M・吉田のブログ

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ハイスペック哀歌

2005-08-31 01:00:05 | ピュアでもない日々
本日はこちらの記事について書いてみたいと思います。
---引用ここから---
ゲームに対して昔と今の子供の違いって『難関に挑む根性の有無』だと思ったりする。
例えばゲームをやってて理不尽な難易度とかで壁に当たった場合、
昔俺らが子供の頃なら様々な手を尽くして突破しにかかったと思うんだが、
今では投げ出してしまう子供が結構多いだろうと思う。
---引用ここまで---

「難関に挑む根性の有無」…
たしかに、プレイヤーのスタイルにも変遷があると思います。
また、プレイヤーを取り巻く環境についても、昔とは大きく変わっているかもしれません。
ただ、ふと思ったんですが、もしかしたら、
ゲームの広大化とハード性能の向上にも起因するのではないかな…と考えています。


最近、友人が「ゼルダの伝説(初代)」を密かに開始、クリアしたそうで。
それまで、スーファミや64のゼルダはやっていたものの、初代ははじめてとのこと。
で、その感想として、あくまでも「個人の感想だけど」と前振りしつつ、
「『冒険』感では、表現力上SFC版や64版にかなうべくも無いけれども、
 『探索』感という点では、初代が一番ではないかなと。
 謎解きのバランスが秀逸すぎる…。」

とコメントしておりました。
まあ、そもそもファミコン世代な友人なので、どのくらい今回の趣旨に沿うかわかりませんが…
この「ゼルダの伝説」シリーズへのコメントがキーポイントとなっているんじゃないかなあと思います。


ゼルダ64は自分で持っていないので、的外れになるかもしれませんが…


ゲーム中、色々な場所に移動して、その土地柄の違いを感じる…というのは、
よほど下手な作りをしない限り表現能力が高いハードの方が優れているはずだと思います。
これはまさにゼルダは好例ですね。ファミコンとスーファミなどでは…。

FFシリーズも、世界を、ファミコン時代から「それっぽく見せる」のに尽力していますが、
FF3の洞窟内の差異を見分けるのは難しいですし、FF4~6の山も、どこも同じように見えます。
土地柄の表現能力で言えば、普通は ファミコン<スーファミ<プレステ<PS2 となるはずですね。


ただ、わかりやすいかどうか?
で言うと、どうしても、単純な絵で表現されるファミコン版の方が勝ってしまうと思います。


で、この「わかりやすい」がどう作用するかと言うと…
ゲームの(ハードの制限を含む)ルール、システムが「わかりやすい」ということは、
プレイヤーに、その世界で起こりえる「法則」を認識しやすい、ということですね。


言い替えると、単純な形状…抽象化といっても良い…をしているからこそ、
よりルールの上にのっとったゲームにすることができるのではないでしょうか。

ゼルダで言えば、ドアの位置、バクダンで壊せる位置、画面上にある洞窟の数など、
ファミコンの処理能力上、制限がついたものとはいえ、その法則がプレイヤーに気づきやすいという
ことがあると思います。

また、16×16(などの)サイズのブロック単位での管理も、わかりやすさに拍車をかけると思います。
たとえば、ロウソクで焼ける木、たとえば、動かしたらワープ階段が現れそうな不自然な4つの岩、
たとえば、ハートの器が置いてある、不自然な途切れた橋…

どれも、ゲームの謎解きとしては、解けたときに「キター!」という気分にさせるもので、
ゼルダには欠かせない要素でしょう(ゼルダのみならず、そういうのはあると思います)。
ですが、言ってしまえば、ファミコンゆえの見た目だからこそ、とも言えます。

ただ、言い方は悪いですが、なんか不自然な気もするけどゲームってことでプレイヤーに勘弁してもらうというのも、
低スペックハードの得意とするところでしょう。


世界はブロック単位で描かれているから、何かイベントが起きるのも、ブロック単位…
その画面内でイベントが起きるのも、限られた回数…

そういうことを、経験していくことで、なんとなく肌で感じられるのが、
制限された世界の強みだったと思います。


さて、そのようにゲーム内の「法則」がプレイヤー自身の手で見つけていくようになると
…いや、製作者側が、そうなるように誘導しているのでしょうけれども…
さらにその応用、というものを作りやすいのだと思います。

その『応用』を突き詰めていった結果が、友人が言う『探索』に繋がったり、
裏を含むゼルダの世界になっていったのではないでしょうか。


…と、「応用」の話は本題から外れているので、
閑話休題といたしまして。



さて、そんな低スペックハードに囲まれ、
ゼルダのみならず、謎解きへの努力の量も、直感的に限られていた世界ですから、
攻略本なくしても挑めていたのかもしれません。
中にはビックリなゲームもたくさんありますが。

ニーズ上、キレイでゴージャスなグラフィックにせざるを得ない現代の据え置きハードでは、
あちこちリアリティを突き詰めていった結果、それが直感的に無理になった、
ということもあるのかもしれません。


冒頭の問題というのは、密かに現代ゲームのジレンマと言う問題も含んでいるんではないかなー。
と思う今日この頃でございます。


長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。




まあそんなわけでメテオスをまだオススメです。

グラフィックしょぼいわけではありませんが。
わかりやすいですよ!




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