2003年7月17日
「国の借金が大変だ」という主旨のネット掲示板の記述が目立ちます。しかし、現状の国債発行は、債権者も債務者もほとんど国内に居るわけですから、国が債務に喘ぐなどという感覚は誤っていると思います。
問題はもちろんあります。それは、国が国民に代って消費をするわけですから、その使われ方が各国民の幸せにつながるようになっているか否かです。税の使い方は、役人と政治家が勝手に決めるのではなく、一般市民・地域住民の意見をもっと直接に反映して決めるべきです。一番まずいのは、大した役にも立たずにいずれ朽ち果てるハコモノや巨大な土木工事にお金が使われてしまうことでしょう。
家計を切りつめるように一国の消費全体を減らしてつましく暮らすというのも、一つの選択肢ですが、この場合、全員が同様に貧しくならないことに注意が必要です。権限や資産が不均一に配分されている以上、一部の強者の間で贅沢な生産と消費が行なわれ、残りの者が貧しさを担うという形に向かうと思われます。我が国の経済は、一般マジョリティーまで含めた豊かな消費を前提に発展してきました。節約論については、現状に換わる社会体制や価値観を余程よく考えてから主張しないと、弱者がますます不利になる危険性をはらんでいると思います。
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