犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(025)二人して

2011年06月29日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【四月二十九日】放映分

ふたりして 結びしひもをひとりして れはきみじ ただに逢ふまでは

 《二人して 結んだ下紐ひもや う前に なんで一人で わしほどくかい》
                           ―作者未詳―(巻十二・二九一九)

【万葉歌みじかものがたり】《無礼なめかしこし》

あの児可愛かわいや いじらし限り
いたいたに 何故なぜかく
結んだ下紐ひもは ちかいのあかし
ほどくかわしが お前やなしに
  
おほかたは なにかも恋ひむ 言挙ことあげせず 妹に寄り寝む 年は近きを
わんでも お前と共寝る日 来るうに がれするのん しこっちゃ》
                           ―作者未詳―(巻十二・二九一八)
   
死なむいのち 此処ここは思はず ただしくも 妹に逢はざる ことをしぞ思ふ
《死ぬ命 し思わんが ただお前 えんなるん いやだけなんや》
                            ―作者未詳―(巻十二・二九二〇)
   
うつつにか 妹が来ませる いめにかも 我れかまとへる 恋のしげきに
《お前来た 夢かうつつか 幻か がれはげして わしけとんか》
                           ―作者未詳―(巻十二・二九一七)
   
玉かつま 逢はむと言ふは れなるか 逢へる時さへ おもかくしする
いたいて うたん誰や そやうに うたら顔を かくすんかいな》
                           ―作者未詳―(巻十二・二九一六)
                  (玉かつま=立派なかごふたと身が合う→逢う)
  
ふたりして 結びしひもをひとりして れはきみじ ただに逢ふまでは
《二人して 結んだ下紐ひもや う前に なんで一人で わしほどくかい》
                           ―作者未詳―(巻十二・二九一九)
   
いかならむ 日の時にかも 我妹子わぎもこが きの姿 朝にに見む
何時いつたら あの児の裳裾もすそ 引く姿 朝晩ずっと 見られんやろか》
                           ―作者未詳―(巻十二・二八九七)
   
妹と言はば 無礼なめかしこし しかすがに けまくしき ことにあるかも
《「お前」ん もったいないな そやけども てみたいんや 「お前」うんを》
  
                           ―作者未詳―(巻十二・二九一五)
                               相手は身分高い女か)


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