ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

家持編(一)青春・恋の遍歴(24)あの人(こ)その気や 信じて良んか

2011年09月19日 | 家持編(一)青春・恋の遍歴
■平成23年9月19日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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紀女郎いらつめの 構いに乗った 家持は 本気なられて こら仕舞たわい

戯奴わけがため わが手もすまに 春の野に 抜ける茅花ちばなそ してえませ
《ぼんちをば おもうてった 茅花ちばな食べ ちょっとえてや 痩せ身のぼんち》
                         ―紀郎女きのいらつめ―〈巻八・一四六〇〉
昼は咲き よるは恋ひる 合歓木ねむの花 君のみ見めや 戯奴わけさへに見よ
《昼咲いて 夜は恋見る 合歓ねむの花 ねえさま見たで ぼんちも見いや》
                         ―紀郎女きのいらつめ―〈巻八・一四六一〉

わが君に 戯奴わけは恋ふらし たはりたる 茅花ちばなめど いやせに
ねえさまに ぼんち恋した ろた茅花はな たけどせる またまた痩せる》
                         ―大伴家持―〈巻八・一六六二〉 
吾妹子わぎもこが 形見の合歓木ねむは 花のみに 咲きてけだしく にならじかも
合歓ねむの花 いとしあんたに 似てる花 はなやかやけど 〈恋の〉らへんわ》
                         ―大伴家持―〈巻八・一六六三〉 

ひさかたの 月夜つくよきよみ 梅の花 心ひらけて おもへる君
清々すがすがし つき光に 梅咲いた うちの心も あんたに咲いた》
                         ―紀小鹿郎女きのおしかのいらつめ―〈巻八・一六六一〉
                   〈紀郎女は紀鹿人きのかひとの娘 ために「小鹿」の愛称〉

闇夜やみならば うべも来まさじ 梅の花 咲ける月夜に 出でまさじとや
闇夜やみよなら えへのんは 仕様しょうないが 梅花はな咲く月夜 なんで来んのや》
                         ―紀女郎―〈巻八・一四五二〉 





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