セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」

2024-05-13 21:02:34 | 映画感想
 「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」(2018年、日本)
   監督 湯浅弘章
   脚本 足立紳
   原作 押見修造 「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」
   撮影 今村圭佑
   音楽 まつきあゆむ
   出演 南沙良
      蒔田彩珠
      萩原利久
      
 高校へ入学した大島志乃、重度の吃音でホームルームでの自己紹介が出来ず皆に笑われてしまう、ふとした事でクラスメイトの岡崎加代と友達になるがミュージシャンを夢見る彼女は音痴というコンプレックスを抱えていた、志乃のボーカル、加代のギターで秋の文化祭を目指そうと特訓中に空気が読めず友達なしの菊池が割り込んできた事で二人の立ち位置が壊れていく・・・。

  予告編 https://www.youtube.com/watch?v=mRFXamqu0fw

 心踊る作品ではないけど世間の評判よりは良質な青春映画だと思う。
 配給がビダーズ・エンドという会社だからか爽やかな大団円ではないのだけど味のあるハッピーエンド、劇的な変化のない日常が三人それぞれに訪れるが確実に一歩、或いは半歩前進した日常生活を迎えるので其々の成長が見て取れるし非常に現実的な終わり方をしていて、そこに好感が持てる。
 只、物語に欠点はないのだけどディティールがいい加減過ぎる、重度の吃音の子が入学するのに親が事前に学校と相談しないなんてあり得ないし、放っぽりぱなしというのも不自然、中学から高校への申し送りに吃音を書かないのも変だ、狭い地方都市の高校に中学時代の同期生が入学していないのも話の都合としか思えない、そこがどうしても引っ掛かって作品の足を引っ張ってるのが勿体ないと思う。
 演技についてはメイン三人の演技は上手くて申し分ない中、岡崎加代を演じた蒔田彩珠が何とも言えない味わいのある演技で💮、主演の大島志乃役の南沙良の鼻水厭わない熱演も良いのだけど特徴ある役は演じやすいから、これだけでは何とも言えないかな、お邪魔虫の菊池役萩原利久もウザくて良かったです。

  乗らなけりゃ 何処へも行けぬと 知りながら
    遠ざかるバス 今日も見送る

 R6.5.13
 DVD
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「画家と庭師とカンパーニュ」

2024-05-06 15:08:25 | 映画日記/映画雑記
 「画家と庭師とカンパーニュ」(「Dialogue avec mon jardinier」、2007年、仏)
   監督 ジャン・ペッケル
   脚本 ジャン・ベッケル  ジャン・コスモ  ジャック・モネ
   原作 アンリ・クエコ
   撮影 ジャン=マリー・ドルージュ
   音楽 
   出演 ダニエル・オートゥイユ
      ジャン=ピエール・ダルッサン
      ファニー・コタンソン
      エロディー・ナヴァール
      アレクシア・バルリエ 

 パリの生活に疲れ離婚の危機を迎えてる画家キャンパス(渾名)が数十年ぶりに故郷へ帰って来た、或る日、小学校時代の親友ジャルダン(渾名)が庭師として雇ってくれるよう訪ねてくる、二人は2回目の親友時代を過ごしていく・・・。

  予告編 https://eiga.com/movie/53750/video/

 一言で言えばジャン・ベッケル版「デルス・ウザーラ」なんだけど薄っぺらい。
 インテリが陥る病、都会人より地に根付いた地方の人達こそが逞しく哲学に満ちている、それ自体、インテリの思い上がりそのものに感じてしまい物語に没入出来なかった。
 親友に雇い主と雇用人の上下を付ける代わりに人間観察や生きる哲学に於いては雇用人の方が上にしてバランスを取ってるのだけど、それ自体、小賢しく感じてしまう(わざわざ画家自身に画家の仕事は観察する事だと言わせ、都会人の浅はかさを強調)。
 会話劇なんだけど会話そのものも起伏がなく退屈、見るべきものはフランスの田舎風景とジャルダン役のジャン=ピエール・ダルッサンの朴訥とした演技くらいでした。
 「自然に帰れ」の哲学者ジャン=ジャック・ルソーもフランス系スイス人、まぁ、同族の考えは似てるということか。

   蒲公英の 綿毛飛ばして 遊んだ日
    遠く過ぎさり 白髪がそよぐ

※庭師は神の代理人だね。

 R6.5.5
  DVD
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Eテレ「植物に学ぶ生存戦略 話す人・山田孝之」 

2024-03-29 23:33:51 | 雑記
 タイトルにないけど「聞く人 林田理沙アナウンサー」が居て成立する番組
 世の中、過疎枠からゴールデンタイムへ出世したい番組が殆どだろうけど、これは総合(表の世界)ましてやゴールデンへ行ったら忽ち良さが失われ現在のコンプライアンス重視の中だと一回で打ち切られるだろうオカシナ番組。普通、過激なものはNHKじゃ出来ないからボツな訳だけど表でも出来ない変態番組をEテレ(教育テレビ)でやる度胸がまず凄い、そこへエース級の女子アナ 林田理沙さん(リンダ)を当てがうセンスには心底、畏れ入るし林田さんの才能を上手く掘り当て開花させたプロデューサー、ディレクターの功績も素晴らしい。

