犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(105)彦星と

2012年05月09日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【八月二十二日】放映分

彦星ひこほしと 織女たなばたつめと 今夜こよひ逢ふ あま川門かはとに 波立つなゆめ
《彦星と 織姫おりひめさんが 今夜こよい あまの渡し場 波荒れんとき》
                          ―作者未詳―(巻十・二〇四〇)

【万葉歌みじかものがたり】《瀬にで立ちて》

日暮れ近づき 夜帳とばりが下りる
待って 焦がれた 天上二人
星空 見上げ 時待つ地上
 に期待の 幕引き上がる

 地 上】
秋風の 吹きただよはす 白雲は 織女たなばたつめの あま領巾ひれかも
《秋風が 吹きただよわす 白雲は おりひめさんの 領巾ひれなんやろか》
                          ―作者未詳―(巻十・二〇四一)
 地 上】
あまがは 霧立ちのぼる 織女たなばたの 雲のころもの かへる袖かも
あまの川 立っとる霧は おりひめが 着てる雲衣ころもの かえり袖かな》
                          ―作者未詳―(巻十・二〇六三)
 地 上】
彦星ひこほしと 織女たなばたつめと 今夜こよひ逢ふ あま川門かはとに 波立つなゆめ
《彦星と 織姫おりひめさんが 今夜こよい あまの渡し場 波荒れんとき》
                          ―作者未詳―(巻十・二〇四〇)
 地 上】
しばしばも 相見あひみぬ君を あまがは 船出ふなではやせよ けぬ間に
度々たびたびも えんのやから あまの川 よ舟しや けんに》
                          ―作者未詳―(巻十・二〇四二)
 織 姫】
あまがは とほき渡りは なけれども 君が船出ふなでは 年にこそ待て
あまの川 渡し場そんな とおいに あんたの舟出ふなで 一年越しや》
                          ―作者未詳―(巻十・二〇五五)
 織 姫】
彦星ひこほしの 妻呼ぶ舟の づなの 絶えむと君を 我が思はなくに
彦星あんた乗せ ぐ舟の つな切れん うちらの仲も 切れんなあんた》
                          ―作者未詳―(巻十・二〇八六)
 織 姫】
わたもり 舟渡せをと 呼ぶ声の 至らねばかも かぢおとのせぬ
《渡し守 舟してやと さけんでも 届かんかして 梶音かじおとせんわ》
                          ―作者未詳―(巻十・二〇七二)
 織 姫】
秋風の 吹きにし日より あまがは 瀬にで立ちて 待つと告げこそ
《秋風の 吹き始めから 川の瀬に 出て待ってるて 伝えてんか》
                          ―作者未詳―(巻十・二〇八三)
 織 姫】
あまがは 瀬ごとにぬさを たてまつる 心は君を さきく来ませと
あまの川 川の瀬毎に ぬさささげ 祈りするんは 無事ぶじにや》
                          ―作者未詳―(巻十・二〇六九)



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