セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

映画手帳 2019年1月~6月

2019-06-30 23:00:00 | 映画手帳
  ☆本年公開作 ※再見 無印DVD
 21本(洋画16本、邦画5本)
 劇場7本、DVD14本
 本年公開作6本(全て劇場)

 (1月)
1.「異人たちとの夏」、2.「日の名残り」(TOHOシネマズ日本橋)
3.☆「愛と銃弾」(恵比寿ガーデンシネマ)

 (2月)
4.☆「バジュランギおじさんと小さな迷子」(チネチッタ川崎)、5.☆「家へ帰ろう」(シネスイッチ銀座)

 (3月)
6.「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」、7.「いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち」
8.「いつだってやめられる 闘う名誉教授たち」、9.「ラッキー」

 (4月)
10.「ある日どこかで」、11.「異人たちの棲む館」

 (5月)
12.「ガス燈」、13.「奥さまは魔女」(2005年版)、14.「ニューヨークの恋人」
15.「第十七捕虜収容所」、16.「ガメラ 大怪獣空中決戦」、17.「ガメラ2 レギオン襲来」

 (6月)
18.「ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒」、19.☆「嵐電」(テアトル新宿)
20.☆「パドマーワト 女神の誕生」(109シネマズ木場)、21.☆「SANJU/サンジュ」(新宿武蔵野館)
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「SANJU/サンジュ」

2019-06-17 00:31:27 | 映画感想
 「SANJU/サンジュ」(「Sanju」、2018年、印)
   監督 ラージクマール・ヒラニ
   脚本 ラージクマール・ヒラニ  アビシャート・ジョーシー
   撮影
   音楽 A・R・ラクマーン  アトゥル・ラニンガ  サンジャイ・ワンドレーカル
   出演 ランビール・カプール
      アヌシュカ・シャルマ
      パレーシュ・ラワール  ヴィッキー・コウシャル
      ソーナム・カプール  ボーマン・イラニ
      (サンジャイ・ダット)
    ※急に上映を決めたのかバンフレット無いし、ネットの日本語版でも撮影者が解らない状態。

 銃器不法所持の刑で6年の実刑が最高裁で確定したインドのスター サンジャイ・ダット。
 彼は世に出回る、誇張された暴露本に悩んでいた、家族の名誉の為、本当の事を書いてもらおうと著名な女性ライターに自伝の執筆を依頼する、真実を話す条件で。

  予告編 https://www.youtube.com/watch?v=qaSNBhdtxco

 日本で公開されたヒラニ監督の作品は、喜怒哀楽を詰め込みながらもテーマは明確でした。
 「学ぶ事の意味」をテーマにした「きっと、うまくいく」
 「宗教を題材に盲信の危うさ」を訴えた「PK」
 「マスコミの偽善性」をテーマにしようとしたのだと思う本作、だけど、前2作ほど上手くいってない気がします。

 監督はテーマを、実在のスター サンジャイ・ダットの半生を描く事で表現しようとしたのだけど、結果として2時間使って描いたサンジャイ(サンジュ)の伝記部分のウェイトが重すぎで、残り40分では肝心のテーマが伝記部分に押し潰され、サンジュの不幸を見るのかマスコミの「真実より売れる」の欺瞞を見るのかを明確にし切れなかった。
 サンジャイ・ダットというインドでも特異なスターは、日本でいえば勝新太郎に近い。有名監督で下院議員となった父、母は大スターというサラブレッド、七光りで主演しスター街道に足を掛けるが偉大な両親の存在が負担となり酒に逃げ、ヤク中から廃人手前まで突き進んでしまう。施設に入り更生するも自分と家族を守る為、秘密に所持した自動ライフル銃の出元が大テロ事件に使われた銃器と同じだった為、テロ幇助罪で服役、結局、テロ幇助罪は無罪になるも「親の七光り」とされテロリストの汚名が付いて回る、おまけに闇社会(インドの893)の付き合いもある。
 実にテーマを浮き出す材料として最適なんだけど、そこが落とし穴だったんじゃないかな。又、監督とサンジュの関係が近すぎたのもバランスが崩れる遠因のような気がしてしまう。(監督の初作品の主演がサンジュで幾つもの賞を取り、サンジュも再浮上する切っ掛けとなったとか)
 実在の人物を使った為(それも現役の)、どうしても現実に縛られ今までのように飛躍が出来ない、モデルのサンジュ自身、親の名声に潰されるのを、自分の心の弱さと言い訳してるけど、酒とクスリは言い訳どうりとしても、女癖は単にだらしないだけのクズで、しかもお金持ちだからシンパシーを抱きにくい。
 確かにその分、庶民の想像外の苦労を生まれながらに背負い込むし、父母、妹、子供達に汚名を着せる事のプレッシャーは如何許りかなんだけど。
 普通の人間がマスコミの利益の為、人生を狂わされるというのは在り来たりで確かにインパクトに欠ける、だからと言って、だらしないスターを代わりにしてもね、という感じ。大概のスターさんは上手く立ち回ってる訳で。(もう一つ、その役をボリウッド一番のプレイボーイと噂されるランビールに演じさせるってのも悪趣味に感じた。監督、「PK」の償いだったのかな、まぁ。お気に入りなんでしょうが。上手い役者は間違いない〜個人的にディピカに手を出したのが許せんのかも(結局そこか(笑))
 
