ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

旅人編(18)えらいことやで病気になった

2010年09月27日 | 旅人編
■平成22年9月27日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★遠国で 思わぬ病 得て仕舞て 息も絶え絶え さすが旅人も

わが盛り いたくくたちぬ 雲に飛ぶ 薬はむとも また変若ちめやも
《もう年や  長生き薬 飲んだかて 若返ること できやせんがな》
                         ―大伴旅人―〔巻五・八四七〕 
雲に飛ぶ 薬はむよは 都見ば いやしきが身 また変若ちぬべし
《長生きの 薬飲むより 一目ひとめでも 都を見たら また若返る》
                         ―大伴旅人―〔巻五・八四八〕 

【便りもらいし 吉田宜】 
遙遙はろはろに 思ほゆるかも 白雲の 千重ちへへだてる 筑紫つくしの国は
《白雲が 隔てて遠い 筑紫国 思う心も 遥々はるばる遠い》
                         ―吉田宜よしだのよろし―〔巻五・八六六〕
君がゆき 長くなりぬ 奈良路なる 山斎しま木立こだちも かむさびにけり
《行ってもて 長い日たった 奈良の家 庭の木立こだちも うら寂びてもた》
                         ―吉田宜よしだのよろし―〔巻五・五六七〕

【病床旅人 元気なころに】
さす竹の 大宮人おほみやびとの 家と住む 佐保の山をば 思ふやも君
《あんたはん  奈良の都で 住んどった 佐保のお山が 懐かしないか》
                         ―石川足人いしかわのたりひと―〔巻六・九五五〕
やすみしし わご大君おほきみの 食国をすくには やまと此処ここも 同じとそ思ふ
《何を言う 何処どこっても おんなじや 日本の国やで 大和もここも》
                         ―大伴旅人―〔巻六・九五六〕 




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