マックンのメモ日記

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アカデミ賞と保守的な審査員!

2012-02-28 21:51:06 | 芸術(音楽など)・文化・歴史
映画界最高の栄誉とされる米・アカデミー賞、第84回の発表と授与式が26日、ロサンジェルスで開かれました。大賞作品の中で栄誉に輝いたのはハリウッドを舞台にした恋愛物語を白黒・無声で描いた「アーティスト」が作品賞、監督賞など主要5部門を独占するという結果になりました。これは米国作品ではなくフランス映画であり、フランスの作品が受賞するのは初めての快挙であり、しかも無声映画が同賞を受賞すると言うのは第一回の「翼」以来でだそうで、13年ぶりというから驚きです。今ではカラー映像を飛び越えて3D映画が増え出しているというこの時代に、無声映画でしかも白黒という映画が、今日の時代に撮られたこと事態、大変珍しいことです。その映画が主要5部門を独占したと言うのですから、会場にいた人たちもびっくりしたことでしょう。

こうしたアカデミー賞には予想がつきものですが、今回の受賞の候補作品にこの映画が上がっていたのかという興味があります。前評判の高い映画というのは当然あるので、審査手続きがどのようになされるのか分からないので何とも言えませんが、審査前に話題作品を見て、まず対象となる候補の映画を絞っていくのでしょうか?そして受賞候補となる映画を見ていた審査員の間から、この映画が話題になっていたかどうかですね。果たしてこの映画が話題になっていたかどうかまでは分かりませんが、ちなみにネットで調べてみると、外国語映画賞にノミネートされたのは、『闇を生きる男』(ベルギー)、『In Darkness』(ポーランド)、『ぼくたちのムッシュ・ラザール』(カナダ)、そして本命といわれたイランの『別離』と対抗馬となったイスラエルの『Footnote』の5本でした。結局、栄冠を手にしたのは『別離』だったそうですが、それではフランスの映画は外国語映画ではないと言うことなのでしょうか。候補作品に名前が載っていません。アメリカで撮られたからなのでしょうか?よくわかりませんね。

話は逸れますが、アカデミー賞の外国語映画賞で、イランとイスラエルの映画監督が対決するのは今回が初めてだそうです。ちなみにイランとイスラエルといえば、イランの核開発に対するイスラエル政府の激しい抗議がニュースで伝えられているのでご存知だと思いますが、両国の関係は良いとは言えないどころか、現状は最悪の状態にあると思うのですが、まさか映画の世界でもイランとイスラエルが対峙するとは不思議な因縁ですね。しかしアカデミー賞とは直接の関係はなく、『Footnote』のヨセフ・シダー監督はことあるごとに、『別離』を「2011年のお気に入りの映画の1本」と絶賛しているそうです。話が逸れ次いでに、私も世界中の音楽をYouTubeから集めてお気に入りを作っていますが、イラン出身の歌手(グループ)がスウェーデンを中心にロシアでも活躍しており、私も好きな曲があります。しかしイランの音楽ではなく今風の音楽で民族色はまったく感じられません。だからヨーロッパでもヒットし活躍しているのでしょう。ちなみに名前はArash(アーラシュ)と言います。その人の曲をちょっと載せておきますね。
http://www.youtube.com/watch?v=-whp15J2n_M&feature=channel_video_title

ところでなぜ米アカデミー賞で、話題となった3D映画「ヒューゴの不思議な発明」や「ヒューゴ-」・「ドラゴン・タトゥーの女」といったハリウッド屈指の有力作が、なぜ白黒のサイレント映画という地味な作品に苦杯をなめたのでしょうか?最多11部門でノミネートされていた「ヒューゴの不思議な発明」は視覚効果賞、撮影賞など技術部門で5部門の受賞。10部門ノミネートの「アーティスト」も同じ5部門受賞で、数だけ見れば引き分けになっているのですが、「アーティスト」は作品、監督など主要賞をかっさらい、“仏映画初の作品賞”という「おまけ」まで付いたほどです。つまり前評判の映画より「アーティスト」が事実上圧勝したのです。とは言え、“名”は取った形の「アーティスト」ですが、興行成績はと言うと地味で、米国内での興行成績は他の作品賞候補作中(8本)ビリだそうです。オスカーを得たことで熱心な映画ファンは見に行くでしょうが、普通の人で白黒のサイレント映画見に行くかと言うと疑問ですね。それは映画の興行成績にはっきりと表れているので言うまでもないと思いますが。

実はアカデミー賞の審査員は以前から保守的だと言われているのです。例えば、3D映画を世界で始めて大ヒットさせた「アバター」と言う映画をご存知だと思いますが、この映画もアカデミー賞(審査員には)ではそれほど評価はされませんでした。しかし興行成績では圧倒的な大成功を収めているのです。別に大衆の趣味に迎合せよとは言いませんが、「アバター」は映画史上に残る映画だと思っています。それは新たなジャンルを切り開いた記念すべき映画だからです。こうした新しいものへの取り組みへの評価や興行的二大成功を収めていると言うことから勘案しても良いと思うのですが、審査員の評価する映画はこうあるべきだと言う固定観念に縛られた一昔前のような堅い映画が好まれるようで、それが名画だと思っているのではないでしょうか?それが証拠に、「口コミで大ヒットした『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』に主演した黒人女優ヴィオラ・デイヴィスが受賞しなかったことも、そうした背景の延長線上にあったのではないでしょうか? あまり頑な態度を取っているとそのうち大衆から見放され、ハリウッドの地位も低下してしまうかもしれませんね。

本当はハリウッド女優のファッションも書こうと思ったのですが、文字で書くことが難しかったので断念しました。