犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(224)ひさかたの

2013年11月13日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【二月十七日】放映分
ひさかたの あまの川瀬に 船けて 今夜こよひか君が わがまさむ
《天の川 舟浮かばして 今夜きょうんや うち待つ岸に あんたがんや》
                         ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻八・一五一九)


【万葉歌みじかものがたり】わがまさむ

七月 七日 今日 その日
年に 一度の 七夕あきよい

(おお あまの川の中ほど 星のゆらめき)
牽牛ひこぼしの つま迎へぶね 漕ぎらし あま川原かはらに 霧の立てるは
《彦星の 迎えの舟が 出たんやな あま川原かわらに 霧出てるがな》
                         ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻八・一五二七)

織姫おりひめさん さぞかし 胸躍ときめいて おられるじゃろう)
天の川 浮津ふつ波音なみおと 騒ぐなり わが待つ君し ふなすらしも
《天の川 波ざわざわと 騒いでる うち待つあんた 舟したんや》
                         ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻八・一五二九)

ひさかたの あまの川瀬に 船けて 今夜こよひか君が わがまさむ
《天の川 舟浮かばして 今夜きょうんや うち待つ岸に あんたがんや》
                         ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻八・一五一九)

かすみつ 天の川原に 君待つと い行きかへるに の裾濡れぬ
《霞んでる 川原かわらまで出て あんた待ち 行ったり来たり 裾まで濡らし》
                         ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻八・一五二八)

あまかは 相向き立ちて 我が恋ひし 君ますなり ひも解きけな
《天の川 隔て離され 焦がれ待つ あんた来る来る 早よ支度したくせな》
                         ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻八・一五一八)

秋風の 吹きにし日より いつしかと  わが待ち恋ひし 君ぞ来ませる
立秋あきの風 吹いた時から 待っとった うちのあの人 来たんや来たで》
                         ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻八・一五二三)

 ああ 雲が
 二人の逢瀬おうせ 雲が隠す
 雲のやつ 気遣きづかいか・・・
今宵こよい 過ぎれば 一年あと
 せつい 別れが 待っている
  その時の 思い・・・)
玉かぎる ほのかに見えて 別れなば もとなや恋ひむ 達ふ時までは
《喜びの 逢瀬おうせ束の間 夜明よあけたら また焦がれや 今度逢うまで》
                         ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻八・一五二六)

 の晴れ間
輝き増す 牽牛けんぎゅうぼし と 織姫おりひめぼし 



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