犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(137)天地と

2012年08月29日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【十月五日】放映分

天地あめつちと 久しきまでに 万代よろづよに 仕へまつらむ 黒酒くろき白酒しろき
《天と地が 続く限りの おつかえを 黒酒白酒くろしろざけを ささげて祈ろ》
                        ―文屋智努真人ふんやのちぬのまひと―(巻十九・四二七五)
【万葉歌みじかものがたり】 をしのはむ》

平穏無事な中にも 政情不安の影がぎる
諸所しょしょで持たれる うたげ
全て が 政争がらみ でないも
気疲れうたげとなる
同席 すれば したで
不参 は 不参なりに
うわさ 憶測おくそくが 飛び交う

そう した中
秋の宮中行事 新嘗祭にいなめさい
今年の収穫を 神にそなえ 実りの感謝を捧げる日
天皇おおきみ 直々じきじきの うたげ
お召しにこたえ それぞれがうた
さすがに この場 憶測おくそくなく 慶賀けいが気分が満ちる

【十一月二十五日】新嘗にいなめ祭での天皇えん
天地あめつちと 相栄あひさかえむと 大宮を 仕へまつれば たふとく嬉しき
新嘗にいなめの 祭りにつかえ 天と地の さかえ祈れば 貴く嬉し》
                      ―巨勢奈弖麻呂こせのなてまろ―(巻十九・四二七三)

あめにはも 五百いほつなふ 万代よろづよに 国知らさむと 五百いほつな
《空の上 綱張巡めぐらせる 国おさめ 永遠とわに続けと 綱張巡めぐらせる》
                        ―石川年足いしかわのとしたり―(巻十九・四二七四)

天地あめつちと 久しきまでに 万代よろづよに 仕へまつらむ 黒酒くろき白酒しろき
《天と地が 続く限りの おつかえを 黒酒白酒くろしろざけを ささげて祈ろ》
                        ―文屋智努真人ふんやのちぬのまひと―(巻十九・四二七五)

島山に 照れるたちばな 髻華うずし 仕へまつるは 卿大夫まへつきみたち
庭山にわやまに えるたちばな 髪挿かみさして せきに連なる 側仕そばつかびと
                        ―藤原八束ふじわらのやつか―(巻十九・四二七六)

れて いざ我がそのに うぐひすの 木伝こづたひ散らす 梅の花見に
くつろいで うちその行こ 鶯が 枝散らしする 梅花うめはな見いに》
                        ―藤原永手ふじわらのながて―(巻十九・四二七七)
新嘗にいなめの うたげこれ無事 済ませたら うち梅花うめはな 見に来ませんか―こんな季節に 梅花ないが 梅見気分で みなしてどうぞ)

あしひきの 山下日蔭ひかげ かづらける 上にやさらに 梅をしのはむ
《行きましょや 日陰かずらを 髪挿かみさして 気分そのまま 梅花うめはなめに》
                        ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四二七八)



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