「家へ帰ろう」(「El ultimo traje」、2017年、スペイン・アルゼンチン)
監督 パブロ・ソラルス
脚本 パブロ・ソラルス
撮影 フアン・カルロス・ゴメス
音楽 フェデリコ・フシド
出演 ミゲル・アンヘル・ソラ
アンヘラ・モリーナ
オルガ・ボラズ
ブエノスアイレスに住む元仕立て屋で88歳になるアブラハム、彼は子供達に遺産を分け自らは望まない施設に入る事となった。
その晩、彼は手持ちの有り金と仕立てた洋服を持ち家を出た、本当の家へ帰る為に・・・
予告編 https://www.youtube.com/watch?v=LJ9mdsOdq5E
前半部はまあまあ、後半に進むに従ってリアリティ・ラインが崩壊。
ロードムービィは、それぞれの場所での出来事が大事なんだけど、パリから先は物語をゴールに進める為だけのイベントで余りに安易、この安直さが災となってラストの感動値が上がりきらない。
また、道中を通じて主人公が成長や本質に気付いたりしていくものだけど、老年という事もあって、それも殆ど無い。(ドイツ女性に対して幾らかあったけど)
一応、ラストは涙は出た、でも、それだけで残るものは殆ど有りませんでした。
題材は面白くなる話だと思うのですが、よくある「ユダヤ人とナチス」ものの中でも出来の悪い作品じゃないでしょうか。(僕にとって)
※戦後、恩人に何かを届けるって、幾つも似た作品が有った気がする。
※シリアスで暗めの作品なのにご都合主義に走ったら台無しは必然。(この作品、全てがラストの為の舞台装置にしか過ぎない)
H31.2.23
銀座シネスイッチ
「ラッキー」(「LUCKY」、2017年、米)
監督 ジョン・キャロル・リンチ
脚本 ローガン・スパークス ドラゴ・スモンジャ
撮影 ティム・サーステッド
音楽 エルビス・キーン
出演 ハリー・ディーン・スタントン
デビッド・リンチ
ロリー・リビングストーン
90歳のラッキーは健康だが一人暮らし、繰り返される単調な日々のなか、やがて迎えるであろう「死」の恐怖を感じている・・・。
予告編 https://www.youtube.com/watch?v=EFiyUKIt2mU
そんなに面白くなかったし魅力ある作品とは思えませんでした、まぁ、悪い作品でもないのだけれど。
老年だから動きは当然鈍く、日々のスケッチのような作品で展開もノンビリしてるし、人生の残照にどれだけ共感できるかで受け取り方に違いが出てくる気がします。
子供の時から生涯に渡って水と油だった父が1月に亡くなったばかりなので、いろいろ思う所はありました。
特にラッキーがハーモニカを吹くシーン、父も92歳だったから映画の主人公とほぼ同世代、戦地で覚えたらしいハーモニカを子供の時、何回か聞いたのを思い出していました。
僕の父は10年以上アルツハイマーが進行していって何も解らないまま亡くなったけど(多分)、ラッキーのようにかくしゃくと覚醒してるより、全て?忘れるというのは或る意味良いのかもしれない、その分、家族は大変だけどね。
最後の3年、施設に入って、毎日、顔を合わせなくなって、漸く、僕も「憎む」事に疲れた。10日に一度、ヨーグルトを渡しに行って少し喋って・・・、これで僕も長男の務めから解放されたのかな。
♪歳をとるのはステキなことです そうじゃないですか
忘れっぽいのはステキなことです そうじゃないですか♪ by中島みゆき「傾斜」
※若い時間は瞬く間に過ぎ、やがて白秋、玄冬を迎える、どんなに辛い事も悲しい事も、忘れてしまえるなら、それは幸せなことかも、という歌。(これ、20代半ばで書いた歌詞なんだよね、還暦過ぎの身で見れば若い所も有るけど「親子の行き違い」を40年前に鋭く突いてるのも事実)
※父との経験から。呆けると重い持病がない限りストレスも忘れてしまうので身体は健康?になるみたい。
H31.3.17
DVD
監督 パブロ・ソラルス
脚本 パブロ・ソラルス
撮影 フアン・カルロス・ゴメス
音楽 フェデリコ・フシド
出演 ミゲル・アンヘル・ソラ
アンヘラ・モリーナ
オルガ・ボラズ
ブエノスアイレスに住む元仕立て屋で88歳になるアブラハム、彼は子供達に遺産を分け自らは望まない施設に入る事となった。
その晩、彼は手持ちの有り金と仕立てた洋服を持ち家を出た、本当の家へ帰る為に・・・
