犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(018)暁の

2011年06月04日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【四月二十日】放映分

あかときと がらす鳴けど この岡の 木末こぬれうへは いまだ静けし

 《夜明けすぐと がらす鳴くが 山の上 こずえ静かや 夜明よあけまだやで》
                          古歌集―(巻七・一二六三)



【万葉歌みじかものがたり】みしがからに》

誘い の歌に 拒絶の歌に
後朝きぬぎぬ別れ 引き留め歌に
夫浮気の なじりの歌に
果て は歌垣 しくじり歌に

 時に臨みて】
佐伯山さへきやま はな持ちし かなしきが 手をし取りてば 花は散るとも
佐伯さえきやま はな持つ児 え児やで 手ぇつなごかな 花散るやろが》
                          古歌集―(巻七・一二五九)
時ならぬ まだらころも しきか 島の榛原はりはら 時にあらねども
時期じきちゃうが まだらふく 着てみたい はんどき ちがうんやけど》
                          古歌集―(巻七・一二六〇)
(まだ若い おぼこの児やが まあとするか)

道のの くさふか百合ゆりの 花みに みしがからに 妻と言ふべしや
《うちちょっと 百合ゆりばなみたい 微笑わろたけど その気なりなや あつかましいに》
                          古歌集―(巻七・一二五七)
つきくさに ころもむる 君がため まだらころも らむと思ひて
《露草で ふく染めてんや あんたにと まだらふく 作ろともて》
                          古歌集―(巻七・一二五五)
春霞 うへただに 道はあれど 君に逢はむと たもとほ
湧水わきみず場 とおる真っすぐ 道あるが あんたいとて 遠回とまわりで来た》
                          古歌集―(巻七・一二五六)
あかときと がらす鳴けど この岡の 木末こぬれうへは いまだ静けし
夜明けすぐと がらす鳴くが 山の上 こずえ静かや 夜明よあけまだやで》
                          古歌集―(巻七・一二六三)
もだあらじと ことなぐさに 言ふことを 聞き知れらくは しくはありけり
《気まずいと もてなぐさめ うのんを かって聞くん つらいもんやで》
                          古歌集―(巻七・一二五八)
やまもりの 里へかよひし 山道ぞ 茂くなりける 忘れけらしも
やまもりが 里かよとった 山道は ろ繁ったで 道忘わすれたらしな》
                          古歌集―(巻七・一二六一)
(よう来てた あの人んと なごなって仕舞た)

あしひきの 山椿咲く 越え 鹿しし待つ君が いはづまかも
《椿咲く 峰々みねみね越えて 鹿を待つ あんたのうちは かざりの妻か》
                          古歌集―(巻七・一二六二)
(狩りやて よう出掛けるが 嘘ちゃうやろか)

西にしいちに ただ独りでて ならべず 買ひてし絹の あきじこりかも
西にしいち 一人出掛けて うた絹 見比べせんで 買いこのたで》
                          古歌集―(巻七・一二六四)
(歌垣で 見込み違ごたで 良女ええもたのに)


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