NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【八月二十六日】放映分
あらかじめ 君来まさむと 知ら坐せば 門にやどにも 玉敷かましを
《前もって 佐為卿のお越し 知ってたら 門や庭にも 玉敷いたのに》
―門部王―(巻六・一〇一三)
【万葉歌みじかものがたり】《蛙聞かせず》
左為王 葛城王 弟
さすがに 王族の出
鷹揚たる 物腰 取り巻き官人に 受けがよい
「左為王様 もうお帰りですか
宴の酣 今がと云うところ を」
「ハハハ もう十分に 堪能致した
後は 皆々で 宜しゅうに ご歓談を」
思ほえず 来ましし君を 佐保川の 蛙聞かせず 帰しつるかも
《珍しい お越しやったに 佐保川河鹿 聞かしもせんと 去なして仕舞た》
―按作村主益人―(巻六・一〇〇四)
「親父殿 いま一時 おいでになれば
皆も 喜びましょうに 悪うございますよ」
「お相伴が 物言うでない
お主 馳走が 惜しいのであろう
次じゃ 次の席が 待って居る」
辿り着いたは 弾正尹 門部王が屋敷
「これは これは 左為王様
本日は 参向適わぬとの仰せ
十分なご用意 致しておりませぬ」
「大事ない 腹はもう満腹て居る」
あらかじめ 君来まさむと 知ら坐せば 門にやどにも 玉敷かましを
《前もって 佐為卿のお越し 知ってたら 門や庭にも 玉敷いたのに》
―門部王―(巻六・一〇一三)
子息 橘文成が 応じる
一昨日も 昨日も今日も 見つれども 明日さへ見まく 欲しき君かも
《一昨日も 昨日も今日も 逢うたのに 明日も逢いたい 門部王さんです》
―橘文成―(巻六・一〇一四)
玉敷きて 待たましよりは
たけそかに 来る今夜し 楽しく思ほゆ《用意して 待つのんよりか 突然に 来られる云んも 嬉しもんです》
―榎井王―(巻六・一〇一五)
―――――――――――――――
【左為王婢の歌】
左為王近く 仕えの侍女は
勤め厳うて 夜昼なしで
宿下がれんと 夫に逢えず
鬱屈溜まり 恋焦れが募る
ある夜夢見に 夫が出でて
やれ嬉しやと 双手を伸ばし
抱きつきみるに 空切る腕
糠喜びに 気付いた侍女は
嘆きいや増し 叫びて詠う
飯食めど うまくもあらず
寝ぬれども 安くもあらず
茜さす 君が心し 忘れかねつも
《飯を食たかて 美味うない
寝てはみるけど うつうつや
あゝ思うんは うちの人
優し心の うちの人》
―左為王婢―(巻十六・三八五七)
聞いた左為王 哀れに思い
泊まり勤めを 長きに許す
――――――――――――――――――――
【新しい試みです】
「歌心関西訳」の作成過程をご覧ください。
これなら あなたも 訳せますよ。
<訳してみよう万葉集>へ
【万葉歌みじか物語】はこちら
<万葉歌みじかものがたり>へ
■リンク先
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【八月二十六日】放映分
あらかじめ 君来まさむと 知ら坐せば 門にやどにも 玉敷かましを
《前もって 佐為卿のお越し 知ってたら 門や庭にも 玉敷いたのに》
―門部王―(巻六・一〇一三)
【万葉歌みじかものがたり】《蛙聞かせず》
左為王 葛城王 弟
さすがに 王族の出
鷹揚たる 物腰 取り巻き官人に 受けがよい
「左為王様 もうお帰りですか
宴の酣 今がと云うところ を」
「ハハハ もう十分に 堪能致した
後は 皆々で 宜しゅうに ご歓談を」
思ほえず 来ましし君を 佐保川の 蛙聞かせず 帰しつるかも
《珍しい お越しやったに 佐保川河鹿 聞かしもせんと 去なして仕舞た》
―按作村主益人―(巻六・一〇〇四)
「親父殿 いま一時 おいでになれば
皆も 喜びましょうに 悪うございますよ」
「お相伴が 物言うでない
お主 馳走が 惜しいのであろう
次じゃ 次の席が 待って居る」
辿り着いたは 弾正尹 門部王が屋敷
「これは これは 左為王様
本日は 参向適わぬとの仰せ
十分なご用意 致しておりませぬ」
「大事ない 腹はもう満腹て居る」
あらかじめ 君来まさむと 知ら坐せば 門にやどにも 玉敷かましを
《前もって 佐為卿のお越し 知ってたら 門や庭にも 玉敷いたのに》
―門部王―(巻六・一〇一三)
子息 橘文成が 応じる
一昨日も 昨日も今日も 見つれども 明日さへ見まく 欲しき君かも
《一昨日も 昨日も今日も 逢うたのに 明日も逢いたい 門部王さんです》
―橘文成―(巻六・一〇一四)
玉敷きて 待たましよりは
たけそかに 来る今夜し 楽しく思ほゆ《用意して 待つのんよりか 突然に 来られる云んも 嬉しもんです》
―榎井王―(巻六・一〇一五)
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【左為王婢の歌】
左為王近く 仕えの侍女は
勤め厳うて 夜昼なしで
宿下がれんと 夫に逢えず
鬱屈溜まり 恋焦れが募る
ある夜夢見に 夫が出でて
やれ嬉しやと 双手を伸ばし
抱きつきみるに 空切る腕
糠喜びに 気付いた侍女は
嘆きいや増し 叫びて詠う
飯食めど うまくもあらず
寝ぬれども 安くもあらず
茜さす 君が心し 忘れかねつも
《飯を食たかて 美味うない
寝てはみるけど うつうつや
あゝ思うんは うちの人
優し心の うちの人》
―左為王婢―(巻十六・三八五七)
聞いた左為王 哀れに思い
泊まり勤めを 長きに許す
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これなら あなたも 訳せますよ。
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