令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

巻七(雑歌・比喩歌・挽歌)編(28)宇陀(うだ)の真埴(まはに)の

2012年09月25日 | 巻七(雑歌・比喩歌・挽歌)編
【掲載日:平成24年9月25日】

大和やまとの 宇陀うだ真埴まはにの さ付かば そこもか人の ことなさむ




逢瀬おうせかさねは 人目がこわ
我慢 用心 重ねてみても
仕草しぐさ表情ひょうじょに 様子が知れる
知れる こと無い 思うてみても

嘆きせば 人知りぬべみ 山川やまがはの たぎつ心を かへてあるかも
溜息ためいきを したらみんなに 知られると き出る思い おさえとんのや》【川に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三八三)
水隠みごもりに いきづきあまり はやかはの には立つとも 人に言はめやも
《水もぐり 息詰めねて 早い瀬に 立つ羽目はめても 黙ってるで》【川に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三八四)
(隠すつらいが 知れんのこわい)

絶えずく 明日香の川の よどめらば ゆゑしもあるごと 人の見まくに
《流れてる 明日香の川が よどんだら どしたんかなと みんな思うで》【川に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三七九)
(ちょっと様子が ごたら知れる)

いはそそき 岸の浦廻うらみに 寄せてる波 寄らばか ことしげけむ
はげしいに がけの入江に 寄せる波 岸辺寄ったら みな五月蝿うるさいで》【海に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三八八)
 来たらあかんで 来るならそっと)

大和やまとの 宇陀うだ真埴まはにの さ付かば そこもか人の ことなさむ
《大和国 宇陀うだ埴生はにゅうの 赤い色 付いただけでも あれこれ言うか》【はにに寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三七六)
(顔こしたら 知られて仕舞うか)

南淵みなぶちの 細川山に 立つまゆみ 弓束ゆづか巻くまで 人に知らえじ
《細川の 山のまゆみよ 弓にして 弓束ゆづか巻くまで 知られんときや》【弓に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三三〇)
 わしが見つけた お前やよって)

くれなゐの ふかめのきぬ したに着て うへに取り着ば ことなさむかも
紅色べにいろの したてたふく うえ羽織はおり 着たらみんなは 何ちゅうやろか》【衣に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三一三)
(隠れ付き合い っぴらしたら)

真鉋まかな持ち 弓削ゆげ川原かはらの うもれ木の あらはるましじき ことにあらなくに
弓削ゆげがわの 岸のうも 真逆まさかにも 浮き出て来るて 思いもせんで》【埋れ木に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三八五)
 わしらの恋も 知れるん違うか)



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