「クロワッサンで朝食を」(「UNE ESTONIENNE A PARIS」、2012年、仏・ベルギー・エストニア)
監督 イルマル・ラーグ
脚本 イルマル・ラーグ アニエス・フォーヴル リーナ・スィルドス
撮影 ロラン・ブルネ
音楽 デズ・ムナ
出演 ライネ・マギ
ジャンヌ・モロー
パトリック・ピノー
真冬のエストニア。
アル中の元夫に絡まれながら、年老いた母を介護するアンヌ。
その母の死。
流れていく空白の時間。
そんな時、介護士の資格を買われてパリから仕事が舞い込む。
パリの高級アパルトマンで待っていたのは、他人に心を開こうとしない頑
なな老婦人フリーダだった・・・。
「貴女が孤独なのは、貴方自身に問題があるからよ!」
キレたアンヌがフリーダに浴びせた言葉。
このフリーダという老女、財産の有無を別にすれば去年亡くなった伯母に
よく似てる気がしました。
自分の小さな世界でのみ生きていて、他人の介在を頑なに拒否する。
親、姉妹、まして他人の言う事を聞く気なし、自分の考え方と気持ちのみ
を喋り自己完結させてしまう。
伯母を見ていたから、フリーダの扱い難さは実感出来るけど、元アマンと
アンヌに外見は兎も角、「頼る」気持ちのあるフリーダは「まだまだ、甘い」。
伯母は90歳過ぎても「初志一徹」、急変する3日前、見舞いに行った時も
「何で、来たの!」。(笑)
こういう人は、当人はいいでしょうが、周りが、その尻拭いを全部やるんで
すから気楽な「生き方」なのかもしれません。
埋葬の時、教会で懇意にしてた方が「好きな事を存分にやって、考えよう
で幸せな生き方だったんじゃないでしょうか」って仰ってました。
後で弟と、「お陰で、お袋が全部、背負い込むハメになったんじゃねえか、
お気楽なコト言ってくれるよな」と悔し涙の気分でしたよ。
好き勝手やって、母以外全員と断絶、何も言わず亡くなって、後始末は全
部僕がやる事になって。
「自由に生きる!」ってカッコいい言葉だけど、その分、誰かが必ず尻拭い
をさせられるんです。(笑)
個人的な事を書いてしまいましたが、作品は良かったと思います。
猫も歳を取り過ぎると化け猫になると言いますが、パリジェンヌの老婆(妖
怪)J・モロー。
この人、パリを離れたら3日で「あの世」へ行っちゃうんじゃないかと思える
くらい、幾つになってもパリジェンヌ、何処を切ってもパリジェンヌ。
これは凄い事だと思います。(真面目に褒めてます)
そしてフランスを代表するパリジェンヌの化け物と堂々とタメ張って一歩も
引かない、アンヌ役のライネ・マギ も素晴らしい。
日本では無名ですが、J・モローという「化け猫」と対峙する役もあって、歳
の割にチャーミングに見えるし、演技も上手い。
只、これ日本に当て嵌めると20年前の杉村春子と草笛光子に見えなくも
ない。(爆)
二人の間で中和剤の役目を負ったパトリック・ピノーも、最初、調子いいだ
けの男に見えたけど、段々、大人の「男」に見えてきて良かったです。
「貴女が孤独なのは、貴方自身に問題があるからよ!」
老後を考えれば、この言葉は正論。けれど70越えたら性格変えるのは殆
ど無理。
気をつけましょう。(勿論、僕の事です(笑))
2015.8.23
DVD
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
憧れて 彷徨(さまよ)う巴里の 紙芝居 一幕おりれば 空は明けゆく
監督 イルマル・ラーグ
脚本 イルマル・ラーグ アニエス・フォーヴル リーナ・スィルドス
撮影 ロラン・ブルネ
音楽 デズ・ムナ
出演 ライネ・マギ
ジャンヌ・モロー
パトリック・ピノー
真冬のエストニア。
アル中の元夫に絡まれながら、年老いた母を介護するアンヌ。
その母の死。
流れていく空白の時間。
そんな時、介護士の資格を買われてパリから仕事が舞い込む。
パリの高級アパルトマンで待っていたのは、他人に心を開こうとしない頑
なな老婦人フリーダだった・・・。
「貴女が孤独なのは、貴方自身に問題があるからよ!」
キレたアンヌがフリーダに浴びせた言葉。
このフリーダという老女、財産の有無を別にすれば去年亡くなった伯母に
よく似てる気がしました。
自分の小さな世界でのみ生きていて、他人の介在を頑なに拒否する。
親、姉妹、まして他人の言う事を聞く気なし、自分の考え方と気持ちのみ
を喋り自己完結させてしまう。
伯母を見ていたから、フリーダの扱い難さは実感出来るけど、元アマンと
アンヌに外見は兎も角、「頼る」気持ちのあるフリーダは「まだまだ、甘い」。
伯母は90歳過ぎても「初志一徹」、急変する3日前、見舞いに行った時も
「何で、来たの!」。(笑)
こういう人は、当人はいいでしょうが、周りが、その尻拭いを全部やるんで
すから気楽な「生き方」なのかもしれません。
埋葬の時、教会で懇意にしてた方が「好きな事を存分にやって、考えよう
で幸せな生き方だったんじゃないでしょうか」って仰ってました。
後で弟と、「お陰で、お袋が全部、背負い込むハメになったんじゃねえか、
お気楽なコト言ってくれるよな」と悔し涙の気分でしたよ。
好き勝手やって、母以外全員と断絶、何も言わず亡くなって、後始末は全
部僕がやる事になって。
「自由に生きる!」ってカッコいい言葉だけど、その分、誰かが必ず尻拭い
をさせられるんです。(笑)
個人的な事を書いてしまいましたが、作品は良かったと思います。
猫も歳を取り過ぎると化け猫になると言いますが、パリジェンヌの老婆(妖
怪)J・モロー。
この人、パリを離れたら3日で「あの世」へ行っちゃうんじゃないかと思える
くらい、幾つになってもパリジェンヌ、何処を切ってもパリジェンヌ。
これは凄い事だと思います。(真面目に褒めてます)
そしてフランスを代表するパリジェンヌの化け物と堂々とタメ張って一歩も
引かない、アンヌ役のライネ・マギ も素晴らしい。
日本では無名ですが、J・モローという「化け猫」と対峙する役もあって、歳
の割にチャーミングに見えるし、演技も上手い。
只、これ日本に当て嵌めると20年前の杉村春子と草笛光子に見えなくも
ない。(爆)
二人の間で中和剤の役目を負ったパトリック・ピノーも、最初、調子いいだ
けの男に見えたけど、段々、大人の「男」に見えてきて良かったです。
「貴女が孤独なのは、貴方自身に問題があるからよ!」
老後を考えれば、この言葉は正論。けれど70越えたら性格変えるのは殆
ど無理。
気をつけましょう。(勿論、僕の事です(笑))
2015.8.23
DVD
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憧れて 彷徨(さまよ)う巴里の 紙芝居 一幕おりれば 空は明けゆく