ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

古事記ものがたり・下つ巻(02)怒る石之日売命 我れ帰らぬぞ

2013年05月06日 | 古事記ものがたり
いか石之日売命いわひめ 我れ帰らぬぞ

石之日売命いわのひめみこ 紀伊国きのくに
新嘗祭にいなめうたげ 準備そなえにと
御綱みつながしわを 調達てにいれ

戻り難波なにわの 津も間近まじか
船人夫ひとの語るが 耳届く

仁徳天皇すめらみことは 気に入りの
 八田やたわか郎女いらつめ 宮殿みやなか
 夜昼よるひる無しの ご寵愛ちょうあい

聞いた石之日売命いわひめ いきどお
御綱柏かしわ海へと 投棄なげすてて
堀江のぼりて 山城やましろ
くやしみしたい 謡う歌









山城川やましろがわを 遡上さかのぼり 
やって 来たなら 川の岸
繁る烏草樹さしぶの その下に
える葉広はびろの 椿花つばきばな
照る花のに 輝ける
葉広はびろさながら 心持つ
天皇きみ天皇おおきみ 我が天皇おおきみ

  次峰経つぎねふや 山城川やましろがわ
  川のぼり 我がのぼれば
  川のに い立てる
  烏草樹さしぶを 烏草樹さしぶ
  が下に い立てる
  葉広はびろ 椿つばき
  が花の 照りいま
  が葉の ひろいますは
   大君ろかも
                ―古事記歌謡(五十八)―









山城川やましろ辿たどり 木津川きづへ出て
進み奈良山 山ふもと

宮殿みやに寄らずて 山城川やましろ
遡上のぼり来たって ながむるに
はるか奈良向こ 過ぎ行けば
更に 大和を 過ぎ行けば
恋しなつかし 帰りたや
生まれ葛城かつらぎ 高宮の
我家わがやあたりを 見て見たや

  次峰経つぎねふや 山城川やましろがわ
  宮のぼり 我がのぼれば
  青丹あおによし 奈良を過ぎ
  小楯おだて やまとを過ぎ
  我が見がし国は
  葛城かづらき 高宮
  我家わぎえのあたり
                ―古事記歌謡(五十九)―

石之日売命いわのひめみこ 高宮に 
行くをあきらめ 引き戻り
筒木つつきに住まう 奴理能美ぬりのみ
屋敷はいりて とどまれる


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