マックンのメモ日記

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軽自動車「ガラ軽」の依存症の罠。「ガラ携」の二の舞はないのか!

2013-06-02 23:08:49 | 経済・金融・投資
国内市場の伸びは期待薄の自動車産業ですが、そのなかでも 開発競争や販売競争が異様にまで盛り上がっている似通った顧客集団があります。いわゆる庶民の車として親しまれている軽自動車です。軽自動車市場では長年ダイハツ工業とスズキの2強体制が続いていましたが、2011年にホンダが投入した「N BOX」大ヒットし、3強体制に突入したのは知ってのとおりです。取り残された日産自動車と三菱自動車が手を組んで共同開発した新型軽自動車を発売する予定です。三菱自動車の社長は2社連合をテコに「軽4強の一角を占めたい」と述べ、巻き返しに意欲を見せているそうです。

商品の進化も顕著で、スズキの人気車種「ワゴンR」がガソリン1リットルあたり28.8キロの燃費を実現したのに対し、ダイハツムーヴは同29キロに延ばし、三菱・日産連合はさらにその上を行くと言います。高速での走行安定性なども以前に比べると格段によくなり、乗り手の視野も広がったそうです。販売実績を見ると、今年4月の新車販売に占める軽の比率は4割を突破しました。都道府県別の統計ではトップの長崎県は12年度の軽比率が55%を超え「車と言えば軽自動車」と言う地域が広がっています。圧倒的な独り勝ちを続ける軽自動車ですが、各メーカーが競争にしのぎを削るのは当然のことですが、軽自動車フィーバーは日本の自動車産業にとっていいことなのかどうかは分かりません。

と言うのは日本でしか売れない車に経営資源をつぎ込んで大丈夫なのかという疑問も出ているからです。こんな問いかけに、ホンダの社長は「小さい車を作るのは、大きい車を作るよりはるかに難しい。軽で養った技術は必ず世界で通用する」と反論しています。例えば、「N BOX」ではスペースの節約のために薄型のエンジンを搭載しており、この技術を生かせば軽以外の車でも広い室内空間を実現できると言うのです。

しかし、軽自動車そのものを海外で売る試みはあまり聞きません。数少ない例外の一つはスズキが旧アルトをインド仕様に仕立て直し大ヒットさせた「マルチ800」ですが、これも軽の660ccのエンジンでは市場性がないとみて、800ccエンジンを搭載したのです。

圧倒的な力を誇った米ビッグスリーが凋落した一つの要因は米国にしか市場がない巨大なピックアップトラックにこだわり、世界展開が遅れたことです。軽自動車への過度のこだわりが日本の自動車産業のガラパゴス化を招かないか、やや心配する声もあります。通商交渉などで軽優遇という声が欧州勢などから上がっているそうですが、外からの批判よりも、内なる軽依存症の方が国内メーカーにとっては怖いのではないかと言います。ガラ携と言う言葉がありましたが、その末路は知ってのとおりです。軽自動車も同じ末路を辿らないと言い切れるでしょうか?ビッグスリーの教訓もあります。過度のこだわりが日本の軽自動車のガラパゴス化かを招かないことを願います。