本書は、島耕作の就活を描いたものだ。耕作は、ワセダを卒業を控え、初芝電産に内定する。本編で耕作がどんどん成り上がっていく会社だ。
実は初芝電産に就職が決まるまで、一波乱あった。応募者の身辺調査をするために初芝が雇った興信所が、耕作が同郷で同級生の活動家のリーダーと間違えたため一度は不合格になる。しかし、同じく初芝を受験した親友の訴えで人物を取り違えていたことが分かり、一転合格となる。この辺りにも時代を感じる。
いまでも、身辺調査をやっているところはあるかもしれないが、もしばれたら、重大な人権侵害として世間から袋叩きにあうことは間違いないだろう。しかし、この漫画では割と堂々とやっているのだ。
そして、大学生になったら未成年でも酒がOKだとか、やたらと喫煙率が高かったりと、身辺調査以外にも、時代を感じさせるシーンも多い。私は酒も煙草もやらないが、大学のときを思い返すとそんな感じだった。
また、耕作が親友と受験した初芝の食堂でワセダOBとして彼らに接触してアドヴァイスしてきた者が、実は面接試験の担当者だったのだが、実に細かい。私なら、それだけで、もういやになるかもしれない。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。