 「きっと、うまくいく」、「PK」のように明るい作品ではないけど監督の腕でそれなりに面白い作品に仕上がってはいます、只、それ以上には感じませんでした。

※アヌシュカ・シャルマとソーナム・カプールの無駄使い、別に彼女たちビックネームでなくても務まる、特にソーナムの使い方、酷い!出番ちょこっとだし(泣)。彼女、内藤洋子(古い)を陽性にした感じでインドでは珍しく可愛い顔立ち(インド女優ですから美人はデフォ)ヒラニ監督も三谷幸喜になってきたのかな。
※エンドロールで唄う歌、サンジャイ本人とランビールが演じてるのですが、なんの事はない、この5分くらいの歌でテーマは語られてる、何の為の159分だったんだろう。
※ランビール・カプール 三大カーンの次の(次)世代のトップスター。カリシュマ、カリーナ(「きっと、うまくいく」、「バジュランギ」)姉妹の従兄弟と聞いた事がある。

 R1.6.15
 新宿武蔵野館
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「パドマーワト 女神の誕生」 (ネタバレ有り)

2019-06-10 21:09:22 | 映画日記/映画雑記
 「パドマーワト 女神の誕生」(「Padmaavat」、2018年、印)
   監督 サンジャイ・リーラ・バンサリー
   脚本 サンジャイ・リーラ・バンサリー  プラカシュ・カパディア
   撮影 スディーップ・チャッタルジー
   音楽 サンジャイ・リーラ・バンサリー  サンチット・バルハラ
   美術 スブタラ・チャカラボルティ  アミト・ライ  プラドニエシュ・カダム
   衣装 アジャイ  マックシマ・バス  ハンプリート・リンプル
      チャンドラカント・ソナワネ
   出演 ディーピカー・パードゥコーン
      ランヴィール・シン
      シャーヒド・カプール
      アディティ・ラーオ・ハイダリー  ジム・サルブ

 13世紀末、シンガール王国(現スリランカ)の王女パドマーワティは縁あって西インドの小国メーワール王国の王ラタン・シンの元へ嫁いだ。
 二人の幸せな時間は短く、北インドで下克上の末、勢力を増大、「第二のアレクサンダー」を自称するスルタン アラーウッディがパドマーワティの美貌の噂を耳にして攻め込んでくる・・・。

  予告編 https://www.youtube.com/watch?v=w1MZn-Scj5M

 この作品はヒロイン パドマーワティを演じるディピカー・パドゥコーンの美しさをひたすら眺める為にあり、其処に煌びやかな古典舞踊と調度品がプラスされたもの。中世の古典叙事詩を基にした作品という事で「バーフバリ」を期待していくとメゲるかもしれません。
 内容も女性の貞節を守る為、集団殉死するというもので、これを現代の日本で観ても同調はし難いでしょう。赤穂浪士や武田滅亡時の伊那 高遠城の全滅戦、会津戦争時の一番家老 西郷頼母の一家総自刃を思い出さなくもないけど、僕は太平洋戦争のサイパンにおける女性達の集団身投げや沖縄戦の悲劇を、より強く思い出してしまい暗鬱な気分になりました。
 インドだからといって、何故、今、これなのか、ちょっと理解しづらいですね。

