さくら井屋の便箋と封筒

2011-05-20 00:23:36 | お宝
中学一年で初めて京都に行ったとき
母は三条新京極のさくら井屋に連れて行ってくれた
母が女学生時代におみやげを買った店だと言っていた

私は布細工の小箱と
日本髪のミニアチュアかつらを買って満足した

それから何十年か後
京都に住むようになって思い出のさくら井屋の前を通っても
中に入ることはなかった
単なる修学旅行生相手の店ではないと思いながらも
               

去年サチコサンから
さくら井屋の昔の便箋と封筒を頂いて
ああ、これこれ、こんな感じと嬉しかった
でも今の修学旅行生に喜ばれるだろうか
いや、わかってたまるか

そして今年一月
さくら井屋は閉店した
               

それによってわかったのは、
さくら井屋は天保年間から平刷り木版を行っており
その職人がいよいよ少なくなって店を畳まねばならなくなったと

違う
こういうデザインの文具を買う人がいなくなったから閉店したのだ
買う人が沢山いれば
職人の仕事も繁盛して、なり手も多数いるはずだもの

こういうデザインが現代の日本人の生活の中に溶け込むのは難しい
私やその他少数の人間の頭の中以外には
               

折角到達した日本の手仕事の高い文化が
便利や合理が好きな国にに断ち切られてしまってからに…。
ぺりーが悪いマッカーサーが悪い

お店が続くのは本当に難しい