海洋研究開発機構は1日、冬季バレンツ海を発生源とする低気圧の経路が近年の海氷減少に伴い通常より北側を通過していることを気象データの解析により示したと発表しました。この低気圧経路の変化によって、北極海上はより暖められる一方、シベリアでは北からの寒気が入り込みやすい状況が形成されるのだそうです。これは地球温暖化が進行しているにも関わらず、近年の日本の冬が寒い原因の1つであることを意味し、海氷減少と北極温暖化が中緯度の気候変動と密接に関連することを示した極めて重要な発見だと言います。
今回、海洋研究開発機構は、このバレンツ海の海氷の分布と日本の気象相関関係に着目、バレンツ海の海氷が少ない年は、シベリア高気圧が発達しやすくなり、日本が厳冬傾向になるという関連性を指摘したのです。ちなみにこれは余談ですが、石油や天然ガスといった地下資源が豊富とされており、ノルウェーとロシアの間で40年間にわたって係争が続いた海域で、2010年4月になってやっと係争海域の面積をほぼ二等分する形で境界線を引くことで合意したのです。場所が分かり易いように下に地図を載せておきます。
一般的に日本の冬の寒さは、「エルニーニョ」・「ラニーニャ」など低緯度の影響と、「北極振動など高緯度の影響の組み合わせで暖冬・寒冬が説明されていますが、11年や12年の冬のような場合、両者の組み合わせでは説明できないこともあったのです。例えば、北極の温暖化と言われながら、シベリアの寒冷化現象がしばしば観測されることがあり、これが地球温暖化の一端として解釈できるのか世界的にも議論の的となっていたのです。そこで今回、北極の温暖化が最も著しい冬のバレンツ海に着目し、そこで発生する低気圧の経路が海氷の多寡によってどのように変化し、北極の温暖化とシベリア域の寒冷化にどのような影響を与えているのかを調べたのです。
この研究で、バレンツ海の海氷が少ない冬は低気圧の経路が通常のシベリア沿岸域よりも北極海側にシフト(北上)することが分かり、その結果形成される気圧配置の変化が北極海上の温暖化を促進する一方、大陸上では寒冷化が起こりやすい状況になることを明らかにしたのです。ここで形成された寒気は数日後には日本に到達することが多く、日本の冬の寒さとも密接に関連していたのです。
11年、12年「平成18年豪雪」の冬も(05年と06年の冬)と同様、バレンツ海の海氷面積が著しく少なく、例年よりも寒い冬となりやすいことを説明することが可能だそうです。現在の長期予報のもととなる数値モデルでは、バレンツ海などの海氷分布は平年値を利用しているため、各年の海氷の多寡に関する情報は計算に反映されず、低緯度におけるデータに強く左右される状態だそうです。それを各年の海氷分布を反映させるなど数値を変更することによって、より数値モデルによる精度の向上が期待されると言います。また、北極海の海氷減少は進行中であるため、中高緯度の大気や海洋が今後どのように変化していくかは将来予測モデルの結果を用いて検証していく必要があるとも言っています。
今回、海洋研究開発機構は、このバレンツ海の海氷の分布と日本の気象相関関係に着目、バレンツ海の海氷が少ない年は、シベリア高気圧が発達しやすくなり、日本が厳冬傾向になるという関連性を指摘したのです。ちなみにこれは余談ですが、石油や天然ガスといった地下資源が豊富とされており、ノルウェーとロシアの間で40年間にわたって係争が続いた海域で、2010年4月になってやっと係争海域の面積をほぼ二等分する形で境界線を引くことで合意したのです。場所が分かり易いように下に地図を載せておきます。
一般的に日本の冬の寒さは、「エルニーニョ」・「ラニーニャ」など低緯度の影響と、「北極振動など高緯度の影響の組み合わせで暖冬・寒冬が説明されていますが、11年や12年の冬のような場合、両者の組み合わせでは説明できないこともあったのです。例えば、北極の温暖化と言われながら、シベリアの寒冷化現象がしばしば観測されることがあり、これが地球温暖化の一端として解釈できるのか世界的にも議論の的となっていたのです。そこで今回、北極の温暖化が最も著しい冬のバレンツ海に着目し、そこで発生する低気圧の経路が海氷の多寡によってどのように変化し、北極の温暖化とシベリア域の寒冷化にどのような影響を与えているのかを調べたのです。
この研究で、バレンツ海の海氷が少ない冬は低気圧の経路が通常のシベリア沿岸域よりも北極海側にシフト(北上)することが分かり、その結果形成される気圧配置の変化が北極海上の温暖化を促進する一方、大陸上では寒冷化が起こりやすい状況になることを明らかにしたのです。ここで形成された寒気は数日後には日本に到達することが多く、日本の冬の寒さとも密接に関連していたのです。
11年、12年「平成18年豪雪」の冬も(05年と06年の冬)と同様、バレンツ海の海氷面積が著しく少なく、例年よりも寒い冬となりやすいことを説明することが可能だそうです。現在の長期予報のもととなる数値モデルでは、バレンツ海などの海氷分布は平年値を利用しているため、各年の海氷の多寡に関する情報は計算に反映されず、低緯度におけるデータに強く左右される状態だそうです。それを各年の海氷分布を反映させるなど数値を変更することによって、より数値モデルによる精度の向上が期待されると言います。また、北極海の海氷減少は進行中であるため、中高緯度の大気や海洋が今後どのように変化していくかは将来予測モデルの結果を用いて検証していく必要があるとも言っています。