はぎわら_m の部屋
社会・時事批評、オピニオン、初等物理の気まぐれ考究、物理教育放談

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洞爺湖サミットにおいては、地球環境の問題についても、原油価格の安定化についても、何らの効果的な方策は示されなかった。世界の先端の会議とはこんな程度のものか、、情けない限り。

以前、2007-3-22の稿にも記したが、地球温暖化の起源を把握することは容易ではない。だから、「温暖化を阻止する」などという題目を掲げてしまうと、いま一つ本気になれない空気が漂うのも無理からぬことなのだ(むしろ真っ当な反応だとも言える)。そして、そんな状況においてはどうしても、何かやったことの体裁だけ繕う形(例えば根拠の無い数値目標設定)の幕引きになってしまう。

しかし、今の地球環境に置かれた人類が直面する問題と課題は、実ははっきりしている。それは、人類以外のあらゆる生物まで考えに入れた地球生態系の破壊を食い止めることなのだ。太古の昔より、種々の生物は、互いに共存しながら永続と進化の道を辿ってきた。共生関係は最も分かり易い共栄共存の形であるが、相手の生物に害を与える細菌や寄生虫だって、恐らく、地球生命が海中の非常に原始的な存在であったときから存在し、相手方の生物と共に生活圏を拡大しながら永続・進化してきたに違いない。このことを広げて考えれば、今の時代に生きる生物の全てが共存し得る地球環境を守ることが、人類存在のための基本的前提であるものと容易に推察できる。つまり、人類にだけは都合が良くて、何らかの他の生物には全く都合の悪い環境、、などという条件はあり得ないはずなのだ。地球上の何らかの生物種の生息を脅かす異変があれば、それはすなわち、人類生存の危機であると認識すべきだ。

さて、地球の生物の生息状況の変化を考えるなら、海面上昇などということよりもよほど深刻な事態が起こっている。それが、森林面積の減少だ。
森林減少とは
世界中ですすむ森林の減少と劣化

森林減少は恐らく大気のCO2濃度の上昇にも関係している。ただし、このことは、地球温暖化というよりも、将来、大気中の酸素濃度に影響が及ぶ可能性があると言う意味において、より深刻であると思う。もし、森林が減った状態で、温暖化が終息し、寒冷化に向かえば、光合成による酸素供給が減少に向かう。温暖化よりもずっと重大な問題である。

シナリオが如何様であったとしても、植物の生態域を大きく損なうことは、地球の生物にとって致命的な影響を与えることが必然である。人為的な森林面積の減少をストップすることこそが、環境問題の最重要課題であることは間違いない。

グローバル規模の森林がほとんど無い日本において、できることは、木材・パルプの消費を減らすことである。一つの提案であるが、毎日ほとんど読み捨てられる新聞紙の大量印刷を止めることを考えてみるべきではないだろうか。ただし、ディスプレイなどでは文章は読みにくい。今の、[一括印刷→配達]の方式をやめるとしても、やはり最後は紙(またはそれに代わるもの)に印字することが必要だ。となれば、各読者が、インク剥離による再利用可能なフィルム上に、ネット経由で得た文字情報を毎日書き換え印字する、、という方式が考えられる。トナーを使わない印字方式がベターだが、早期実現を優先するなら、それほど新しい技術にこだわることもないだろう。要は、この方式を選んだ読者の情報購読料金が、(プリンターとトナーの費用を速やかに取り戻せるくらい)従来式に比べて安くなることが重要だ。それさえ実現すれば普及は速やかだろう。いずれにしても、パルプ消費量削減の目標は、発生CO2削減の目標よりはるかに意味があると思う。
<ing(臨時挿入的に続きを書く予定あり.)>

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新聞用紙の消費(含古紙配合率)に関する情報-ある新聞社の例
朝日新聞 環境報告書2007(概要)
年間、古紙配合率約70%の紙を80万トン弱ほど使用とのこと.

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