 物語的にはそんなものだけど、トロイのヘレンが絶世の美女でなければならないように(何せ、美の女神 アフローディティが世界一の美女と認定してパリスに与えたのだから)、この話もパトマーワティが絶世の美女でなければ成立しない、其処はインド美人女優の中でも「動く彫刻」と言われるほどの美しさを持つディピカー、この美女なら戦争の原因にもなるだろうと納得出来る美しさだと思います。
 ボリウッド デビュー作「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」以来、久々に観たけど、相変わらずの美貌、流石に初々しさは消えたけど(12年前だから当たり前)、その分、女らしさが増し増しで眼福この上ないです。
 この方、インド トップ女優の一人だから当然と言えば当然だけど、ダンス上手いんですよね、今回はセマー(旋回舞踏)を取り入れたような古典舞踊だと思うけど、相変わらず、キレが良くてシャープでした。(もう一人のトップ女優プリヤンカー・チョブラーと二人で古典舞踊踊ってる動画を見た事あるけど、シャープな踊りがディピカー、たおやかで柔らかに踊るのがブリヤンカー、日本舞踊もそうだけど女性の踊りとしてはプリヤンカーの方が良いのかもしれない)

 男の方にも少しは触れないと。(笑)
 インド恒例、悪人は徹底的に悪辣、その悪役アラーウッディをランヴィール・シンが楽しそうに演じて存在感を出してます、ちょっと「バーフバリ」のバラーラデーヴァに「パイレーツ・オブ・カビリアン」のジョニー・デップを足して2で割ったような感じでした。(この映画では叶わぬ横恋慕でしたが、実生活では半年前、ディピカーと結婚したそうで)
 只、ヒロインと悪役はいいとして、肝心な正義の王ラタン・シンを演じたシャーヒド・カプールの線が細すぎてバランスが取れてない、「バーフバリ」のプラバースまでは望まないけど、もうちっと強そうじゃないとラストの闘いが映えないでしょう、名門カプールの名前持ちですが下積みから這い上がってきた人、でも、この役は人選間違い。(二枚目ではある)
 後は、アラーウッディのボティガード兼お小姓が陰間というのは森蘭丸みたい「インドでも、こういうの描くんだ」と少し驚いたのと、アラーウッディの妻役の女優さんも綺麗だった、それくらいの印象しか残りませんでした。(あ、アラーウッディが男衆引き連れて踊り狂うの面白かった)
 インド映画、2本目の×付けてもいいのだけど、ヒロインの美しさと絵の美しさで、辛うじて△かな。(汗)
 
※ディピカーが踊るシーン、衣装と装身具で30Kgもあったとか、日本の十二単なみの重さ。
※現地の芸能ニュースを動画で見たことあるのですが、母国ではディピカ・パドゥコーンって発音してました。
※インド美人女優は掃いて捨てる程いらっしゃるようですが、有名どころでは、アイシュワリヤー・ラーイ、カトリーヌ・カイフのお名前はよく聞きます、最近だと「パットマン」に出てたソーナム・カプールも知的美人で、これからもっと伸びる有望株、個人的には「バルフィ」に出てたイリヤーナ・デクルーズと「マダム・イン・ニューヨーク」のシュリデヴィ(去年、お亡くなりに)が好み。

 (追記)6.12
 ソーナム・カプール 調べたらデビュー 2007年ってディピカと同じ年でした、お歳も今年で34なんだね(ディピカも多分、同じくらい)僕が知らないだけで以前から有名な方でした。何せ初見が去年の暮れに観た「パットマン 5億人の女性を救った男」で、かなり若く見えたもんだから若手の有望株と勘違いしてました、スンマセン。(大汗)
 彼女とアヌシュカ・シャルマが共演してて監督が「きっと、うまくいく」、「PK」のラージクマール・ヒラニの「SANJU/サンジュ」が今週末公開だと、余り、明るい話じゃなさそうだけど、う〜ん、これは行かねばならんなァ、又、159分。(笑)

 R1.6.8
 109シネマズ木場
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「嵐電」

2019-06-03 22:07:36 | 映画日記/映画雑記
 「嵐電」(2019年、日本)
   監督 鈴木卓爾
   脚本 鈴木卓爾
   撮影 鈴木一博
   音楽 あがた森魚(懐かしい)
   出演 井浦新
      大西礼芳
      安部聡子

