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令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

巻七(雑歌・比喩歌・挽歌)編(34)まこと二代(ふたよ)は

2012年10月16日 | 巻七(雑歌・比喩歌・挽歌)編
【掲載日:平成24年10月16日】

世間よのなかは まこと二代ふたよは かざらし 過ぎにし妹に はなく思へば




ひつぎく人 歌う歌 これが挽歌ばんかの 由来ゆらいなり
嘆きやめど 甲斐はない きて戻らぬ かの人よ

 死別れは この世の定め
定め知りつつ  残るは嘆く
 れも一度 叶わぬ願い
がり立つ雲 偲びの草か

鏡なす 我が見し君を 阿婆あばの野の はなたちばなの 玉にひりひつ
《明け暮れに 見てたあんたを 阿婆あばの野で 花橘たちばなぃと 思うてろた》
                          ―作者未詳―(巻七・一四〇四)
秋津野あきづのを 人のくれば 朝きし 君が思ほえて 嘆きはまず
秋津野あきつのと 聞いたら朝に いて来た あんたおもうて 嘆きまらん》
                          ―作者未詳―(巻七・一四〇五)
秋津野あきづのに 朝る雲の せゆけば 昨日きのふ今日けふも き人思ほゆ
秋津野あきつので 朝かる雲 消えてくと 昨日きのうも今日も 思いすんや》
                          ―作者未詳―(巻七・一四〇六)
隠口こもりくの 泊瀬はつせの山に 霞立ち 棚引く雲は 妹にかもあらむ
泊瀬はつせ山 霞み立ち込め ただようて たゆとう雲は あの児やろうか》
                          ―作者未詳―(巻七・一四〇七)
狂言たはことか 逆言およづれことか 隠口こもりくの 泊瀬はつせの山に いほりせりといふ
《信じへん だましてるんや 間違まちがいや あの児泊瀬はつせの 山住むんは》
                          ―作者未詳―(巻七・一四〇八)
秋山の 黄葉もみちあはれと うらぶれて りにし妹は 待てどまさず
《秋山の 黄葉もみじかれ しょんぼりと 山はいった児 帰ってんが》
                         作者未詳―(巻七・一四〇九)
世間よのなかは まこと二代ふたよは かざらし 過ぎにし妹に はなく思へば
人間ひとの世に もう一回は 無いらしな ったあの児に われんもんな》
                          ―作者未詳―(巻七・一四一〇)




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