曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

〇 時局妙観(不思議な国の「政権受皿物語―TBS「風をよむ」事前VTRの現場にて)

2017年08月03日 14時25分35秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、
 

◎「日本一新運動」の原点―381

            日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

〇 時局妙観
(不思議な国の「政権受皿物語―TBS「風をよむ」
                   事前VTRの現場にて)

 7月28日(金)、TBS「風をよむ」の事前インタビューに
協力してくれとの要請があり、翌29日(土)にTBS放送セン
ターに出かけた。2週間前にも同じ番組で「国会劣化の原因」に
ついてインタビューを受けたばかりで顔見知りのスタッフだった。
 例によって約1時間いろいろ質問に答えても、番組に使うのは
2分~3分だ。実は番組に使わなかった部分が面白いというか、
急所を突いた話が多いのだ。テレビ局によっては録画を別の機会
に使うこともあるが、私はスタッフの勉強になるので、文句をい
わないことにしている。

 それにしても、7月23日(日)のフジテレビ「報道2001」
は酷かった、というよりも報道機関としての常識・良識をわきま
えていないことを改めて見せつけられた。というのも事前VTR
で約2時間も話をさせたうえ、極秘の政界裏話のメモも持してく
れというので「平野貞夫衆議院事務局日記」(全五冊)の原本ノ
ートも抱えて出かけ、それも撮影した。ところが肝心の番組では
2~3秒にひとことで何を喋ったのか私自身にも分からず、義理
で出して、私のイメージを失墜させた。
 事務局からは「人権問題として抗議せよ」と言われているが、
これが安倍反動政権にベッタリの「フジテレビ」の真の姿だ。
迂闊に出かけた私も反省だが、既に経営に問題が出ている。
 これに比べてTBSテレビは現在の日本政治の真実を掘り下げ
て報道する姿勢だった。そこで7月30日のTBS「風をよむ」
から、未放映部分を中心に紹介する。

1)民進党で野田幹事長と蓮舫代表が辞め、安倍政権で稲田防衛
大臣が辞め政界が激動しているが、どう思っているか。

平野 本来、安倍政権が総辞職すべき重大事件が続出している。
議会政治先進国では、安倍政権を追い込んだ野党第一党の代表と
幹事長が辞める日本は「不思議な議会政治国家」だと受け取って
いるよ。野党が機能しない議会政治は民主政治ではない。従って
民進党は政党とはいえない。単なる「国会議員の烏合の衆」に過
ぎないのだ。

2)防衛相の日報問題と加計学園問題をどうみるか

平野 「日報問題」は安倍首相の稲田防衛大臣任命責任だけでは
ない。自衛隊総覧者としての直接の責任者だ。この問題は官邸指
示で隠蔽との情報あり。「加計学園問題」は記録や記憶のあるな
しではなく国家戦略政策そのものが問題だ。戦前の満州国が日本
の国家戦略でつくったのと同じ構図だ。特定企業に特権を与え、
資金づくりをして特定の政治戦略に悪用した。それを地方振興と
称して国内につくり、経済成長の機動力にしようというものだ。
 加計学園問題に関係するほとんどが、日本会議の有力会員であ
ることを見落としてはならない。制度の中で法外な助成金などを
与え、それをキックバックすることがみそで、官僚の記憶になけ
れば犯罪にはなりにくい。

3)戦後の政権受皿づくりといえば、細川非自民連立政権ですが、
小沢さんが考えたと言われている。どんなことがあったのか。

平野 総選挙で自民党が過半数を割った。翌日小沢さんから野党
幹部に「非自民政権をつくる努力をするから自民少数政権を了承
する発言をするな」との要請が出たが誰も本気にはしなかった。
しかし、武村新党さきがけ代表は総選挙中から自民党との連立工
作をしていた。小沢さんの動きに誰を首相にする気か、腹を読め
ず困惑していた。民間政治臨調副会長の内田健三法大教授からの
問合せに「もめて話がつかない時は、年の順でも良い」と私が無
責任な説明をした。内田氏がこの話をすぐ武村氏に伝えたので、
自分が首相になれると思い込み自民党との連立協議に難問を提示
し決裂させた。小沢さんは、最初から受皿政権首相に細川さんを
考えていて必死に関係者の説得に当たった。ようやく本人も了承
し細川日本新党と新党さきがけは共同会派をつくるなど、親密な
関係にあり最後の説得は武村さんのみとなった。小沢―武村会談
が深夜にわたって続き、ようやく説得した後、小沢さんはホテル
で待機する私に「武村氏は自分がなりたかったようだ。最後まで
細川首相を了承しなかった」と、疲れ切って経過を話した。内田
氏への私の無責任な話があったので、細川首相が実現できたが、
武村氏の権力欲に火を付ける結果となる。

