令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

古今相聞往来(下)編(41)恋ひじとすれど

2014年02月07日 | 古今相聞往来編(下)
【掲載日:平成26年2月7日】

よしゑやし 恋ひじとすれど 木綿間山ゆふまやま 越えにし君が 思ほゆらくに



日増し強まる がれを抱いて
辿たどる道筋 足とて重い
後に残され 寄せ積むがれ
恋し恋しの 胸とて重い

  
年もず 帰りなむと 朝影あさかげに 待つらむ妹し 面影おもかげに見ゆ
としうち 帰ってしと せて待つ お前面影おもかげ 目ぇちらつくで》
                           ―作者未詳―(巻十二・三一三八)
   
国遠み ただには逢はず いめにだに 我れに見えこそ 逢はむ日までに
故郷くにはなれ じかえんが せめて夢 出て来てしで うその日まで》
                           ―作者未詳―(巻十二・三一四二)
   
草枕 旅にしれば こもの 乱れて妹に 恋ひぬ日はなし
《旅に出て びし思いの 旅空に お前思わん 日ィとていで》
                           ―作者未詳―(巻十二・三一七六)
   
春日野かすがのの 浅茅あさぢはらに おくて 時ぞともなし が恋ふらくは
春日野かすがのの 浅茅あさじはらに 残されて 果てるともう 恋いがれてる》
                           ―作者未詳―(巻十二・三一九六)
  
おくて 恋ひつつあらずは 田子たごうらの 海人あまならましを 玉藻たまも刈る刈る
あと残り がれてるより 田子たごうらで 玉藻たまも刈るう 海人あまろかいな》
                           ―作者未詳―(巻十二・三二〇五)
   
よしゑやし 恋ひじとすれど 木綿間山ゆふまやま 越えにし君が 思ほゆらくに
《ええいもう がれんめや 思うけど 木綿間山やまえて行く あんた浮かぶで》
                           ―作者未詳―(巻十二・三一九一)
   
住吉すみのえの 岸に向へる 淡路あはぢしま あはれと君を 言はぬ日は無し
住吉すみのえの 岸こ望む 淡路島あわじしま あんた恋しと わん日ないで》
                           ―作者未詳―(巻十二・三一九七)
                          (淡路島→あはれ=あぁ恋しい)
  
わたの底 沖はかしこし 磯廻いそみより みいませ 月はぬとも
《沖海は おそろしうで 磯伝いそつとて 漕ぎり行きや 日ぃ掛かっても》
                           ―作者未詳―(巻十二・三一九九)

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