予告編 https://www.youtube.com/watch?v=LJ9mdsOdq5E
前半部はまあまあ、後半に進むに従ってリアリティ・ラインが崩壊。
ロードムービィは、それぞれの場所での出来事が大事なんだけど、パリから先は物語をゴールに進める為だけのイベントで余りに安易、この安直さが災となってラストの感動値が上がりきらない。
また、道中を通じて主人公が成長や本質に気付いたりしていくものだけど、老年という事もあって、それも殆ど無い。(ドイツ女性に対して幾らかあったけど)
一応、ラストは涙は出た、でも、それだけで残るものは殆ど有りませんでした。
題材は面白くなる話だと思うのですが、よくある「ユダヤ人とナチス」ものの中でも出来の悪い作品じゃないでしょうか。(僕にとって)
※戦後、恩人に何かを届けるって、幾つも似た作品が有った気がする。
※シリアスで暗めの作品なのにご都合主義に走ったら台無しは必然。(この作品、全てがラストの為の舞台装置にしか過ぎない)
H31.2.23
銀座シネスイッチ
「ラッキー」(「LUCKY」、2017年、米)
監督 ジョン・キャロル・リンチ
脚本 ローガン・スパークス ドラゴ・スモンジャ
撮影 ティム・サーステッド
音楽 エルビス・キーン
出演 ハリー・ディーン・スタントン
デビッド・リンチ
ロリー・リビングストーン
90歳のラッキーは健康だが一人暮らし、繰り返される単調な日々のなか、やがて迎えるであろう「死」の恐怖を感じている・・・。
予告編 https://www.youtube.com/watch?v=EFiyUKIt2mU
そんなに面白くなかったし魅力ある作品とは思えませんでした、まぁ、悪い作品でもないのだけれど。
老年だから動きは当然鈍く、日々のスケッチのような作品で展開もノンビリしてるし、人生の残照にどれだけ共感できるかで受け取り方に違いが出てくる気がします。
子供の時から生涯に渡って水と油だった父が1月に亡くなったばかりなので、いろいろ思う所はありました。
特にラッキーがハーモニカを吹くシーン、父も92歳だったから映画の主人公とほぼ同世代、戦地で覚えたらしいハーモニカを子供の時、何回か聞いたのを思い出していました。
僕の父は10年以上アルツハイマーが進行していって何も解らないまま亡くなったけど(多分)、ラッキーのようにかくしゃくと覚醒してるより、全て?忘れるというのは或る意味良いのかもしれない、その分、家族は大変だけどね。
最後の3年、施設に入って、毎日、顔を合わせなくなって、漸く、僕も「憎む」事に疲れた。10日に一度、ヨーグルトを渡しに行って少し喋って・・・、これで僕も長男の務めから解放されたのかな。
♪歳をとるのはステキなことです そうじゃないですか
忘れっぽいのはステキなことです そうじゃないですか♪ by中島みゆき「傾斜」
※若い時間は瞬く間に過ぎ、やがて白秋、玄冬を迎える、どんなに辛い事も悲しい事も、忘れてしまえるなら、それは幸せなことかも、という歌。(これ、20代半ばで書いた歌詞なんだよね、還暦過ぎの身で見れば若い所も有るけど「親子の行き違い」を40年前に鋭く突いてるのも事実)
※父との経験から。呆けると重い持病がない限りストレスも忘れてしまうので身体は健康?になるみたい。
H31.3.17
DVD
2人とも一気に若返ったのかな?と思えるくらい、笑顔が似合う素敵な人達に見えました。
>戦後、恩人に何かを届けるって、幾つも似た作品が有った気がする。
もしかしたら、私はその手の話をあまり見たことがなかったのが幸いしたのかも?
まあ、久しぶりに腰を据えてじっくり映画を見られたのが一番ですけどね~。
コメントありがとうございます!
すがすがしいほど辛口ですね
>2年近く前の記事で冷や汗を搔くことになるとは(笑)
この作品、僕はダメでしたがネット見てると結構、高評価の方が多いんですよ、僕は多分、少数派。
女主人とのエピソード
>僕もエピソードとしてはこの部分が一番良かったと思います、娘とのいきさつも含めてスペイン編は良かったです。
その手の話>記事書いた時は思い当たってたのですが、呆けたのか今、思い出せない(汗)
何か約束の品を渡して「約束は果たしたぜ」と言ってこと切れる、というのなら有ったような。
来年、お互いゆっくり映画を観れるようになりたいですね。
宵乃さん、ご家族さま、良いお年をお迎え下さい。