【掲載日:平成24年9月18日】
紫の 糸をぞ我が縒る あしひきの 山橘を 貫かむと思ひて
気強い女 中には居るぞ
積極果敢 男に迫る
君に似る 草と見しより 我が標めし 野山の浅茅 人な刈りそね
《浅茅花 あんた似てると 思たんで 目っこ付けたで 誰も取りなや》【草に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三四七)
(うちが先やで 見つけたのんは)
河内女の 手染めの糸を 繰り返し 片糸にあれど 絶えむと思へや
《手で染めた 一筋糸で 細いけど 切れるやなんて うち思わへん》【糸に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三一六)
(片思いやけど 諦めへんで)
泊瀬川 流るる水泡の 絶えばこそ 我が思ふ心 遂げじと思はめ
《うちの恋 諦めせんで 泊瀬川 例えこの水泡 消え果てしても》【川に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三八二)
(叶えてみせる このうち思い)
紫の 糸をぞ我が縒る あしひきの 山橘を 貫かむと思ひて
《紫の 上等の糸を 撚るでうち 山橘の実ぃ 繋ご思もうて》【草に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三四〇)
(あんた離さん 契っておくれ)
負けて居れんぞ 男の方も
後先見ずに 遮二無二迫る
三島江の 玉江の薦を 標めしより 己がとぞ思ふ いまだ刈らねど
《三島江の 入江の菰に 目ぇ付けた 刈っとらへんが わしの物やで》【草に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三四八)
(わしは決めたで その気になりや)
真木柱 作る杣人 いささめに 仮廬のためと 作りけめやも
《真木柱 作る樵は 間違ごても 小屋の柱に 作った違うで》【木に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三五五)
(わしは本気や 良加減違うで)
言痛くは かもかも為むを 岩代の 野辺の下草 我れし刈りてば
《岩代の 野ぉの下草 刈れるなら 何言われても そらその時や》【草に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三四三)
(まずはお前を 手にするこっちゃ)
大船に 真楫繁貫き 漕ぎ出なば 沖は深けむ 潮は干ぬとも
《大船に 楫付け回し 漕ぎ出たら 潮引いたかて 沖は深いで》【海に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三八六)
(踏ん切り仕様や あと吉出るで)
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