セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

僕の好きな映画音楽 Ⅶ

2014-05-30 00:22:35 | 映画音楽館
 暫くアメリカ映画が続くと思うので、その前に、ちょっと気分転換。
 (気分転換も何も、まだアメリカ映画1回しかやってないのに(汗))
 今回は日本映画の主題歌・挿入歌を集めてみました。

 まず、超強力脱力系から。

 「その人は昔」(松山善三監督・1967年)より「白馬のルンナ」 歌 内藤洋子

   https://www.youtube.com/watch?v=vqWoUn6hH08

   いやぁ、深夜ラジオで、これを初めて聞いた時の衝撃は凄かった・・・。(笑)
   史上ナンバー1の下手っぴい歌手に認定されるも、その可愛さで全てが許されてる。
   そんで又、歌詞も凄いんだ、お花畑満開のメルヘンポエム。
   でも、男にとって「可愛いは正義」(キッパリ!何年も聞かないでいると禁断症状が出る(笑))

 (180度、雰囲気変わります)

 「八月の濡れた砂」(藤田敏八監督・1971年) 歌 石川セリ

   http://www.youtube.com/watch?v=shhTu8DF8e0

   どうも藤田敏八監督とは肌が合わないのですが、この歌は大好き。
   学園紛争終焉後の虚無感と刹那、あの時代の雰囲気が凄く良く出てる。
   本当は僕達より3,4歳上の人達がドンピシャなんだけど、「しらけ世代」と言われた僕達の世代にもピッタリだったなぁ。

  「ルパン三世 カリオストロの城」(宮崎駿監督・1979年)より「炎のたからもの」 歌 ボビー

    https://www.youtube.com/watch?v=-HF-Q8i_cFs

    今更、説明の必要はないでしょ。
    オマケに男前の「とっつぁん」も貼っておきます。

    https://www.youtube.com/watch?v=FPtncJ9SaI0

 (今日のおまけ)

 「男はつらいよ」(山田洋次監督・1969年~1995年) 歌 渥美清

    https://www.youtube.com/watch?v=qjd-4rrX1K8

    日本映画史上、最もポピュラーな主題歌。

 「鴛鴦歌合戦」(マキノ雅弘監督・1939年)より「僕は若い殿様」 歌 峰丹波守(ディック・ミネとも言う)

    脱力系で始めましたから〆も脱力系で。

    https://www.youtube.com/watch?v=GGQIzCN22tk

   
※「白馬のルンナ」   作曲 船村徹   作詞 松山善三
※「八月の濡れた砂」 作曲 むつひろし 作詞 吉岡オサム
※「炎のたからもの」  作曲 大野雄二  作詞 橋本淳
※「男はつらいよ」   作曲 山本直純  作詞 星野哲郎
※「僕は若い殿様」  音楽 大久保徳二郎 (詳細は不明)

  

「がんばれ!ベアーズ」

2014-05-26 23:39:20 | 映画日記/映画雑記
 「がんばれ!ベアーズ」(「The Bad News Bears」・1976年・米)
   監督 マイケル・リッチー
   脚本 ビル・ランカスター
   撮影 ジョン・A・アロンゾ
   音楽 ジェリー・フィールディング
   出演 ウォルター・マッソー
       テイタム・オニール
       ヴィック・モロー
       ジャッキー・アール・ヘイリー

 この作品、僕が二十歳の時に公開されて、当時、大ヒットしましたね。
 でも、20代だと、僕でさえそれなりに鼻っ柱強いから、どうしても子供達が出てるスポーツものは
「予定調和」を感じて、何処かへ出向いてまで観ようと思いませんでした。
 そんなこんなで公開から38年を経て、やっと観る事が出来ました。
 これも企画のおかげです。

 スポーツものの常道は外してないし、予定調和ではあります。
 でも、こういう作品にソレ以外を期待するのは違う気がするし、そうなると安心して楽しめません。
 家族みんなで酒でもジュースでも何でも、とにかくリラックスして楽しんじゃった方が勝ちでしょ。
 意味だの狙いだのナンだの、そんな事言う人間には、こう言ってやりましょう、
 「オマエ、さしずめインテリだな」