 番組は10分完結×3で30分、山田孝之がニコリともせず解説し聞き手の林田はニコッとはしても絶対に笑わずに感心したり無視したりで対応していく(林田さんはディレクターから絶対笑うなと指示されてる)、昔、クールファイブの前川清が笑わずにドリフのコントをやってたけどあれと同じと思って頂ければ大丈夫、ちゃんと植物の生存戦略を解りやすく解説するんだけど、やってることは真面目顔の「二人のハチャメチャコント」、山田のツッコミと林田のボケの変な間が既に芸の域になってて大人の笑いに昇華しています、下ネタが多いので子供と見ると気まずくなるので注意、巨大な◯ンドームが出てきたり今回は遂に大人のオモチャ(通称電マ)まで出てきましたから真面目な方は避けた方がいいかもしれません。(天下のNHKの林田さんにヘンな事を言わすのが目的みたいな所もあります、ウンチとかフグリとか・・・)

 一度はご覧下さいと言いたいのですが、7年間で9回という超不定期番組で月も決まっていない、番組改編期の3月が多いけどそれでも3回くらいで次は多分、来年でしょう。知る人ぞ知る番組で知らない人はタイトルも聞いた事がない人が殆どだと思うけど、ネット界隈では大人気、2chの実況が僅か30分の番組で3~4スレッド消化してしまうという異常ぶりなんですよ。
 まぁ書いてる僕も今回、初めて見たので大きい事は言えないけど。。(笑)


 記念すべき7年前の第1回
 https://www.youtube.com/playlist?list=PL5f9cQOvLFl5qLREGdwtiXNL43ETEdG9E

※7年で9回というのも、ひっそり番宣せずオンエアするのも皆が忘れた頃、目立たぬようにという番組の「生存戦略」なのでしょう、科学的で「なるほど」で「教育目的で作ってます」?なんだけど、余りに過激で反コンプラだから目立ったらいつものクレームが来て折角の傑作番組がオジャンになる、手加減したら面白さが即無くなる、大事にしたい番組です。
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「百円の恋」

2024-03-25 10:51:45 | 映画日記/映画雑記
 「百円の恋」
   監督 武正晴
   脚本 足立紳
   撮影 西村博光
   音楽 海田庄吾
   出演 安藤サクラ
      新井浩文
      早織  稲川実代子
      根岸季衣  重松収
      
 40前で人生捨てた無気力な奴を観るのって口から生まれてきたような奴と並んで厭なんだけど、片方だけならドラマのよくあるパターンで嫌いじゃない,が、これが両方だと観ててゲンナリしてしまう、「十九歳の地図」(1979年、柳町光男監督)を観た時の厭な感じを思い出した。
 まぁ、ボクシングに熱中し出してからはそれなりに観られて面白い。(練習風景と音楽の被せ方はモロに「ロッキー」を感じたけど)
 言い方に問題ありでも間違ったコト言ってない店長が殴られるのは理不尽と思うけどね、底辺同士のシンパシーの共鳴と言われてもねぇ理不尽は理不尽。(ボクシング練習してマウント取れてからやるのも卑怯)
 この作品、僕にとって安藤サクラの演技と試合シーンの臨場感を観るだけの作品でした。
 
  負け犬の 左フックぞ 渾身の
   手応え残し マットに沈む

※一子をレイプする店員役の坂田聡、鳥肌立つような底辺の下衆っぷりが見事、でも、二度と見たくない。(笑)

 R6.3.24
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「エレベーターを降りて左」

2024-03-12 09:02:05 | 映画感想
 「エレベーターを降りて左」(「A gauche en sortant de l'ascenseur」、1988年、仏)
   監督 エドゥアール・モリナロ
   脚色 ジェラール・ロジェ
   原作 ジェラール・ロジェ
   撮影 ロベール・フレス
   音楽 マレー・ヘッド
   出演 ピエール・リシャール
      リシャール・ボーランジェ
      エマニュエル・ベアール
      ファニー・コタンソン

 画家のヤン(ピエール・リシャール)は、魅力的な人妻フロランス(ファニー・コタンソン)に片思い。一方、ヤンのアパートの隣人ボリス(リシャール・ボーランジェ)は、同棲相手のエヴァ(エマニュエル・ベアール)と喧嘩ばかりの毎日。ある朝、ドアの自動ロックがかかり、下着姿のエヴァが廊下に締め出されたことから誤解が誤解を生みテンヤワンヤの大騒ぎ・・・。

