文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
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アインシュタインの憂欝

2009-12-16 22:53:17 | オピニオン
 池田信夫氏は、自分のブログ記事「マッハとニーチェ」で次のように書いている。

「アインシュタインは逆に、電磁気学で力学を説明する「コペルニクス的転回」をなしとげた」

 確かに、アインシュタインは、マッハに影響を受けて、特殊相対性理論を展開したが、これのキモは、「相対性原理」と高速度不変の原理から、二つの慣性系の間ではローレンツ変換が成り立つことを導いたことである。このローレンツ変換自体は、その名前からも推察できるように、アインシュタインが発見したわけではない。しかし、先人たちは、光が伝搬する「エーテル」の存在を仮定するなど、既成概念から抜け出せなかった。アインシュタインが偉大なところは、「エーテル」の存在を否定し、すべての慣性系で光の速度は変わらないという、マイケルソン・モーリーの実験での帰結から出発して、このローレンツ変換を導いたところだ。

 続く一般相対性理論は、これを加速度に拡張したもので、主には重力を扱っている理論である。また、最後に成し遂げようとした統一場の理論は重力と電磁気力の統合をしようとしたものだ。そして、残念ながらこれはアインシュタインの夢に終わっている。

 池田氏の言うようなことは、アインシュタインの業績にはない。このことは、少しサイエンスの知識がある人なら知っていることなのだが。アインシュタインも、やってもいないことをほめられて、あの世で苦笑しているに違いない。たとえどんなに難解な用語で化粧しても、前提が間違っていれば、その主張には、何の意味もないだろう。実はこのことは、コメントを差し上げようとしたのだが、どういう訳か、ログインはできても、「コメントが禁止されている」旨のメッセージが帰ってきて受けつけてくれない。何らかのコメント制限がかかっているのだろうか。また、TBを差し上げても無視されてしまった。これは、別に反論というようなものでもなんでもなく、単に思い違いをご指摘しているだけなのだが。

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