二十代の終わりごろ
ふとそんな時間ができたので、
墨を磨って
書道を楽しんでいた
紙にも凝るようになると
自然に花や季節のものより
ちょっと赤い線が入っただけ
というような中国的な方へ傾いた
文房四宝というけれど
あ、そうだ
母が以前から「うちには端渓がある」
と言っていたのを思い出し
私がもらうことにした
端渓は唐時代からの硯の銘品で
広州の西に位置する谷から掘られる
今では資源保護のために坑道は塞がれているという
我が家のは祖父が骨董の一つとして
持っていたものだった
石には葡萄の模様が刻まれ
硯の石にぴったり合わせて箱も作られている
文房四宝に凝らなくなった今は
100円ショップのボールペンと便箋で手紙を書くが
またいつか贅沢ができるようになったら
端渓の硯で墨を磨って
手紙を書きたい
ふとそんな時間ができたので、
墨を磨って
書道を楽しんでいた
紙にも凝るようになると
自然に花や季節のものより
ちょっと赤い線が入っただけ
というような中国的な方へ傾いた
文房四宝というけれど
あ、そうだ
母が以前から「うちには端渓がある」
と言っていたのを思い出し
私がもらうことにした
端渓は唐時代からの硯の銘品で
広州の西に位置する谷から掘られる
今では資源保護のために坑道は塞がれているという
我が家のは祖父が骨董の一つとして
持っていたものだった
石には葡萄の模様が刻まれ
硯の石にぴったり合わせて箱も作られている
文房四宝に凝らなくなった今は
100円ショップのボールペンと便箋で手紙を書くが
またいつか贅沢ができるようになったら
端渓の硯で墨を磨って
手紙を書きたい