  予告編 https://www.youtube.com/watch?v=Sv4Mdp4rBCE

 山口百恵の「横須賀ストーリー」が1976年、日本でさえ女性は男の従属物ではないと女性の自立が声高に叫ばれ、受け入れられていたのにおフランスで1988年にこんな’60年代風コメディ作ってたとは吃驚。コメディとしても所々、素人劇のような変な間が度々あるし83分の映画なのに60分過ぎた辺りで脚本家が収拾つかなくなって(笑)その後は話終わらせるのに必死、あと5分で突然「解ったわ、ナターシャね」と言われてもナターシャってどなたでしょうか(目の前に居た黒人女性かと思った)と目が点に・・・、B・ワイルダーやI・A・L・ダイアモンドだったらもっと上手く料理出来ただろうにと思わせる作品。
 元々、フランスの喜劇はフランス人にしかウケないと言われててクド過ぎる所がある、本作もご多分に洩れずピストルの件、隣人の嫉妬男のコロコロ変わるしつこさなどにそれが見受けられる。
 但し、欠点はそこそこ有れどシチュエーション・コメディとして可笑しいし面白い、ハリウッド得意のシチュエーション・コメディなのでフランス特有のクドさがある程度中和されてるし何よりエマニュエル・ベアールがチャーミングこの上なく若き日のG・ホーンのよう、ダブル・ヒロインであるファニー・コタンソンも蠱惑的で二人を観てるだけで目の保養になる、コメディとしてのテンポも前述の変な間が引っかかるけどそこさえ目を瞑れば軽快に進む、全体的には優良可で言えば良の部類、自分としては掘り出し物を見つけた気分です。
 これが今年一本目で良かった。

  君待てば 小悪魔来たり 訳ワカメ
   恋の花咲く 巴里の夕暮れ

※エンドクレジットの初めに主要出演者が紹介されるのだが、その最後に「そして、ドア」と紹介するのが粋ですね、全ては直ぐ風で閉まってしまうオートロックドアが原因なので確かに迷脇役でした。


 R 6.3.11 
 DVD
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近況報告

2024-01-22 21:39:48 | 雑記
 能登半島地震で被災された方々に深くお見舞い申し上げます。 

 記事upしない時間が長すぎて変なふうになってるのでちょこっと。
 去年9月の祭礼当番が終わるのを待って身体の悪い所を治そうと担当医を訪ねたら2月の胃カメラで気になる所が有ると内科医に行くように言われ内視鏡検査、結果シロ。
 次が泌尿器科の定期検診で腎臓結石、「これ、自然には出ませんね」と言われて外部からの衝撃破砕を試みるも失敗、自分としては半世紀に渡る副鼻腔炎の切開が最優先なので耳鼻科へ紹介して貰ったら、唯の炎症、悪い状態だったけど薬で解決、ならばと12月上旬に3泊4日全身麻酔付きで結石の内視鏡レーザー破砕。
 これで終わったと思ったんだけどねぇ、施術、腎臓共に悪くなく頻尿が治ってメデタシの筈が頻尿が通常に戻った差量なのか毎日500gずつ体重が増え年末までに10kg増、腹は布袋様みたいにバンバン足は甲子園の風船みたいに浮腫む、靴下履くのも5分掛かるし動悸、息切れ、頻脈(即入院レベル)、病院は年末で宿直医しかいないだろうしで31日から自宅で安静にしたまま「あけまておめでとう」、年末年始ゆえ箱根駅伝終わるまで日本酒を少し飲み、4日に予約外で診てもらい利尿剤を処方、今度は30分に一回トイレで10日で15kg減(笑)、只、肝臓が相当悪いという事で安静を言い渡され現在、内科で診て貰ってます、レントゲン、CT、胃カメラ、MRI、本日はエコー、明後日、大腸カメラ・・・。(好酸球の数値が落ち着いてきたので安静状態は今日、解除)
 盛大な出費が続きそっちもガクブル(保険金出たけど)、病名は可能性のあるのが二つ、でも説明の付かない所が幾つか有るとの事でまだ確定はしてません。

 やっぱり、こういう状況だと映画見る気になりませんねぇ、すこし良くなったら観ようと思っています。
 今のところ、ご心配には及ばない状況ですので安心?して下さい。
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「パリタクシー」

2023-11-22 09:05:24 | 外国映画
 「パリタクシー」(「Une belle course」、2022年、仏)
   監督 クリスチャン・カリオン
   脚本 シリル・ジェリー
      クリスチャン・カリオン
   撮影 ピエール・コットロー
   音楽 フィリップ・ロンビ
   出演 リーヌ・ルノー
      ダニー・ブーン
      アリス・イザーズ
      ジェレミー・ラユルト

