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令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

巻七(雑歌・比喩歌・挽歌)編(31)焼き足らねかも

2012年10月05日 | 巻七(雑歌・比喩歌・挽歌)編
【掲載日:平成24年10月5日】

冬こもり 春の大野おほのを 焼く人は 焼きらねかも が心焼く



互い思いが 重なりうて
邪魔を退け 近づき出来た
交わすこと 甘味を帯びて
ごとまでに 心が通う

とりむ 雲梯うなてもりの 菅の根を きぬにかき付け 着せむ子もがも
《菅の根の みたいふこうに 心込め ふく着せくれる 可愛かわしな》【草に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三四四)
(神さん頼む 大切だいじにするに)

磯の浦に 寄る白波 かへりつつ 過ぎかてなくは れにたゆたへ
《磯入江いりえ 来る白波は 重ね寄る 沖帰らんの 誰おもてやろ》【海に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三八九)
(近寄りたん お前思てや)

陸奥みちのくの 安達太良あだたら真弓まゆみ つる着けて 引かばか人の 我をことなさむ
安達太良あだたらの 弓につる着け 引いたなら 他人ひとこのわしに なんちゅうやろか》【弓に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三二九)
(皆のあこがれ められせんか)

冬こもり 春の大野おほのを 焼く人は 焼きらねかも が心焼く
《春の野で 野焼のやきする人 しりんで うちの胸まで 焼きがすんか》【草に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三三六)
 罪な人やで あんたて人は)

近江あふみのや 八橋やばせ小竹しのを がずて まことありえむや 恋しきものを
八橋やばせしの 矢ぁにせんまま れんがな ほんま真っ直ぐ 矢に打って付け》【草に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三五〇)
(気にったんは っとき出来ん)

はなはだも 降らぬあめゆゑ にはたづみ いたくな行きそ 人の知るべく
《そんな大量よけ りもせんのに 水たまり ザアザ流れな 聞こえるほどに》【雨に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三七〇)
たましかんに バタバタにな)

むかに 立てる桃の木 らむやと 人ぞささやく が心ゆめ
ぃ成らん 木や言う噂 気にしなや こうの峰の 桃の木さんよ》【木に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三五六)
(結ばれへんて うのん嘘や)




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