セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「ラスト・クリスマス」(2019年)

2020-11-22 18:42:44 | 外国映画
 「ラスト・クリスマス」(「Last Christmas」、2019年、米)
   監督 ポール・フェイグ
   脚本 エマ・トンプソン  ブライオニー・キミングス
   原案 エマ・トンプソン  グレッグ・ワイズ
   撮影 ジョン・シュワルツマン 
   音楽 セオドア・シャピロ
   出演 エミリア・クラーク
      ヘンリー・ゴールディング
      ミシェル・ヨー
      エマ・トンプソン  リディア・レオナルド

 まだ一ヶ月以上先だと言うのに前回に続きクリスマス映画。(汗)

  予告篇 https://www.youtube.com/watch?v=BrxmTcYdw84 

 観るもの無くて近所のGEO物色してたらE・クラークの準新作が有ったのでチョイス、「世界一キライなあなたに」('16)のキュートでユニークな個性&眉芸がどう進化したか興味も有りました。
 最初、ヒロインの勤め先が中国系女主人のクリスマスショップ、相手役も通りすがりの中国系なのでハリウッドの中国市場ヨイショ作品かと思ってゲンナリ、視聴意欲ダダ下がりになったけど我慢して観てたら、これ「いいんじゃん!」(笑〜中国市場を意識してるのは間違いないけど、作品が良ければ全然OK)
 女主人の相手役が何処から湧いてきたのか謎で、その一点だけ引っ掛かったけど、それ以外はクリスマスらしい良い話でした。(もう一つ有った、スケート靴、どう始末したの(笑))
 まぁ、これも色んな作品のエキスをシャッフルしてまして、思い付くだけで「ノッティングヒルの恋人」(ベンチとかマーケット風景)、「フォロー・ミー」のロンドン巡り(使われなかったラストシーンなんてクリストフォルーがロンドン案内してるようなもの)、「ゴースト〜ニューヨークの幻」も要素、入ってるよね、ホームレス施設でのクリスマスってのも何処かで観た気がするするし、作品の根本的な設定も漫画か映画か判らないけど、どっかで見たような気がしてしまいました。(これは牽強付会だけどラブラブな二人のアイススケートだと「ある愛の詩」を思い出してしまう)
 物語は旧ユーゴからの移民で、歌手志望ながら何もかも上手くいかず、一夜の宿を求めて男と直ぐ寝るようなしょうもないヒロインが生きる事の素晴らしさに気づくまでという、実にクリスマスらしい、そして、ありきたりな話なんだけ心温まる話で主役二人の好演もあってホンワカと涙しました。相変わらずE・クラークはユニークな女性を演じさせたらピカイチかもしれない、そういう意味で当人は嫌だろうけどミア・ファローの系譜、只、今以上太ったらオバさん役しかこなくなりそう、気をつけた方がいいかも。

 物語も要素も全然違うけど、この作品、21世紀の「三十四丁目の奇蹟」って気がする、「何処が?」って聞かれると何処も似てないのだけど、クリスマス期間の奇跡の話だからかな。(笑〜「三十四丁目の奇蹟」より「クリスマス・キャロル」の男女逆転版が正解に近いかもしれない)
 鉦鼓亭が今年のクリスマス映画として推薦します、ご興味があれば、どうぞ。

※1984年発表のワム!の楽曲「Last Christmas」(去年のクリスマス)に誘発された作品だとか。

  Last Christmas, I gave you my heart   去年のクリスマス、君に僕の心を捧げた
  But the very next day you gave it away   でもすぐ次の日に君は捨て去ってしまった
  This year, to save me from tears   今年は、涙を流さないように
  I’ll give it to someone special   特別なだれかにあげるんだ

※ちょっと、演説は要らなかったかな(短いんだけどね)。
※相変わらずE・クラークの眉はよく動く。(笑)

 R2.11.22
 DVD

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 R2.11.23 (追記)

 ラストシーンを書きますので、そのつもりで

 自分だったらラストはこうしたかったと言う一案

 映画はホームレス達のシェルターハウスでのクリスマスショーから建物全景、そして、ヒロイン カタリナと家族達のクリスマスパーティーへと移り、続いて公園のベンチに座ってるカタリナとなるのですが、ボーナストラックにある幻のラストシーンを観て思ったのは、
 家族団欒のシーンは、その前のクリスマスショーのシーンで家族の和解が成立してるのだがら殊更に必要ないと思う、このシーンの意味は母親が長女のレズを認めるという以外ないし、それも前シーンの長女の相手を含めた家族和解で充分理解出来ると思う、ここの代わりに幻のラストシーンである「Look up」と印したの黄色いキャップ(黄色は中国では皇帝専用の色で今でも高貴な色として中国人が好む色)を被ってツアー客のロンドン案内をしてるカタリナの最後のアップから続けて本編ラストのベンチに繋げた方が僕としては良かったと思う。
コメント (4)
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「三十四丁目の奇蹟」

2020-11-16 12:03:23 | 外国映画
 「三十四丁目の奇蹟」(「Miracle on 34th Street」、1947年、米)
   監督 ジョン・シートン
   脚本 ジョン・シートン
   原案 ヴァレンタイン・デイヴィス
   撮影 チャールズ・G・クラーク  ロイド・エイハーン
   音楽 アルフレッド・ニューマン
   出演 モーリン・オハラ
      ジョン・ペイン
      エドマンド・グウェイン
      ナタリー・ウッド
   
 大手デパートのクリスマスパレード、通報により臨時雇いのサンタ役が酔っ払ってる事が判明してクビ、神聖な宗教行事に不謹慎であると通報してきた白髭の老人をそのまま代役に立てる、大成功に終わり会社は雇用継続を持ちかけるが、彼は自分が本物のサンタ・クロースだと言い張って・・・。

 リアリスト、夢を見ず現実だけを信じる(極端な設定だ)、それにより、楽しい空想や夢を否定するのは科学的、合理的に見えて、実は、感性を鈍らせ心を貧しくしているだけではないのか。
 家族用クスマス・ファンタジーと思って油断していたら、まさかの法廷劇へと(笑)、確かに家族用クスマス・ファンタジーなんだけど「サンタは本当に実在するのか」という切り口が斬新で面白く決着の付け方も小粋で気持ち良かったです。あの精神科医だけは救われてない気もするけど彼には「クリスマス・キャロル」が待ってると思ってスルー(汗)。
 観たばかりで確定的な事は言えないけど、クリスマスものでは一番好きになれそう、そんな気がします。

※子役時代のN・ウッド、初めて見たけど目元が余り変わってなくてそれで判った。
※熱心なキリスト教徒、原理派は科学を信じず未だに天動説を信じ進化論を否定してるとか、それも困ったもんだけどファンタジーは心を潤す人類必需品。
※この作品も黒人はメイドでクリスマスの客(台詞のある客役で「裏窓」の看護師おばさんが出てた)もキャストも皆、白人。「風と共に去りぬ」と同じくアメリカではポリティカル・コレクトネスに引っ掛かるのだろうか。歴史は国の成り立ちとして厳然とある訳で、今現在から見て相応しくないから変えると言うのは今の人間の驕りでしかない、アメリカも韓国みたいに歴史を自由に書き換えるのか。

 R2.11.15
 DVD
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