令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

人麻呂歌集編(27)天(あま)の川道(かはぢ)を

2012年05月08日 | 人麻呂歌集編
【掲載日:平成24年5月8日】

大空おほそらゆ かよふ我れすら がゆゑに あま川道かはぢを なづみてぞ




【地上】きらめく星が 並んで見える

あまかは 水さへに照る 舟てて 舟なる人は いもと見えきや
《天の川 水にえてる 舟着いた 漕ぐ彦星ひと妻に 逢えたんやろか》
                      ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十・一九九六)

【天上】つか逢瀬おうせ 時こそまれ

大空おほそらゆ かよふ我れすら がゆゑに あま川道かはぢを なづみてぞ
《空自在じざい かよ彦星わしやが 逢いとうて 天の川え 難儀なぎして来たで》
                      ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十・二〇〇一)
恋ひしくは 長きものを 今だにも ともしむべしや 逢ふべきだに
ごに 焦がれ待ったで さあ今や 心くまで この過ごそや》
                      ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十・二〇一七)
万代よろづよに たづさはりて あひ見とも 思ひ過ぐべき こひにあらなくに
《ずううっと 一緒つなぎ ったかて それで気の済む 恋とちがうで》
                      ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十・二〇二四)

 【地上】夜は更けゆく 夜明けは間近

一年ひととせに 七日なぬかのみ 逢ふ人の 恋も過ぎねば けゆくも
一年いちねんに 七夕きょうよるしか 逢えん人 思尽くせんままに 夜更けてくで》
                      ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十・二〇三二)

 【天上】夜明け近づく 尽くせぬ思い

遠妻とひづまと まくらへて 寝たる夜は とりな鳴き 明けば明けぬとも
《やっと逢え 手ぇからまして 共寝る夜は とりげて 明けんなら明け》
                      ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十・二〇二一)
あひらく らねども いなのめの 明けさりにけり 船出ふなでせむ妻
《十分に 逢瀬おうせ尽くした えんけど よる明けて仕舞た 戻船ふね出さならん》
                      ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十・二〇二二)
そめて 幾許いくだもあらねば 白栲しろたへの 帯ふべしや 恋も過ぎねば
とこいて まだもないに 帯付ける うたらあかん うちまだらん》
                      ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十・二〇二三)

 【地上】夜明け無情に 白々明ける

が恋ふる 妹のみことは らに 袖振る見えつ 雲がくるまで
彦星ひこぼしよ いとしの妻は 袖振るよ 別れしいて 姿かげ消えるまで》
                      ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十・二〇〇九)



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