豊洲市場問題について

　オリンピックと並んで、築地市場の豊洲への移転についても問題噴出の東京都だが、テレビで問題点として次のようなことを挙げていた。

①専門家会議での結論と違ったことが行われている。
②建設部門と土木部門との意思疎通が悪い。
③事務系と技術系との意思疎通が悪い。

　確かに表面上はこういったことが問題になるだろう。しかし、根っこはもっと深いところにあるのではないか。まず①だ。役人は、何かあるとすぐに「○○会議」というのをつくる。しかし、本来こういった会議には決定権はないはずだ。会議に決定権があるとなると、ガバナンス上おかしなことになってしまう。あんなものは役人が「アリバイ作り」に作ることが多いので、本来は東京都の技術系職員がもっと高度な専門知識を持って判断できるようにならないといけない。

　②については、同じ部の中に両方の部門があったということだが、当時の部長はどちらの出身だったのか？それにより、意見が左右されるというのはよくあることだが、これまで報道を聞いた限りではよくわからない。

　③については、技術系が事務系に比べて冷遇されているのではないか。役人の世界はだいたいそうだし、会社などでもよくある。私が以前いた会社などでも、ひどいものだった。もし、そんなことがあるのなら、意思疎通なんてできる訳がない。

　要するに、問題の裏には、真の根本原因が隠れているかもしれないということだ。そういったことを洗い出さずに、表面的な調査だけしても意味はないのである。