 92歳のパリジェンヌがケアハウスへ入所する為タクシーを呼ぶ、その客マドレーヌと40代半端の崖っぷち生活の運転手シャルルがパリの端から端まで行くロードムービー。

  予告編 https://www.youtube.com/watch?v=SmW3evFgjkY

「この世は舞台、人は皆役者だ」by W・シェイクスピア
 人生を精一杯演じて一幕終われば消え去るのみ。
 「チャーリングクロス街84番地」に似て短い時間の作品ながら人生に思いを致す、滋味溢れる良い作品でした
 無駄のない脚本、無駄のない二人の演技、シンプルな作品でありながら印象を残す、そんな映画。

  あと、わずか 来し方巡る 走馬灯
    終の棲家へ 今、辿り着く

※只一点、最後のアレがちょっと、この物語には「小さな幸せ」が似合う。

 R5.11.21
 DVD
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「南の島に雪が降る」(1961年版)

2023-10-09 17:45:40 | 映画感想
 「南の島に雪が降る」(1961年、日本(東宝))
   監督 久松静児
   脚本 笠原良三
   原作 加東大介 「ジャングル劇場の始末記 - 南海の芝居に雪が降る」
   撮影 黒田徳三
   音楽 広瀬健次郎
   出演 加東大介
      伴淳三郎  有島一郎
      佐原健二  西村晃
      志村喬  フランキー堺 
      桂小金治  三木のり平
      (ゲスト出演)
      森繁久彌  三橋達也
      小林桂樹  渥美清
      
 戦争末期、ニューギニア西部のジャングルに置き去りにされた守備隊、味方からも敵からも見放され放置され補給も無く全滅を待つばかり、定期便と呼ばれる敵空襲の中、兵の慰労と士気を上げる為、加藤軍曹を中心に演芸分隊を立ち上げる事となった・・・。

  youtube 一部 https://www.youtube.com/watch?v=QnZHe0BeinU

 20歳前後に3回くらいTVで見てる、もう一度見たかったけど今はレンタルもなく見られなかった作品。youtube探したらDailymotionに有ったので久々の鑑賞、戦争末期のニューギニアで食う物もない飢餓状態なのに皆、栄養充分なのはご愛嬌だけどやっぱり、いい作品だった。
 これ、東宝の喜劇系役者総出の上に松竹から伴淳三郎、渥美清(東宝の戦争モノにも出てた)まで借りてきて、男ばかりだけど豪華絢爛この上もなく、演技、舞台芸の見せ合いみたいな所がある、その中でもやはり東宝の看板を三船敏郎と共に背負ってた森繁久彌の「五木の子守唄」は絶品で死地に赴く部隊長として、束の間、内地の情景を部下たちへ歌にして贈るシーンは涙を誘うものがありました。
 有島一郎の飄々とした受けの演技、伴淳得意のクサい芝居、名ドラマー フランキー堺のピアノ芸、渥美清の浅草風「森の石松」、二代目水戸黄門サマ西村晃の女形芸、本当に観てるだけで楽しい数々、この名うての役者達の芸合戦が散りばめられてるから忘れられなかったんだろうなと見てて思いました。
 ちょっと個人的ノスタルジーも入っているけど今でもそれなりに観られる作品。

※「七人の侍」の七郎次役加東大介氏の実体験を書いた「ジャングル劇場の始末記 - 南海の芝居に雪が降る」を映像化した作品で、当然、主役は加東軍曹、でもこの頃の芸名は前進座時代の市川莚司だから、その名前も出てきます。山中貞雄監督「河内山宗俊」、「人情紙風船」でもチョイ役のヤクザながら居るだけで印象が残る役者さんでした。(僕は加東大介さんがTVで活躍してた頃を知ってるから、まぁ、一目で判ると言うのはある)
※司令官役の志村喬さんだけが痩せてて本当らしく見えた。(階級上、一番いい物食べてておかしくないのに)
※「警察日記」、「駅前〜」の駅前シリーズの久松静児が監督だから森繁と息が合ったのかもしれない。

  遥けきも ニューギニアにて どん詰まり
    一銭五厘の 我がいのち哉

 R5.10.8
 Dailymotion
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心に残った作品ベスト20 ※21世紀に作られた映画限定

2023-09-23 21:56:50 | ベスト10
 今夏の猛暑と行事で全然、映画を観る気が起きずお休みしてました。
 漸く、行事も終わり(肝心の期間中コロナで自宅監禁というドジ極まる失態)、秋の気配と漂って来て、そろそろ再開しようと思っています。
 まぁ、その前に半世紀に及ぶ蓄膿症がいよいよ耐えられなくなったので切開しないといけないのですが。

 再開までの繋ぎの余興です。

(心に残った作品ベスト20 ※21世紀に作られた映画限定)

1. 「きっと、うまくいく」 (2013年、印)
2. 「裏切りのサーカス」 (2011年、英・仏・独)
3. 「この世界の片隅に」 (2016年、日本)
4. 「燃ゆる女の肖像」 (2019年、仏)
5. 「天国でまた会おう」(2019年、仏)
6. 「ゆれる」 (2006年、日本)
7. 「心と体と」 (2017年、ハンガリー)
8. 「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」 (2016年、アイルランド・加)
9. 「別離」(2011年、イラン)
10.「タレンタイム〜優しい歌」 (2009年、マレーシア)

