犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(129)こもりくの

2012年08月01日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【九月二十三日】放映分
隠口こもりくの 泊瀬はつせの川の かみつ瀬に を八つかづけ しもつ瀬に を八つかづけ かみつ瀬の あゆはしめ 下つ瀬の あゆはしめ・・・
泊瀬川はつせがわ 上流かみ多数よけ もぐらして 下流しもでも多数ようけ もぐらして 上流かみあゆうお 食捕わさして 下流しもあゆうお 食捕わさせる・・・》

【万葉歌みじかものがたり】あゆはしめ》

ふくや玉なら つくろいするが
人間ひと生命いのちは つくろい出来ん
  
隠口こもりくの 泊瀬はつせの川の かみつ瀬に を八つかづけ しもつ瀬に を八つかづけ かみつ瀬の あゆはしめ 下つ瀬の あゆはしめ
泊瀬川はつせがわ 上流かみ多数よけ もぐらして 下流しもでも多数ようけ もぐらして 上流かみあゆうお 食捕わさして 下流しもあゆうお 食捕わさせる》
くはし妹に あゆしみ ぐるさの とほざかりて 思ふそら 安けなくに 嘆くそら 安けなくに
《そのくわし児が しがった あゆわすすら けんに 矢ぁ投げるに って仕舞て 思う心は 苦しいて 嘆く心は せつうて》
きぬこそば それれぬれば ぎつつも またもふといへ 玉こそば えぬれば くくりつつ またもふといへ またもはぬものは 妻にしありけり
ふくであったら やぶれても つくろうたなら ちゃんとなる 玉であったら 千切ちぎれても つなぎ付けたら もと戻る もとに戻らん もんんは ほんにわしの児 やったな》
                          ―作者未詳―(巻十三・三三三〇)
   
忍坂おさかの山は うるわし山や
こんな立派ええ山 荒れるんしで

隠口こもりくの 泊瀬はつせの山 あをはたの 忍坂おさかの山は 走出はしりでの よろしき山の 出立いでたちの くはしき山ぞ あたらしき山の 荒れまくしも
泊瀬はつせの国に ある山の 青々茂る 忍坂おさかやま 突き出た形 え山や 立ってる姿 え山や よてうるわし 立派ええ山の (ずっとってと 思うのに) 荒れて行くのん しい思うで》
                          ―作者未詳―(巻十三・三三三一)
                         (亡くした人を忍坂山になぞらえたか)
                          (忍坂山での葬送の後人が居なくなるのを「荒れまく」と言ったか)

高山たかやまと 海とこそば 山ながら かくもうつしく 海ながら しかまことならめ 人ははなものぞ うつせみのひと
高山やまと海とは 永久とこしえや 高山やまは高々 ここにある 海は広々 そこにある けど人間ひとんは 花かいな この世にあって 散っていく 
                          ―作者未詳―(巻十三・三三三二)


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