
これぞ国満つ 証しなり
千葉の 葛野を見れば
百千足る 家庭も見ゆ
国の秀も見ゆ
―古事記歌謡(四十二)―
宇治経木幡で 乙女遇う
「何処娘」と 問い掛けに
「比布礼能意富美 娘にて
宮主矢河 枝比売」とぞ
「明日に逢わん」と言い置くに
帰り枝比売が 経緯を
父に伝うに 「そは天皇ぞ」
待つに日明けて 応神天皇来たり
馳走致して 酒杯捧ぐ
酒杯手に応神天皇が 謡う歌
膳なる蟹は 何処の蟹
遠い道来たる 角賀蟹
横這い歩き 何処へ行く
伊知遅島や美島 辿り来て
潜り息止め 喘ぎつつ
難儀歩みの 湖畔道
この蟹や 何処の蟹
百伝う 角鹿の蟹
横去らう 何処に到る
伊知遅島 美島に着き
鳰鳥の 潜き息づき
段差だゆう 佐佐那美道を
されどこの朕 すいすいと
木幡道来て 逢いし児は
後ろ姿も 端正し
白い歯並び 椎や菱
すくすくと 我が行ませばや
木幡の道に 遇わしし娘子
後姿は 小楯ろかも
歯並みは 椎菱如す
櫟井で取れる 丸迩坂土
上にある土 赤み帯び
下にある土 黒み帯ぶ
中の程よい 土採りて
直火を避けた 眉墨で
黒々描いた 児に逢いき
櫟井の 丸迩坂の土を
初土は 膚赤らけみ
底土は 丹黒き故
三つ栗の その中つ土を
頭突く 真火には当てず
眉画き 濃に書き垂れ
遇わしし女
こんな児ならと 思う児に
こんな児ならと 思う児が
今目の前に 向い居る
朕に寄り添い ここに居る
斯もがと 我が見し児ら
斯くもがと 我が見し児に
真正面に 向かい居るかも
い添い居るかも
―古事記歌謡(四十三)―
これが枝比売の 産む宇遅能
和紀郎子は 応神天皇適い
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