11.「みかんの丘」 (2013年、露・グルジア・エストニア)
12.「PK」 (2014年、印)
13.「鍵泥棒のメソッド」 (2012年、日本)
14.「バーフバリ 王の凱旋」(完全版/テルグ語版) (2017年、印)
15.「オペラ座の怪人」 (2004年、米・英)
16.「さよなら渓谷」 (2013年、日本)
17.「レ・ミゼラブル」 (2012年、英)
18.「ブルックリン」 (2015年、アイルランド・英)
19.「グレイテスト・ショーマン」 (2018年、米)
20.「今夜、ロマンス劇場で」 (2018年、日本)
20.「異人たちの棲む館」 (2012年、伊)
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「少年の君」

2023-07-24 16:14:28 | 外国映画
 「少年の君」(「少年的你」、2019年、中国・香港)
   監督 デレク・ツァン
   原作 チオ・ユエシー  「少年的你,如此美麗」
   脚本 ラム・ウィンサム  リー・ユアン  シュー・イーメン
   撮影 ユー・ジンピン
   音楽 ヴァーカ・ビューラー
   出演 チョウ・ドンユイ
      イー・ヤンチェンシー
      チョウ・イエ
      イン・ファン  ホアン・ジュエ
      ウー・ユエ  チャン・ヤオ

 2011年、中国の進学校、大学への全国統一試験まであとひと月、そんな時、チェンの同級生フーがいじめによって飛び降り自殺する、イジメグループが次の標的にしたのは友達も居ない孤独な優等生チェンだった、エスカレートしていくイジメ、生命の危険を感じたチェンは以前、偶然に知り合ったストリート・ギャングのチンピラ、シャオベイにボディガードを頼み込む・・・。

   予告編 https://eiga.com/movie/94423/video/2/

 多分、今年観た作品の一番になると思う、もし、別作品だったらそれだけ今年観た作品のレベルが高いと言う事だから、それはそれで目出度い。
 イジメは僕自身、軽くではあったが中学、高校と経験したから重度のトラウマで、イジメシーンのある映画は生理的に避けてきた、本作もオープニングでイジメをテーマにしてると知り嫌悪感から5分でスイッチを切った、でもffilmarksの観るべき作品という声を信じて再びONにしました、物語の進行にイジメシーンがそれ程多くなかった事とテンポの良さで何とか乗り切る事が出来たけど、それだけで僕にとっては希少価値と言える作品です。

 中国の学校イジメをテーマにした作品ではあるが、内容は優等生の女子とチンピラ男の純情物語、中国版「泥だらけの純情」、「愛と誠 純情編」と言えなくもない、但し、本作はブルジョアの娘でなく詐欺商売の母親を持つ母子家庭の貧乏人だし過去に恩讐や事件が有る訳でもない、有るのは底辺で生きる者同士のシンパシーだけである。

 寄る辺ない者同士がひょんな事から忘れられずに磁石のように引き寄せ合う、よくあるパターンだけど、それが命懸けの関係となるシチュエーションも上手いし、何よりラスト近くの拘置所のアクリル板越し対面、その時の二人の演技が絶品、黒澤監督「天国と地獄」と同じく対面する二人の顔が重なっていきます、「天国と地獄」は社長と死刑囚ながら同じタイプだった事を表しますが、こちらは二人が不即不離とでも言うように離れ難い関係になっている事を示します、そして、この時、初めて二人が人間らしい素直な表情を露わにする。特にチェンは「心と体と」(2017年、ハンガリー)のマーリアと同じく外敵から心を守る為、能面の様に表情を捨てているのですが、この対面の時、一言も発せず変わりゆく表情だけで人間と人間、お互いへの信頼と感情を観客に解らせる、ちょっと必見と言っていいような名演技でここを観るだけでもこの作品を鑑賞する価値があると思います。(演じたチョウ・ドンユイは当時27歳とか、本当の高校生にしか見えない、凄い演技力)
 警察にしろ学校にしろ、、中国の官憲、組織がこんなに優しく親身とは思えないけど、今の中国で創ったにしてはギリギリ攻めているのかも、まぁ、当然ながらワイロ取る奴は居ません。(悪いのはイジメる奴と、その両親だけ、学校も警察も懸命に善処してるのだろから悪くないとアピール?)
 最近観た中国作品では最高の出来、「いじめ」をテーマにしながら純情でロマンティックとも言える秀作でした。

