NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【八月三十日】放映分
黙然をりて 賢しらするは 酒飲みて 酔泣するに なほ及かずけり
《澄まし込み 賢振るより 酒飲んで 泣いてる方が まだ増し違うか》
―大伴旅人―(巻三・三五〇)
【万葉歌みじかものがたり】《猿にかも似る》
「まあ どう なされたのですか」
散らばる短冊に 呆れかえる 郎女
頭を抱える旅人を 覗きこむ
「こんな 朝早くに 珍しいこと
おや 朝酒ですか?」
「・・・いや 酒ではない 水じゃ
たまには 徳利と酒坏から
酒気を抜いてやろうと 思うたまでじゃ」
あな醜 賢しらをすと 酒飲まぬ 人をよく見れば 猿にかも似る
《ああ嫌や 酒も飲まんと 偉そうに 言う顔見たら 猿そっくりや》
―大伴旅人―(巻三・三四四)
「あれ
これは まさか 筑前さまのことでしょうか
お気の毒に 猿だなんて
あのお方 私は 好きですよ
真面目でいらっしゃる
お酒飲みの あなたよりもね」
にこりと 微笑む郎女に 思わず苦笑した旅人
「では わしも 酒気を抜かねば なるまいて」
価無き 宝といふとも 一坏の 濁れる酒に あに益さめやも
《値付けさえ 出来ん高値の 宝より 酒一杯が わしには好えで》
―大伴旅人―(巻三・三四五)
夜光る 玉といふとも 酒飲みて 心を遣るに あに及かめやも
《夜光玉 そんなもんより 酒飲んで 憂さ晴らす方が 良え決まってる》
―大伴旅人―(巻三・三四六)
世間の 遊びの道に すすしきは 酔泣するに あるべかるらし
《風流の 道を極めて 澄ますより 酔うて泣く方が 良えのん違うか》
―大伴旅人―(巻三・三四七)
この世にし 楽しくあらば 来む生には 虫に烏にも 我れはなりなむ
《この世さえ 楽し出来たら 次の世は 虫とか鳥に 成っても良えで》
―大伴旅人―(巻三・三四八)
生ける者 遂にも死ぬる ものにあれば この世なる間は 楽しくをあらな
《人何時か 死ぬと決まった もんやから 生きてるうちは 楽しゅう過ごそ》
―大伴旅人―(巻三・三四九)
黙然をりて 賢しらするは 酒飲みて 酔泣するに なほ及かずけり
《澄まし込み 賢振るより 酒飲んで 泣いてる方が まだ増し違うか》
―大伴旅人―(巻三・三五〇)
「郎女 やはり 酒じゃ 酒を持て
徳利も酒坏も しょんぼりして居る」
笑いを堪えて 酒を運ぶ 郎女
そこには 剛毅な旅人が
顎鬚を撫でて 待っていた
――――――――――――――――――――
【新しい試みです】
「歌心関西訳」の作成過程をご覧ください。
これなら あなたも 訳せますよ。
<訳してみよう万葉集>へ
【万葉歌みじか物語】はこちら
<万葉歌みじかものがたり>へ
■リンク先
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
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【八月三十日】放映分
黙然をりて 賢しらするは 酒飲みて 酔泣するに なほ及かずけり
《澄まし込み 賢振るより 酒飲んで 泣いてる方が まだ増し違うか》
―大伴旅人―(巻三・三五〇)
【万葉歌みじかものがたり】《猿にかも似る》
「まあ どう なされたのですか」
散らばる短冊に 呆れかえる 郎女
頭を抱える旅人を 覗きこむ
「こんな 朝早くに 珍しいこと
おや 朝酒ですか?」
「・・・いや 酒ではない 水じゃ
たまには 徳利と酒坏から
酒気を抜いてやろうと 思うたまでじゃ」
あな醜 賢しらをすと 酒飲まぬ 人をよく見れば 猿にかも似る
《ああ嫌や 酒も飲まんと 偉そうに 言う顔見たら 猿そっくりや》
―大伴旅人―(巻三・三四四)
「あれ
これは まさか 筑前さまのことでしょうか
お気の毒に 猿だなんて
あのお方 私は 好きですよ
真面目でいらっしゃる
お酒飲みの あなたよりもね」
にこりと 微笑む郎女に 思わず苦笑した旅人
「では わしも 酒気を抜かねば なるまいて」
価無き 宝といふとも 一坏の 濁れる酒に あに益さめやも
《値付けさえ 出来ん高値の 宝より 酒一杯が わしには好えで》
―大伴旅人―(巻三・三四五)
夜光る 玉といふとも 酒飲みて 心を遣るに あに及かめやも
《夜光玉 そんなもんより 酒飲んで 憂さ晴らす方が 良え決まってる》
―大伴旅人―(巻三・三四六)
世間の 遊びの道に すすしきは 酔泣するに あるべかるらし
《風流の 道を極めて 澄ますより 酔うて泣く方が 良えのん違うか》
―大伴旅人―(巻三・三四七)
この世にし 楽しくあらば 来む生には 虫に烏にも 我れはなりなむ
《この世さえ 楽し出来たら 次の世は 虫とか鳥に 成っても良えで》
―大伴旅人―(巻三・三四八)
生ける者 遂にも死ぬる ものにあれば この世なる間は 楽しくをあらな
《人何時か 死ぬと決まった もんやから 生きてるうちは 楽しゅう過ごそ》
―大伴旅人―(巻三・三四九)
黙然をりて 賢しらするは 酒飲みて 酔泣するに なほ及かずけり
《澄まし込み 賢振るより 酒飲んで 泣いてる方が まだ増し違うか》
―大伴旅人―(巻三・三五〇)
「郎女 やはり 酒じゃ 酒を持て
徳利も酒坏も しょんぼりして居る」
笑いを堪えて 酒を運ぶ 郎女
そこには 剛毅な旅人が
顎鬚を撫でて 待っていた
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これなら あなたも 訳せますよ。
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