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文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

講習だけでは減らないと思うが・・・

2015-11-19 11:00:09 | オピニオン
 11月12日付の産経新聞(ネットニュース)によれば、<自転車での人身事故や危険行為を繰り返したとして、東京都中野区の男性会社員(23)が、都内で初めて「自転車運転者講習」の受講命令を受ける見通しとなった。>ということだ。

 こういった連中に、講習を受けさせるのも、自転車による事故防止のために手段の一つではあると思うが、これだけでは不足だろう。自転車で危険な運転を繰り返す者は、そもそも自分が間違ったことをしていると心から思っていないのではないか。だから、同じことを繰り返すのだろう。

 私自身もヒヤリとした経験がある。大分前のことではあるが、歩道を自転車に乗って前からやって来たオバハンが、私にぶつかりそうになった。そのオバハン、謝るどころか、こちらに文句を付けて去って行ったのである。まるで、歩道というのは、自分が自転車で通るためにあるかのような態度だ。また、後ろから来た自転車に追い越された際、服をかすったというのは、数限りない。

 こういったことが無いようにするには、やはり経済原理で規制するのが一番だと思う。安全運転をしなかった際に、自転車に乗っていたものが受ける便益に比べ、かかるコストの方を比較にならないくらい大きくするのだ。講習を受けるというのは、時間的なコストを払うということではあるが、この他に講習にかかる費用を10万円位徴収するとか、最初から反則金をがっぽりとるとといったことも効果的だ。自動車の運転免許と絡めたペナルティを課すこともいいだろう。

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書評:ラーメンを味わいつくす

2015-11-19 09:25:07 | 書評:学術・教養(人文・社会他)
ラーメンを味わいつくす (光文社新書)
クリエーター情報なし
光文社



 2001年、テレビ東京系の「テレビチャンピオン」で6代目ラーメン王となった佐々木晶さんによるラーメン語り、「ラーメンを味わいつくす」(光文社新書)。面白いのは、著者の佐々木さんが、ラーメン業界に関わりのある人ではなく、本業は、惑星科学の研究者というところだ。本書の出版当時は、東大の助教授だったが、調べてみると、現在は大阪大学教授のようである。ラーメンについてはまったくの趣味ということだが、趣味もここまで極めれば大したものだろう。

 このラーメンというのは、なかなかの曲者だ。スープにしても、豚骨、醤油、味噌、塩などといった多くの種類がある上に、麺の方にも、その店のこだわりを反映して様々なものがある。こういったものを、「ラーメン」という一つのカテゴリーでくくっているのだから、一筋縄ではいかないのは当然だ。例えば、本書には、スープの代わりに油とタレを入れて食べる「油そば」や、うどんをラーメンスープに入れて出す店などについても書かれているのだが、こうなると、もう私には、いったいどこまでをラーメンと言えばよいのかさえ分からない。

 本書には、こういったラーメンに関するトリビアや、著者流のうまい店の見分け方、日本全国350軒のお薦めの店という、ラーメン好きにはうれしい情報がてんこもりだ。本書を参考にして、出張や観光などで、どこかに旅行するときには、ご当地のラーメンを食べることを、計画に入れておくのも楽しいことと思う。ただし、地方でラーメンを食べるためには、注意事項があるようだ。

「地方にラーメンの食べ歩きに行くときは、行動計画を綿密に立てないと失敗します」(p108)

本書にも紹介されているが、山口県の宇部市には「宇部ラーメン」というものがあり、著者も食べにいったそうだ。私も、そんなラーメンがあると聞いたので、仕事がらみで宇部に行った際に、宇部市の中心部である、宇部新川駅周辺でラーメン屋を探してぶらついてみたが、結局開いている店は発見できなかったというのは、未だに残念。

 ラーメンの薀蓄がたっぷり詰まった本書は、ラーメンに興味ある人なら、旅行のお供や話のタネづくりに役立つことと思う。ただ、街の方では、人気のラーメン屋というのは行列がつきものだ。

「ラーメンの食べ歩きをしようと思ったら、ある程度の行列は覚悟しなければなりません」(p60)

 著者も、ラーメンを好きになってからは、並ぶのが苦にならなくかったそうだが、私には無理。なんやかんや言っても、たかがラーメンである。並んでまで食べる気持ちは、絶対に理解できない。しかし、されどラーメン。本書を読むと、その奥深さはよく分かる。


☆☆☆☆

※本記事は、書評専門の拙ブログ「風竜胆の書評」に掲載したものです。



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