 一人ひとりの個性を殺さないでチーム力を上げていくのがアメリカっぽくて面白いですね。
 日本だと最初尖がっていても、「和の精神」に吸収されてしまう事が多いから。
 まぁ、その分、皆、それ程、人間的成長は少ないのですけど。(笑)
 「みんなで野球をやりたい子供達」と「勝負に色気が出て目が曇る大人たち」の比較も上手く描かれて
いたと思います。
 そして、やっぱりW・マッソーとT・オニールの存在が効いています。
 不良少年ケリー役のJ・A・ヘイリー(かなりの適役)、太っちょキャッチャーや他のベアーズの面々も
個性が出たいい演技なんですけど、この二人のちょっと違うオーラが作品に重みを付けてる。
 この二人が居ないと、もしかしたらスカスカ感一杯の作品になったかもしれません。
 
 家族で楽しく観るには充分過ぎるほど合格だと思います。

※売り言葉に買い言葉、バカにした相手に啖呵を切るのはいいけど、
 準優勝トロフィーを投げつけるのは、どうかと思うよ。
 あんまり見ていて気分の良いものじゃないです。(大人の意見(笑))
※製作年が4年違うから無理なのですが、「ダウンタウン物語」の主役バグジー・マローンはスコット・バイオ君より、
 この作品のジャッキー・アール・ヘイリーの方が適役だったなぁ。
 

「情婦」

2014-05-03 23:44:40 | 外国映画
 「人に言えない観てない」シリーズ、今年も密かに進行中。

 「情婦」(「Witness for the Prosecution」・1957年・米)
   監督 ビリー・ワイルダー
   脚本 ビリー・ワイルダー
       ハリー・カーニッツ
   原作 アガサ・クリスティ 「検察側の証人」
   撮影 ラッセル・ハーラン
   音楽 マティ・マルネック
   出演 タイロン・パワー
       マルレーネ・ディートリッヒ
       チャールズ・ロートン
       エルザ・ランチェスター
       ジョン・ウィリアムス

 多くの方と同様、タイトルのイメージから何となく食指が動かなかった作品。
 B・ワイルダーの代表作の一つと聞いていても、「アパートの鍵貸します」
も「お熱いのがお好き」も観てるから、その内に・・・で30年。(汗)
 法廷サスペンスの傑作。
 まだ観てない方に老婆心ながら一言、「リストに入れる」事をお勧めします。
 以上。(笑)

 内容は観てのお楽しみなので、
 気の付いた事の雑談で行数の埋め合わせを。(汗)
 B・ワイルダーはオーストリア人でナチスを嫌ってアメリカへ移住しハリウッ
ドで活躍した人。
 この作品は、そのハリウッドの映画ですが舞台はロンドンで主な登場人物
も一人を除きイギリス人設定。
 そのイギリス人のユーモアを実に巧みに描いてるんですよね。
 フランスのエスプリ、イギリスのユーモア、アメリカのジョーク&ユーモア。
 みんな、国柄によって「笑い」が違うのですが、この作品のユーモアはアメリ
カのユーモアと違う、ジョンブルのユーモアだと思います。
 多人種の国アメリカで暮らし身に着けたのかもしれませんが、優れた観察
眼のなせる技だと思います。
 映画大国アメリカを代表する名匠の実力が、そんな所にも窺い知れるので
はないでしょうか。

 全てに於いて脱帽の域に有る傑作だと思います。

※映画を観始めて40年、途中30年近いブランクも有って、僕の映画ベスト
 10は完全に固定化されてしまい、もう変動は無いだろうと勝手に思い込ん
 でいました。
 それが去年「地獄に堕ちた勇者ども」を観て、ベスト10どころかベスト3に変
 動が起き、今年4月~5月のわずか一ヶ月間で更に2本がベスト10入り、特
 に「さらば、我が愛/覇王別姫」は不動の1位と思ってた「七人の侍」と並ぶ出
 会いでした。
 自分の世界の狭さを痛感する今日この頃です。
 (ベスト10から零れ落ちていった作品への愛着もひとしおなのですが)