  お日様を キラキラ浴びて 肩並べ
   歩く日が来る はばかりもなく

※対面させる事によって自白させる、当時お初だったフィリップ・ノワレ(「ニュー・シネマ・パラダイス」)の悪辣刑事ぶりが印象に残る「甘い告白」(1971年、仏、伊、アルジェリア)でも見られた手法(酌量と結婚がエサだった)、上司との会話を僕は若手刑事の自己嫌悪と受け取ったけど習体制の中国で官憲を悪者に描けるとも思えない、どうなんだろう。(黒澤監督「野良犬」の佐藤刑事と村上刑事の最後の会話に似ていなくもない)
※刑期と就職の計算が合わないのだが、どうして?
※で、シャオベイは今、何をして食ってるのか、仙人の国とはいえアレで飯は食えんだろう。(笑)
※ちょっと前までならジャニーズでリメイク出来るような作品、シャオベイ役の男優は中国のアイドルだったとか。(百恵・友和のようなアイドル映画の要素が全部入っている〜その観点から見れば女の話は実際に似た事件が有ったのだろう、でも男はほぼ創作と思う))

 R5.7.23 
 DVD
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「チャーリング・クロス街84番地」

2023-07-17 17:11:59 | 映画感想
 「チャーリング・クロス街84番地」(「84 CHARING CROSS ROAD」、1986年、米)
   監督 デビット・ジョーンズ
   原作 ヘレーン・ハンフ 「チャリング・クロス街84番地」
   脚本 ヒュー・ホイットモア
   撮影 ブライアン・ウェスト
   音楽 ジョージ・フェントン
   出演 アン・バンクロフト
      アンソニー・ホプキンス
      ジュディ・デンチ

 第二次大戦が終わって間もない頃、売れない小説家だったヘレーヌはNYでは高く手に入らない英文学の古書をロンドン、チャーリング・クロス街84番地にある古書専門店へ発注する、思わぬ安価で送られてきた事が20年以上の付き合いの始まりだった・・・。

  予告編 https://trailers.moviecampaign.com/detail/6989

 18世紀にフランスのラクロが「危険な関係」という書簡体小説を発表してるが、それにちなめば本作は「(往復)書簡体映画」と言ってさしつかえないと思う。
 20数年の時間が顧客と店主という関係を、小さな小さな積み重ねによって一回も会わずして無二の親友にしてしまう様を描いていく、事件らしい事は何も起こらない淡々とあくまで淡々と話が進んでいく、それを退屈と思うか人生と感じるかでこの作品の印象は大分違うのでしょう。僕は途中、退屈に感じる事も無くはなかった、でも、終わりに近づくにつれそれだけでない時代を動かしていく時間、終戦直後に始まりビートルズ、ミニスカート、公民権運動、いちご白書の時代まで何もかもが否応なく変わっていく姿、或いは長い時間を掛けて育てていくもの、自分の歳のせいかしみじみと思うところが有りました。
 昔から男と女の間に友情は成立するのかという命題がありますが、この二人の関係はその理想に近いものがあるような気もします、勿論、二人がNYとロンドンに居て会えないという大前提はあるし、フランクの妻ノーラがヘレーヌに対してジェラシーを感じてた事からも純粋に男女の匂いは消せないとしても「いい関係」とはこういうもんではなかろうかとも思いました。

 技法としては中盤迄、物語に合わせての手紙のナレーションから、終盤はカメラに向かって直接語り掛けるという変化で親密度を表す方法が面白い。
 アン・バンクロフト、アンソニー・ホプキンス、ジュディ・デンチ、名うての演技陣の中でも茫洋としながらも徹頭徹尾「受け」の演技で支えたA・ホプキンスが見事、ツッコミ役のA・バンクロフトは労多くして功を取られた感じかな(笑)、J・デンチは別に彼女じゃなくても務まるけど最後の辺りの演技は流石でした。

  会わずとも 百年の知己 得る世でも
   女房とは日毎 喧嘩ばかり也
 
 静かな静かな一編。

 R5.7.17
 DVD
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「必殺の一弾」

2023-06-26 21:18:33 | 映画感想
 「必殺の一弾」(「The Fastest Gun Alive」、1956年、米)
   監督 ラッセル・ラウス
   原作 フランク・D・ギルロイ 「最後の刻印」
   脚本 ラッセル・ラウス  フランク・D・ギルロイ
   撮影 ジョージ・J・フォルシー
   音楽 アンドレ・プレヴィン
   出演 グレン・フォード
      ジーン・クレイン
      ブローデリック・クロウフォード
      ラス・タンブリン

 中々に観る気を起こさせないタイトル、原題も「地上で一番の早撃ち」五十歩百歩であるが、知られざる西部劇の佳作でした。(原作名が一番意味が有って的を得てる)

 1889年、西部の町シルヴァー・ラピッドで早撃ちの名手ファロンがならず者ハロルドに決闘を申し込まれ撃ち殺される、ハロルドは西部一の早撃ちとして名を上げるのが目的だった、その頃、近くの町クロスクリークで一人の男ジョージが悶々とやるせない思いで生きていた・・・。