 この映画は説明しようがないので予告編見て下さい。(見ても解らんけど)
  予告編 https://www.youtube.com/watch?v=0Odm5ZNeAes
 「京都の路面電車で交錯する3つの恋の物語」だそうです。(そう言われりゃそうなんだろう)

 関西の大学の映画学科の先生が創ったというのを見掛けたけど、うん、まぁ、そんな感じ。でも、処女作ではなく既に2,3本商業ラインに乗せてるから職業監督でしょう。
 この作品、自主制作のコンテストなら、まず優勝、けれど、商業映画として多くの人が観るにはキツイ。
 物語も有るような無いような感じで、リアリティっぽい所から始まって、嵐電をバックに夢想のような世界に入っていきエスカレート、やがて脈絡のない話になって終わる。
 ちょっと、ゴダールっぽいけどゴダールのようなトンガリもないし才気もない気がします。
 夢想的な世界を展開させるには出演者達の素人臭さが邪魔だし、結局、何を描きたかったのかサッパリ解らず何なんでしょうねこの映画で終わってしまいました。
 三つの話が交錯していくのですが、高校生グループの話が完全に理解不能(汗)、何の必要があったんだろう、井浦新のパートは何とかフィーリングで解るような気もするし、大西礼芳の撮影所パートは彼女のお陰でそれなりに見れる(イメージショット、イメージシーンが多くて訳分からなくなるけど)、ホント、あの高校生パートは何だったんだろう。
 唯一点、この作品の収穫は大西礼芳、売れるかどうかは判らないけど掴み所のない魅力を感じました(周りがド下手だから相対的なものかもしれない)、この作品を最後まで苦痛少なく観られたのは彼女のお陰、ちょっと松岡菜優をドンヨリさせた感じで彼女と被るから苦しいけど(ゴメンネ)。

※最初の1時間は、それなりに興味を持って観れてたし面白く感じる所もあった、が、その後は段々、耐久レースの様相に・・・。
※「バンコク・ナイツ」の次が「嵐電」、素人使う作品が好きなのかなテアトル新宿、そのイメージがしっかり付いてしまいました。
※昨日、コメントで「今年の映画館はハズレばかり」と書きましたが、「バジュランギおじさんと小さな迷子」を忘れてました。(汗)

 R1.6.2
 テアトル新宿
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平成「ガメラ」を観たら・・・

2019-06-01 22:05:00 | 映画日記/映画雑記
 脚本家、監督、どちらも多分、若い時、「超時空要塞マクロス」(初代TVアニメ)に嵌まってたんじゃないかな。
 僕はSFを深く追求しなかったから「マクロス」のアイデアの出処は知らないし、当時、20代前半のアニメ好きの学生仲間達が作り出した作品の発想が何処にあるのかも知りません、只、あの発想は当時素晴らしく斬新で、オリジナリティに富んだものだと20代半場の僕は物凄く感銘を受けました。(拗らせて50代初めに二次小説までUPしてブログ仲間と盛り上がったのは楽しい思い出、行き詰まって本籍の映画、このサイトを始めたのです)
 初代「マクロス」は才能有れど若すぎてほぼ素人みたいな人達が業界に来て大混乱、然し、責任者がそれを許したのが功を奏し、板野さん他、今現在も活躍する若い才能を開花させたエポックメイキングな作品でした。
 その基となった「マクロス」はシリーズとなり30年以上経った今でも派生作が作られてる程の原石、粗いけれど魅力ある物語でした。

 何万年も前、宇宙の何処かの星、高度に文明化した人間と同じ姿をした古代人(プロトカルチャー)が現代と同じく争い、戦闘用生物兵器として巨人兵を遺伝子操作によって作り出す、やがて、巨人兵同士の争いが激化し宇宙空間に拡がり創造主のプロトカルチャーをも滅ぼしてしまうが、戦う事しか知らない巨人兵達はプロトカルチャーが滅びた後も永遠に戦いつづていた・・・

