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アベノミクスが絶望的とされるこれだけの理由

2018年07月23日 11時39分51秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                                  

                         「植草一秀の『知られざる真実』」

                                    2018/07/22

          アベノミクスが絶望的とされるこれだけの理由

              第2093号

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第2次安倍内閣が発足して5年半以上の時間が経過し、安倍内閣は経済政策刷
新の旗を掲げてきたが、主権者である市民の生活は悪化を続けている。

安倍内閣は経済政策刷新の旗を掲げた。

これを「アベノミクス」と銘打ち、自画自賛を続けてきたが、市民生活は悪化
の一途を辿っている。

経済を評価する第一の尺度は実質経済成長率だが、第2次安倍内閣発足後の実
質経済成長率平均値は+1.3%である。

これは、民主党政権時代の成長率平均値+1.8%よりも大幅に低い。

経済運営全体のパフォーマンスは民主党政権時代を大幅に下回っている。

民主党政権時代には、東日本大震災、原発事故があり、日本経済の活動は著し
く低下した。

第2次安倍内閣発足後の実質経済成長率は、あの暗かった民主党政権時代の成
長率を大幅に下回っている。

そして、市民にとって最重要の経済指標が、実質賃金の変化である。

本給、時間外手当ボーナスをすべて含む現金給与総額の実質値の推移を見る
と、民主党政権時代は、ほぼ横ばい推移だったが、第2次安倍内閣発足後は約
5%も減少した。

市民の所得環境は大幅に悪化したのである。



労働者の実質賃金指数の推移を調べると、1996年をピークに20年以上も
減少し続けてきたことが分かる。

「失われた10年」、「失われた20年」と言われてきたが、実際に1996
年以降の約20年の間、市民の実質所得は減少し続けてきた。

その、実質賃金減少のすう勢の例外になっているのが2009年から2012
年の民主党政権時代である。

この期間は、労働者の実質賃金が例外的に横ばい推移した。

実質賃金指数の水準を調べると、2015年を100とすると、1996年は
115.8の水準だった。

1996年から2015年までの19年間に、実質賃金指数は13.6%も減
少したのだ。

国民生活が疲弊し、苦しくなったことは、統計数値が明白に立証している。

安倍首相がいくら口先で「アベノミクスで経済は良くなっている」というデタ
ラメを流布しても客観的な統計数値が、安倍首相発言の「ウソ」を明白にして
いる。

小池百合子都知事は昨年の総選挙の際、

「アベノミクスによって、日本経済は数字の上では良くなっているのかも知れ
ないが、実感がない」

と発言していたが、完全な事実誤認である。

日本経済は実感だけでなく、数字の上でも著しく悪くなっている。



雇用者数は2013年1月の5513万人から2018年1月の5880万人
へと367万人増えた。

しかし、増加した雇用者数の内訳をみると、正規労働者の比率は26.3%
で、非正規労働者が73.7%を占めている。

雇用者数が増えたのは事実だが、増えた雇用者の4人に3人は非正規労働者な
のだ。

そして、一人あたりの実質賃金は第2次安倍内閣が発足したのちの期間だけで
約5%も減少した。

経済全体のパフォーマンスが民主党政権時代よりも大幅に悪く、一人あたりの
実質賃金が横ばいから5%減少に転じた。

これがアベノミクスの成績表なのだ。

その一方で、はっきりと良くなったのが大企業の収益である。

大企業収益だけは史上最高益を更新してきた。

したがって、大資本の株主と超富裕層はアベノミクスを絶賛しておかしくない
が、圧倒的多数の労働者はアベノミクスを糾弾するのが正しい。

このまま進めば、日本の労働者階層は完全に日干しにされてしまうだろう。



安倍内閣がこの国会で強行制定した「働かせ方改悪」で、労働者の処遇はます
ます悪化する。

「働かせ方改悪法」は

過労死水準の長時間残業を合法化し、

正規労働者と非正規労働者の格差を是認し、

残業代を払わない長時間残業させ放題の新たな制度を導入する

ことの三つを柱とするものだ。

要するに、安倍内閣は、日本の労働者を、最低のコストで、使い捨てにする制
度の創設に全力を注いでいるのである。

したがって、大資本の株主が安倍内閣を支持するのは当然だろうが、一般の労
働者、一般市民が安倍内閣を支持することは愚の骨頂である。



実質賃金が1996年をピークにして20年間で14%も減少した衝撃の事実
を示したが、これと整合的に推移してきたのが日本の税収構造である。

消費税が導入された1989年度の国税収入は約55兆円。

2016年度の国税収入規模は約56兆円で、ほぼ同額である。

この27年間に生じた変化は、

所得税の年額が4兆円減り、

法人税の年額が9兆円減った一方で、

消費税の年額が14兆円増えたことである。

消費税だけが年額で14兆円もの増税になっている。

法人税は年額で9兆円もの大減税が実施されてきた。

所得税も年額で4兆円の減税になっている。



消費税は所得がゼロの国民にも税負担をかけるものだ。

所得税の場合には年収300万円程度までは無税である。

所得の少ない人には税金を課さない。

なぜなら、生活が立ち行かなくなるからだ。

しかし、消費税は所得がゼロの市民、年金生活者からもむしり取る税金であ
る。

この消費税を年額で14兆円も増税してきた。

他方で、法人税は年額で9兆円も減税してきた。



所得税は、所得が増えるほど税率が上昇することになっている。

超過累進税率という制度が採用されている。

高所得者ほど税金を負担する能力が高いから、高所得者には高い税率を適用す
るのである。

ところが、実際に調べると、所得が1億円を超えると、税率がどんどん下がっ
ていることが判明している。

高額所得者ほど、金融資産からの所得の比率が上がる。

利子配当や、株式譲渡益については、20%の分離課税が認められているた
め、富裕層の税負担率が大幅に低下しているのだ。

明白な金持ち優遇税制が大手を振ってまかり通っている。

その一方で、生活が成り立たない国民から税金=酷税をむしり取っているの
だ。



安倍内閣は2012年に5%だった消費税率を8%に引き上げた。

2019年には、さらに10%に引き上げる方針を示している。

庶民を殺し、ハゲタカと1%の富裕層だけを優遇する政権、それが安倍内閣で
ある。

したがって、安倍内閣を早期に退場させなければ、大多数の日本国民は日干し
にされる。

客観的な統計数値が、この事実を明白に示している。

この事実を知って、なお安倍内閣を支持する一般市民は愚かと言うほかない。

市民が力を合わせて、安倍内閣を退場させ、市民のための政権を樹立するべき
である。

 

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