セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「いつだってやめられる〜」三部作

2019-03-13 01:04:20 | 映画感想
 シリーズもので単独でも観られるけど三つで一つの物語、しかも軽い円環構造になってるから1→2→3と観るべき。
 但し、三本とも75点レベル(僕基準)の出来だから、そのレベルで5時間半見続けられる方に推薦します。(3作、トータルの評価は80点くらい)
 黒澤監督の「七人の侍」、数人のブロフェショナルがチームを組んで、というプロットを犯罪に使って成功したのが「オーシャンズ」シリーズで、イタリアにも「黄金の七人」というヒット・シリーズが昔ありました、まぁ、その現代版のような作品だけど、如何にもイタリアな感じのヌケかたが楽しい作品でした。
 ちょっと、各研究員たちの専門性の発揮が回を追うごとに希薄になってくきらいはあるし、3ではただ居るだけって感じの研究員もチラホラで活かしきれてない感もするけど、シャープさはなくとも伏線回収は巧みだし、物語や可笑しさのレベルはシリーズ通じて落としていないのでガッカリ感は殆ど無いと思います。

 まだ、もう少し続きが観たい気にさせる作品でした。
 味方も敵も、皆、優秀な研究員という設定は面白い。でも、研究員たちを悪行に堕とした諸悪の根源みたいな俗物教授やエライさんに何の報いが無いのも、頑張った研究員たちに相応しい報酬が無かったのもカタルシスに欠ける気がする、だから、長時間の割にスカッと感が余りしない、そこを「未来への希望」で補うのがイタリア式なのかな、一言でいえば残尿感。(笑)
 なんか欠点ばかり書いてる気がしてきたので、良かった所も。
 2から出てくるコレッティ警部、決して善人ではなさそうだけどキュートな人でした、検索して中の人の画像見たら撮り方によってはイタリアのメラニー・ロラン(+ルーニー・マーラ÷2)て感じ。制服萌えは20代で卒業しましたが、2のラスト、肩章付きの正装姿に萌えました(汗)、バットなシーンだけどね。
 とにかく、何が良かったって1にグレタ・スカラーノ、2にグレタ・スカラーノ、見続けられた主因。(笑)
 最後にイタリア映画と言えば無駄にオッパイというイメージが有るのですが、年初に観た「愛と銃弾」も本シリーズも、そういうシーン皆無でした、少し残念(笑)、3では無駄に男たちの全裸は有った、そっちが趣味なんだろうか。

 「いつだってやめられる 七人の危ない教授たち」(「SMETTO QUANDO VOGLIO」、2014年、伊)
   監督 シドニー・シビリア
   原案 シドニー・シビリア  ヴァレリオ・アッタナージオ
   脚本 シドニー・シビリア  ヴァレリオ・アッタナージオ   アンドレア・ガレッロ
   撮影 ヴラダン・ラドヴィッチ
   音楽 アンドレア・ファッリ
   出演 エドアルド・レナ (ズィンニ 神経生物学・有機分子学)
       ステファーノ・フレージ (アルベルト 計算化学)
       リベロ・デ・リェンツォ (バルトロメオ 数理経済学)
       パオロ・カラブレージ (アルトゥーロ 考古学)
       ピエトロ・セルモンティ (アンドレア 人類生物学)
       ヴァレリオ・アブレア (マッティア ラテン言語学)
       ロレンツォ・ラヴィア (ジョルシオ ラテン言語学)
       ネーリ・マルコレ (ムレーナ 流体力学)
       ヴァレリア・ソラリーノ (ジュリア ズィンニの妻 薬物中毒患者リハビリ施設のカウンセラーとして勤務中)
        

 学位を三つ持ち有能な神経生物学者であるピエトロ・ズィンニは科学予算削減のあおりを受け大学を解雇、正式採用の知らせを待つ妻ジュリアに本当の事が言えず途方にくれる。
 ひょんな事から2ユーロで作れる合法ドラッグが100ユーロで密売されてるのを知ったズィンニは、同じようにリストラされどん底生活をしている有能な学者たちを集め製造、販売する事を思い付く・・・。

  予告編 https://www.youtube.com/watch?v=JVCNeIWskgI

   H31.3.2 DVD


 「いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち」(「SMETTO QUANDO VOGLIO: MASTERCLASS」、2017年、伊)
   監督 シドニー・シビリア
   原案 シドニー・シビリア   フランチェスカ・マニエーリ   ルイジ・ディ・カプア
   脚本 シドニー・シビリア   フランチェスカ・マニエーリ   ルイジ・ディ・カプア
   撮影 ヴラダン・ラドヴィッチ
   音楽 ミケーレ・ブラガ
   出演 前作と同じ
       グレタ・スカラーノ (コレッティ警部)
       ジャンパオロ・モレッリ  (ルーチョ 機械工学)
       マルコ・ポニーニ (ジュリオ 解剖学)
       ロザリオ・リスマ (ヴィットリオ 教会法)
       ルイジ・ロ・カーショ (ヴァルテル 無機化学)

 1年後、皆の罪を被り強盗、恐喝、合法ドラッグ密売の罪で服役中のズィンニ、たくましく刑務所内で化学の講師をして身重の妻ジュリアに仕送りする日々、しかし、ジュリアからは離婚届のサインを求められている。
 そんな或る日、合法ドラッグの蔓延に悩むコレッティ警部がやって来て、30種類の合法ドラッグの成分分析から製造元をそれぞれ割り出せば罪科抹消するという取引を持ちかけられる。
 仮出所した彼は「一度くらい世の中の為に仕事しようじゃないか」と仲間を説得、新たに三人をスカウトしチームを再結成・・・。

  予告編 https://www.youtube.com/watch?v=Z02C9o0GMcw

   H31.3.10 DVD


 「いつだってやめられる 闘う名誉教授たち」(「SMETTO QUANDO VOGLIO- AD HONOREM」、2017年、伊)
   監督 シドニー・シビリア
   原案 シドニー・シビリア  フランチェスカ・マニエーリ  ルイジ・ディ・カプア
   脚本 シドニー・シビリア  フランチェスカ・マニエーリ  ルイジ・ディ・カプア
   撮影 ブラダン・ラドビッチ
   音楽 ミケーレ・ブラガ
   出演 前作と同じ
       ペッペ・バーラ (シネヴラ 無機化学 ヴァルテルの恋人)

 合法ドラッグを追っていくうち見つけた最強の合法ドラッグ「sopox」、しかし、製造者にとってそれは目的ではなく手段だった。
 化学方程式からそれに気付いたズィンニだが誰も信じてくれない、彼は再び監獄の中・・・。

  予告編 https://www.youtube.com/watch?v=heViVa47t-s

   H31.3.11 DVD


※まぁ、敵対勢力がマフィアだったら、何処にいても全員皆殺しでしたね。(笑)
※広川太一郎さんが存命だったら・・・。
 
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