  予告編 https://www.youtube.com/watch?v=XZowj5-IYxI  
 
 「早撃ちを自慢に40まで生きた奴はいない。いつか自分よりも早い奴に殺される」何処かで何度も聞いた事のある台詞だが、この映画はそれでも名を馳せたい男と、そうなるのが嫌で名を捨てている男の物語。
 しかし、西部開拓時代に銃を持たず酒も飲まず小商いしてる男に町の人々は口には出さねど一段下の視線を向ける時がある、そして、そのような視線は感情は押し殺した心に過敏に響く、被害妄想としてもそう受け取ってしまう自分がいて、どうしようもない苛立ちを制御出来なくなる。
 開拓時代に「銃を持たない男」がどういう視線に晒されるか、ちょっと西部劇に対するアンチテーゼっぽい所が有って面白いけど、結局、解決は力でという西部劇に帰り着いてしまうのは、まぁ、仕方ないかな(ニューシネマ以降ならいざ知らず’50年代の西部劇ですから)、ジョージが銃を捨てきれないと悟った奥さんが愛しながらも離別を決意したり、住民の一部が掌を返す所は「真昼の決闘」(フレッド・ジンネマン監督、1952年)を彷彿とさせます。
 この悶々、苛々の部分は額に浮かぶ汗と相まって観ていてちょっと鬱陶しいのだけど、この鬱陶しさ有ってのラストだから文句は言えない、この心和む終わり方があるから酷いタイトルを跳ね返し西部劇の佳作に仕上がっているのでしよう、一見の価値ありと思います。

  名を埋めて 漸くに知る 平穏へ
    讃美歌の声 静かに響く

※早撃ちのハロルドがスッとした青年じゃなく、熊みたいでスマートとかけ離れたオッサンなのがリアリティあっていい。(笑)
※奥さん、妊娠してるのにコルセット締め付けたドレスはないだろう。(笑2)
※「ウエスト・サイド物語」のラス・タンブリン、何でこんなのに出てると思ったら、ここでもダンス、体操要員だった、結構、尺もらってたけどね。(笑3)
※ビールジョッキを撃ち抜く所、その瞬間、別撮りを差し込んでるのがモロ判り(抜く手もフライング)、黒澤監督「蜘蛛巣城」の首に矢のシーンは完璧だったし「そんな難しいコトじゃないよ」と言ってる、アメさんはいい加減だなぁ。(笑4)
※ハロルドは時々、石塚英彦に見えるしジョージは岡村隆史に見える。(笑5)

 R5.6.26
 DVD
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「映画大好きポンポさん」

2023-06-04 11:12:56 | 映画感想
 「映画大好きポンポさん」(2021年、日本)
   監督 平尾隆之
   脚本 平尾隆之
   原作 杉谷庄吾【人間プラモ】
   キャラクターデザイン 足立慎吾
   撮影 星名工  魚山真志
   音楽 松隈ケンタ
   声  清水尋也
      小原好美
      大谷凜香
      加隈亜衣  大塚明夫

 ニャリウッドで活躍するプロデューサー ポンポさん、新作の15秒CMを冴えないアシスタント ジーンに任せてみる、見込みどおりの
出来に満足した彼女は自分の大作の監督に彼を抜擢する・・・。
 
  予告編 https://www.youtube.com/watch?v=nDpsTDHN_ac 

 この作品に登場する天才プロデューサー ポンポさんの言う「映画は90分以内に収めるのがお客へのサービスであり、2時間越えは観客をスクリーンに縛り付ける横暴、且つ時間泥棒だ」(意訳)に僕は真っ向反対する、名脚本家 橋本忍が90分前後のプログラムピクチャー全盛時に中身が伴うであれば「60分内の映画があっていいし3時間を超える作品も有っていい筈だ、90分ありきは映画の自由を縛る悪弊だ」と言っているが、僕は断然、橋本忍氏を支持する、ポンポさんの考えを突き詰めれば今、流行りの「タイパ」とやらに辿り着くが、それは既に映画でなく「あらすじ」だ。もう一つ言えばこの映画の終盤は編集作業に悪戦苦闘する監督に焦点を合わせているが、確かに作品に息を吹き込むのも、腐らせるのも、殺すのも全て編集次第、撮影はその材料集めであり、編集作業とはキャスト、スタッフ、苦労、費用に惑わされずに撮ったモノを「切る」事だと言うシーンは黒澤明本を読めば常に出てくるエピソードでそれ故に既視感だらけだった、そして悪人は一人も居なく何もかも都合良く進むので深みに欠けるし、あんなにオドオドしてる人間に付いていこうと思うスタッフ、自意識の塊である俳優が居るのだろうか、コミュ障の見る「夢想」のような作品でした。

 悪口はここまで(笑)、それ以外は中々良い作品、テンポもいいし映画作り楽しさが伝わってくるのはトリュフオーの「映画に愛をこめて アメリカの夜」を感じさせる、何よりも軽く見られて楽しい。
 悪口4:1褒め口の感想になったけど、そこまで悪くはない作品で面白くは有る、只、何故か悪口がスラスラ出て来てしまうのです(汗)、絵が好きじゃないタイプというのもあるのかな。