 遺伝子操作によつて作り出された生物兵器がギャオスで、それに対抗する為に作られたがガメラって、僕から見ると、まんま、「マクロス」のゼントラーディ軍とカンサツ軍(映画ではメルトランディ軍)に見えてしまうのは如何ともし難い。
 最終作の「邪神(イリス)」が地上に降り立つ姿、或いは、巨大な月をバックに雲上に浮かび上がる姿は、まんま、伝説の第27話「愛は流れる」で、ラストのマクロスが地球に降り立つ場面。(イリスから触手を取ればマクロスのフォルムに酷似)
 京都駅構内でのガメラとイリスのバトルは、22話「ラブ・コンサート」で、マクロス側のエース マックス中尉のバトロイド(VF-1Jバルキリー)とゼントラーディ軍のエース ミリアの乗機(クァドラン・ロー)の艦内居住区での一騎討ちシーンがイメージの元でしょう。(この回は韓国外注の作画崩壊回だけど)

 特に気の付くはそんな所だけど、製作者側に初代「マクロス」好きが居たんだと思ったのが一番の感想。
 僕、怪獣ものに子供が絡むのはイマイチなんですよ、「ガメラ」は元々、その路線で平成版もその基本は引き継いでいるから、どうしても・・・、後、軍人はリアルを狙ったのだろうけど東宝の方が「らしい」し、伊福部さんが居ないと・・・。
 あ、「ガメラ」の声は懐かしかったです。

※物語としても様々な葛藤のある、初代「マクロス」のほうが好きです。(36話という長丁場だし)
 「マクロス」の巨人兵達は培養器によって無限に作られるのだけど、面白いのは巨人兵達が勝手に生殖を始めるのをプロトカルチャーが恐れたのか、「男と女が一緒に居ると必ず争いが起き災いとなり、やがて、滅びる」と教えたので男と女はそれぞれに軍を作ってる、映画では発展させてゼントラーディ(男)vsメルトランディ(女)が戦ってる。「男と女が一緒に居ると必ず争いが起きる」って、よく20代前半で思いつくな、アニオタでも絵が上手いからモテたんだろうか。
 キャラデザの美樹本晴彦は慶応卒業したばかりの新人、彼の作画を渡されたプロが一言、「こんな絵、動かせる訳ないだろう」。まぁ、それでも必死こいて動かしたり、他の連中もそんな調子だからスケジュール破綻、スタッフ倒れて病院送りが続出、更に映画化決定で終盤は主要スタッフが映画行きで現場は阿鼻叫喚だったとか。
 記事に原石と書いたのは、アイデアも物語も斬新で面白いけど、制作がそれに追いつけなかったから。
 とにかく作画が回事にバラバラで36話の内、3割がマトモ、あと3割はギリギリ、残り(繋ぎの回)は予算と時間不足からアニメを立ち上げたばかりの韓国へ外注、この絵が子供が描いたのかっちゅうくらい酷い、気持ち悪くなるくらいのレベルで根性据えないと見れない。これは伝説で囚われた主人公達がが初めてゼントラーディ人と対面する第11話「ファースト・コンタクト」という重要回が完全に制作時間が間に合わず絵が動かない(笑)、一枚の絵を台詞で持たせ、少ない絵でラストまで続くという完全な放送事故(どうしても動きが必要な所だけコマ落としのように動かした)、現在あるDVDは絵を足して販売してるけど、リアルタイムは凄かった、本当の電気紙芝居、当時、オメデタイ僕は「内容が斬新だけど、演出もスゲ〜斬新」と勘違いしました。(大汗)
 でも斬新でしたよ、星などあっという間に全滅させるような大宇宙戦争やってるのに、敵の残置艦を改装・就役させたマクロスの中に1万人位の民間人が避難民として乗ってて、その人達が広い艦内に町作って、民間放送が出来て、ミスコンがあってアイドル歌手まで誕生して、アイドルと士官が三角関係で火花を散らす(笑)、もう40年近く前だもんなぁ。
 最初ヒロインだと思ってた女の子がダミーで、脇だと思ってた本当のヒロインが11話になって漸く浮上してくるとか、普通、考えられないですよ。(キャラデザの美樹本氏はリン・ミンメイ命だったのに早瀬中尉にヒロイン取られちゃってプンプンとか、あの人、以後、ミンメイのイラストは描くけど未沙の絵は滅多に描かんもんな)
 最初の予定では最終回になる筈の第27話「愛は流れる」の設定も凄いけど、最終決戦のクライマックスに主役とヒロインが不在というのも凄い(主役は被弾して戦線離脱、ヒロインは既に破壊された地球に閉じ込められてる〜主役より腕のいい部下がいるってのも当時は珍しかったと思う)。
コメント (3)
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