はぎわら_m の部屋
社会・時事批評、オピニオン、初等物理の気まぐれ考究、物理教育放談

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 「逆流性食道炎」は、中年以降の人の多くが罹るポピュラーな疾患だ。日本では、食生活の変化や高齢化の影響で、罹患者の割合が急速に増加し続けているそうだ。食道-胃噴門部の活躍筋が弱まるために、食道に胃酸が侵入して炎症が起こる疾患。首下がりや前かがみ姿勢は間接的な原因になる。症状はけっこう辛く、仕事等の活動の大きな支障となる。悪性疾患でないとは言え、真の完治につながる治療法はなかなかなく、治療はもっぱら、胃酸の分泌を抑える薬の内服にたよることになる。その方式となれば著効を示す処方薬があるので、薬を飲んで炎症をおさめていくことはできるのだが、根本的な治癒を導くものではないので、薬との付き合い方に個々の特性に応じた工夫が要る。今回は、その関連の注意・工夫についてのちょっとした話。

先ず、胃酸分泌を抑える薬として、今日使われるのは次の4種に区分される:M1ブロッカー、H2ブロッカー、PPI、P-CAB (これらの情報はネット上に多数. ここでは触れない.)
よく使われる薬品名:ピレンゼピン、ファモチジン、ネキシウム、タケキャブ(←これのみ唯一の商品名)
効果は、基本的に右に行くほど顕著。医院で処方されるのは、右側3種類。患者側からみて、この3つからどのように処方してもらえばいいかと言う話しを記す。
結論的に言えば、強い症状を止めたいと思ったら、「タケキャブ」に限る。

ファモチジンは効果が弱い。治すというより、(辛いものや油ものをたくさん食べた、夜遅くに飲食したなどで)症状が出そうだと思ったときに、予防的に飲むのに向いている。市販薬にもなっているので、口内崩溶型(ガスター10 S錠等)を鞄に入れておくとよい。

PPIはそこそこよく効くのだが効果が出るのに日にちが必要。さらに「ネキシウム」は、私には合わなかった(むしろ腹痛を誘発する)。形状がカプセルで、しかもその色が無用に派手(毒々しい)であることもネガティブポイントだ。

タケキャブは、顕著な効果を示す。かなり即効的で持続時間も長い(効果は、飲んで1時間あたりから出はじめ、余裕で半日は続く)。腹痛なども出ない(唇が乾いて、塩っぱいような感触を覚えるという副反応があるのだが、このことは薬が効いている期間の確認に役立つ)。さらに錠剤が長細く半分に割れる形が良い。タケキャブの唯一の欠点はやや高価なことなのだが、20mg錠を処方してもらって、それを半分に割り、日によって飲み方を変えることができる。薬価は、20mg 157.9円、10mg 105.3円 なので、10mgとして使う場合でも、必ず 20mgを処方してもらうべきだ。逆流性食道炎では、最初に内視鏡検査をした後は、簡単な問診が行われるだけだ。通院する意味はほとんどないので、医院に出向く回数は極力減らしたい。ただし、1回に処方してもらえる薬の日数分には制限がある。そこで、20mgを1ヶ月分出してもらえれば、2月間もつことになるのだ。また、症状が、朝にひどい場合、夕方にひどくなる場合などあるのだが、半錠ずつ朝夕に内服する方式をとれば、1日中強力に効く。要するに、ひどいときには1日2回に分け服用、おさまってきたら、1日の中のどこかで1回、半分だけ服用するという使い方ができる。これが決定版だ。(症状がひどくなる時間帯があれば、それに先立つ食事の前に飲むのが効果的.)


-----参考となるリンク集------

胃食道逆流症(GERD)と逆流性食道炎/オリンパス(株)
https://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/esophagus/esophagus_04.html

NHK健康--胃食道逆流症の症状--【胸焼けの治し方】胃食道逆流症の治療と注意すべきこと/NHK
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_428.html

兵庫医科大学病院>もっとよく知る!病気ガイド>胃食道逆流症(GERD)注意
https://www.hosp.hyo-med.ac.jp/disease_guide/detail/12

日本消化器学会ガイドライン>患者さんとご家族のためのガイド>胃食道逆流症(GERD)ガイドQ&A>Q7〜Q9
https://www.jsge.or.jp/guideline/disease/gerd.html#q1

胃酸の分泌を抑えるお薬(酸分泌抑制薬)の解説
https://www.tanaka-cl.or.jp/health-column/isan/

PPIとH2ブロッカーはどう使い分けるべきか
https://www.m3.com/clinical/open/news/962018

逆流性食道炎は薬で治せる?薬の使い分けとは?(オンデマンド療法のことなど)
https://www.tamapla-ichounaika.com/knowledge/category/post-35616/

タケキャブ錠10mg、タケキャブ錠20mg
https://clinicalsup.jp/jpoc/drugdetails.aspx?code=65139

食道裂孔ヘルニア改善には腹式呼吸?正しい腹式呼吸とは?
https://www.tamapla-ichounaika.com/knowledge/category/post-35111/


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「首下がり」の症状が強く出ている最中は、体の他のトラブルに意識が向かいにくくなる。知らず知らずのうちに他の疾病を悪化させないよう注意した方がいい(病気一般について言えることです)。
意識すべきは、首下がりの症状や治療経緯と連動して生じやすい疾患があることだ。

今回の私のケースで重要となる観点は以下の3つだ:
(1) 首の曲がりは「食道」の形態に直結するので、首下がり状態の間、食道が、極端な前かがみ姿勢のときの向き・形になっている。
(2) 首下がりからの回復を促すためには、横臥姿勢をとることが有効。デスクワーク中、ある程度の時間おきに休んで一旦横になるのがよいし、しっかり昼寝することも効果的と(医師に)勧められた。
(3) 就寝時の枕は低くした方がよい。(ホテルなどを含め)首の姿勢には不自然な厚みの枕が使われている場合が多いので注意する。

以上のどれもが原因となって、発症・悪化しやすくなる病気がある。「逆流性食道炎」だ。実は、首下がりになる前に一度発症したことがあり、もっと早く気づくべきだったが、逆流性食道炎のことは忘れて一生懸命横になる時間を確保していた。枕も薄くした。そのような過程で、のど奥の詰まり感、(時折現れる)痰と胸焼けなどの症状を少しずつ断続的に自覚するに至り、しかもその状態をしばらく放置してしまった後に(首下がりとは別の)医院に駆け込むことになった。内視鏡検査の結果、案の定、(軽度裂孔ヘルニア含む)逆流性食道炎とわかった。

今なお悩みが続いているのは、(2)のジレンマ問題だ。逆流性食道炎を治すには、(胃に物が入っているときは)横にならない方がいい。首下がりを治すには、なるべく横になった方がいい。考えられる対策は、食後すぐになるべくがんばってデスクワークを進めることだ。横になる休憩は食後2時間より後にする。さらに、(3)に関連することとしては、寝る時に左下(右側が上)の姿勢をとることが大切だ(胃の入り口は右側なので)。寝返り打てば元の木阿弥だが、、経験上、意識するとしないとでは、明らかに違う。
以上は、(中高年で)首下がり症候群を発症した方に共通する注意事項になると思う。

逆流性食道炎の処方薬についても追加情報がある。これは次回に。

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