  朝霧の 朦朧のなか 歩はすすむ
   ひと風吹いて 新緑あらわる

 R5.6.2
 DVD
コメント (2)
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「肉体の冠」

2023-05-29 13:16:21 | 映画感想
 「肉体の冠」(「Casque d'Or」、1951年、仏)
   監督 ジャック・ベッケル
   原案 ジャック・ベッケル  ジャック・コンパネーズ
   脚色 ジャック・ベッケル
   撮影 ロベール・ルフェーヴル
   音楽 ジョルジュ・ヴァン・パリス
   出演 シモーヌ・シニョレ
      セルジュ・レジアニ
      クロード・ドーファン
      レイモン・ビュシェール
      
 19世紀末のパリ、娼婦でヤクザ ロランの情婦でもあるマリーは偶然出会った大工で前科者のマンダに一目惚れしてしまう、マンダもマリーに惹かれるが喧嘩っ早いロランが見逃す筈もなく・・・。

 恋愛モノとなると思考が何でも「ロミオとジュリエット」になってしまう、今回、ちょっとそれに気が付いて、これはもはや病気だなと。
 そんな僕の妄想なので話は9割引で読んで下さい、でも、観ながらロミジュリを思い出したのは事実なのでそう書くしかない。(汗)
 只、「ロミオとジュリエット」一つじゃない、正確には太宰の「走れメロス」だがフランスの監督に影響を与えてる筈がないので(太宰が参考にした物語があるにせよ、どれだけ西洋でポピュラーなのか不明)、同じシェイクスピアから「ヴェニスの商人」を加えたような作品でした。
 つまり、前科者と娼婦のロミジュリ物語で短気で喧嘩っ早いロランがティボルト、親友のレイモンがマキューシオであり「ヴェニスの商人」のバサーニオにあたる、親分のルカは真の悪人の居ないロミジュリには該当者はおらず、これは「ヴェニスの商人」で腹黒く悪巧みするシャイロック、そんな風に考えてしまいました。

 この作品も滑らかなリズム感が心地よい作品、前科者マンダの自首の過程を描かず空のベットで表現するとか、瀕死のレイモンが親分ルカの裏切りを仲間に伝えるシーンを飛ばして仲間達のルカへの視線だけで表現するとか、余計な説明描写を極力減らしてるのがリズム感を生んでるのかもしれません。しがない前科者の大工と娼婦が郊外で遊び呆けてる幸せシーン、どこにそんな金がと思ってしまったのは野暮ではあるけど気にはなりました。(笑)
 電気が余り普及していない時代のパリ(モンマルトル辺り?)の雰囲気も、W・アレンのようなノスタルジーが無く生活感が有って中々、良かった、願わくばロミジュリファンとしては、朝、誰もいない窓辺にショールが一枚掛けられてるというラストが望みだった。(大汗)
 いつも怖いオバサンのイメージがあるS・シニョレ、「悪魔のような女」があるけど漸く綺麗な女優さんだと本当に思った、でも、やっぱり重量感のある女優さんは苦手かな。

  君去りて パリの朝露 儚くも
   虚ろな胸に 宿るものなし

※原題は「黄金の冠」、マリーの髪型の事でしょう。
※セルジュ・レジアニと言えば僕たちの世代では「冒険者たち」の招かれざる四番目の男だけど、若い時を初めて見た、垂れ目は変わりようがないが確かにレジアニだった、大工の役だけど世界一有名な配管工にも似てた。
※ショールがパリの空に舞うのはブレッソンの「やさしい女」。

 R5.5.27
 DVD
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「彫る 棟方志功の世界」

2023-05-23 21:16:29 | 邦画
 「彫る 棟方志功の世界」(1975年、日本)
   監督 柳川武夫
   脚本 柳川武夫  杉山義法
   撮影 田中正  粕谷行夫  神山登好
   音楽 小杉太一郎
   出演 棟方志功
   ナレーター 鈴木瑞穂

 確か芸術祭参加作品で、映像部門の会場だった虎の門ホールで観たんだと思う(試写会みたいなもの)。
 棟方志功という素朴の暴力みたいな強烈なキャラクターも勿論、面白いんだけど、それよりも印象的なのが、その狂気としか言いようのない異様な集中力と仕事ぶり、まさしく「彫る」で天才・狂人の一形態をまざまざと見せつけられました。
 彫る狂気と自分のアイデンティティだという短い夏を彩る「ねぶた祭り」、子供のように嬉々として跳人(ハネト)に興ずる姿、それを優しく包み込むように捉えるカメラ、素直で素晴らしく一番記憶に残ってるドキュメンタリー映画。

  一心不乱 神が憑きし その姿
    板木の上に 仏あらわる

※キネマ旬報社1975年文化映画部門1位。

 1975.10 (記録漏れの為、日にちは判らず)
 虎の門ホール
コメント (3)
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