はぎわら_m の部屋
社会・時事批評、オピニオン、初等物理の気まぐれ考究、物理教育放談

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サミットでは有効な提言が全く出せないようなので、化石燃料の使用量削減に効果的と思われる私の案を記す。

現在では、物資の国内輸送手段の主力は貨物トラックである。しかし、鉄道を使って、同じ質量の物資を同じ距離だけ運ぶならば、エネルギー消費量は概ね1/10で済むのだ。

(H6年のデータ):
環境省の 白書の図表 の中の 1-2-13図「輸送機関別エネルギー消費原単位」
あるいは 輸送機関別エネルギー効率 (ただしこれは昭和54年の情報)

確かに高速トラックを使えば、ドアtoドアで、たった1日で、ほぼ日本中どこにでも貨物が届く。しかし引き換えに、その輸送のために、鉄道に比べ10倍の燃料が毎度毎度費やされるのだ。何が何でも翌日までに届けねばならない、という要請が、それほど頻繁にあるとは思えない。石油の消費を抑えることを決意するからには、これくらいの不便は甘んじて被るべきだ。(無意味な精神論とは違って)確実な省エネ効果があるのだから、このような輸送手段の転換を目指して、政治・行政は積極的に動くべきではないか。

在来線の貨物列車では、輸送時間がかかりすぎることも確かだ。それならば、東北-東海道-山陽新幹線に貨物車両を導入することを真剣に検討すべきではないか。この幹線から先はトラックに移すことになるが、その際、従来式よりもっと便利な貨物転載の方式を考案することが望ましい(こういう発明・開発はその気になればあっという間に進むだろう)。これが実現すれば、現状との輸送時間差もそれほど生じないはずだ。

現状の新幹線は、深夜ぐらいにしかダイヤの空きがない。保線の時間も必要だろうから、そこに貨物列車を押し込めるのは難しそうだ。そうとなれば、新幹線の複々線化を進めればいい。大きな公共事業だが、目的と効果がはっきりしているし、赤字路線になることは考えられないので、公費投入のインフラ事業として相応しいと思う。高速道路に投じられている税金よりよほど有意義な使途である。

[P.S.]
調べてみたところ、新幹線による貨物輸送というアイディアは、既にいろいろ出されていた。このような提言に、首相や国土交通省の人は、目を向けてはどうか。
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新幹線で貨物輸送
新幹線 貨物 - Google 検索

石原浩氏 (慶應大)による研究報告
経済環境面から見た貨物新幹線の可能性/交通運輸情報プロジェクトレビュー13 
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