今年度のノーベル文学賞がボブ・ディランに決まったが、選考委員会は本人と連絡がとれず、ディランの公式サイトからも「ノーベル文学賞受賞者」という表記が削除されたそうだ。今回の文学賞の意義は、「文学」というもののレンジを大きく拡大したことにあると思う。しかし、彼がもしこのまま無視を続けることになれば、選考委員会は、二度と歌手を受賞者に選ぶことはないだろう。
本人の思惑は別にしても、一般的にはノーベル文学賞が大きな栄誉であることは間違いない。ボブ・ディランの態度は後進たちの芽をつむことになりかねないのである。
しかし、そもそもノーベル賞に「文学」という区分が必要なのだろうか。科学のような客観性があるものとは異なり、「文学」は主観の塊のようなものである。いっそ、これを機会に、「文学賞」を廃止して、その賞金を科学3部門に分配するというのはどうだろう。なんだかよくわからない「平和賞」も同様でいいと思う。科学者は、研究費不足で困っている人も結構いる。そうしたら、ものすごく喜ばれると思うのだが。