 細川政権は8ヵ月、羽田政権は2ヵ月と、改革政権の命は短く、
平成6年6月自社さ政権に交代する。その策略は武村氏だった。
細川首相が退陣した直後「武村氏は官房長官だったが、細川政権
成立の日から倒閣運動をやっていた」と私に語った。理想と正義
のない政治は地獄だ。

〇 国会つれづれ 10  
(佐藤長期政権の基盤をつくる園田副議長)


 大磯の吉田ワンマン邸で挨拶を済ませた山口・園田衆議院正副
議長は、午前11時に開会される議院運営委員会理事会に間に合
うように、ワンマン道路を都内の国会議事堂に向かって専用車を
走らせていく。副議長車内で、園田副議長が機嫌良く「吉田さん
の選挙区は高知だった。昨日、知野事務次長が君の履歴書を持っ
てきたが、出身が高知だった。吉田さんとどんな関係だったのか」
との話。
 明治時代の国会開設運動から、土佐の幡多地域で先祖が同志と
して活動した。土佐自由党から政友会への発展し戦後も吉田自由
党を支援してきた。吉田さんや又従兄弟の林譲治(元衆議院議長)
さんとは親戚付き合いだった・・・・・など。学生運動で親を怒
らせていた私が、吉田さんや林さん世話になり、衆議院事務局に
勤めるようになったのも二人の意向だった、と説明した。
 黙って話を聞いていた園田副議長は「佐藤総理から、日韓国会
で野党から信頼を失った。国民は国会不信だ。単なる正常化では
なく、国会の信頼回復を目指してくれ」と指示されていると語り、
「君は事務局派遣の秘書という考えを捨ててくれ。私の政治活動
全体の秘書として活動してくれ」と注文をつけられた。

(最初の仕事は、某社会党議運理事の「オネダリ」処理だった)
 当時通常国会は国会法で12月に召集されることになっていた。
第51回通常国会召集日の翌日の12月21日、師走の慌ただし
さのうえに常会スタートの多忙な1日が終わろうとする午後5時
頃、園田副議長から相談があるとのこと。話を聞いてみると社会
党議運理事の某氏から「娘がピアノを習い始めてピアノを欲しが
っている」とのこと。野党第一党の議運理事といえば自社55年
体制談合政治でもっとも大事なポストだ。
「対応してやることが国会対策だ。自分には手持ち20万円しか
ない。それなりのものが買えるかどうかだ。軍隊時代の部下が日
本楽器の銀座支店長をやっている。明日にでも会って二人で知恵
を出してくれ」とのこと。これが野党対策の最初の仕事だった。
翌日、日本楽器銀座支店長に会い相談すると「免税処置ならそれ
なりピアノを購入できます」との返事。個人の所有物なら免税に
なるはずはない。違法な手続が必要となろう。
「詳細な手続は私の方でします。貴方は届け先と現金を〝極秘〟
に私に渡してください。それ以上は知らないことでやりましょう」
と対応してくれた。これが「自社55年体制」を裏で動かすこと
かと実感した。

(国会運営の最初は「赤字国債発行法案」の
                  成立見通しをつけたこと)

 第51回国家冒頭の最大の難問は、日韓国会で遅れていた不況
対策や公務員の給与の対応で昭和40年度第2次補正予算とその
財源法を年内に成立させることであった。野党は補正予算に賛成
しても財源法案にはこぞって反対した。理由は「税収不足を補填
するため公債を発行」するもので、昭和40年度に限定して財政
法4条の特例として「赤字国債」を発行しようとするものである。
平成時代の今日まで続く「赤字国債」の元凶のスタートである。
野党は防衛費の削減を要求した。
 佐藤首相は、自民党国対に「大晦日になっても成立させよ」と
指示した。ようやく正常化となって1週間も経たずに強行採決と
は、園田副議長は苦悩する。そこで民社党(社会党から分裂し、
自民党に近い政党)に働きかけることになる。私に指示して親友
の春日一幸民社党委員長に福田赳夫大蔵大臣を院内の密室で会談
させて協力要請した。
 その上で、園田副議長が副議長公邸に、同じ民社党で犬猿の仲
の春日委員長と池田禎二国対委員長を別々に呼び、首相官邸から
届いた〝白封筒〟を渡し、対応策を伝えた。全野党が審議拒否と
の態度だったが民社党は大蔵委員会に〝出席して反対する〟との
態度に変更したため、他の野党も同じ対応となった。「赤字国債
法案」は12月28日の御用納めの日に衆議院を通過した。参議
院で翌年の1月中旬に成立させるという園田副議長の知恵が成功
した。
 この交渉の中で困ったことがあった。園田副議長が民社党との
交渉を佐藤首相に報告する度に、竹下官房副長官から電話がある
ので、「副議長に代わります」というと、「君に用事があるんだ。
佐藤総理が『園田直から報告があったが、確かかどうか、平野君
に聞いてくれ』とのことだ」。
 どうして佐藤首相が私のことを知っていて、園田副議長の言動
の裏取りをするのか、政界が恐ろしくなった。    (続く)




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