「ジョジョ・ラビツト」(「Jojo Rabbit」、2019年、米)
監督 タイカ・ワイティティ
原作 クリスティン・ルーネンズ
脚本 タイカ・ワイティティ
撮影 ミハイ・マライメア・Jr.
音楽 マイケル・ジアッキノ
出演 ローマン・グリフィン・デイヴィス
トーマシン・マッケンジー
スカーレット・ヨハンソン
サム・ロックウェル タイカ・ワイティティ
10歳のジョジョ・ベッツラーはヒトラーを空想の友達とする程のガチガチの軍国少年、晴れてヒトラーユーゲント(ナチス青年団)に入団するもその優しい性格の為ジョジョ・ラビットの渾名を付けられてしまう。
敗色の濃いドイツ、ヒトラー信者のジョジョが知る事になる母親の真の姿、更に、その母は屋根裏にユダヤ人の少女を匿っていた・・・。
予告篇 https://www.youtube.com/watch?v=CNEdwEpVoEw
観たい映画が隣町で上映されてんだけど、何せ隣町は新宿に次ぐ感染のメッカ、仕方ないのでレンタルDVD。
中々、ビターなお伽話、終盤、手榴弾背中に背負わされたドイツ少年兵が指導官の元、嬉々として米兵に自爆攻撃させられるシーンとかある。でも、根本は「人は理解し合えるし、どんな相手でも知れば恋も出来る」という優しさなのかと思います。
「ユダヤ人は大人になると角が生えて尻尾も出来る」、そう教え込まれた軍国少年が否応なくユダヤ人少女と運命共同体となってしまう、その結果、彼女エルサと極北の位置に居る筈の自分が何ら変わらない人間であると知っていく成長譚。
僕の世代で言うと空想の虚像が主人公にアドバイスするというのはW・アレン主演の「ボギー!俺も男だ」だし、屋根裏のユダヤ人少女というのはJ・スティーブンス監督の「アンネの日記」、「アンネ〜」の泥棒捜査で夜間、ドイツ兵が隠れ家を家捜しするサスペンスがゲシュタポの家宅捜査に、連合軍のアムステルダム爆撃をバックにアンネとペーターがキスするシーンはベルリン?空襲をバックにしたジョジョとエルサの心の邂逅に、エルサの登場シーンは「貞子」だろ(笑)、と、まぁ、いろいろ有るけど、僕にとっては作品の完成度の前には問題とする程でもないかなと思いました。
この作品をお伽話とするのは、1960年代までのハリウッド作品でもないのにドイツのドイツ人が全て英語で喋ってる事、毎度の事ながら生活していくという経済的なことが無視されてる点(終盤、どうやって食ってる?ゴミ箱漁りじゃ食べていけないよ)、ゲシュタポが被疑者の家宅捜索するのに家族の履歴、親族、交友関係を調べずにやる訳がない、ドイツ人の几帳面さは世界が知ってる事、姉インゲの死をドイツでどうやって隠してたかの説明がないから。
クレンツェンドルフ大尉も随分と漫画チックに描かれいて、エルサの「大人の女とは?」という疑問にジョジョの母ロージーが答える「ダイヤを貰ったり、銃を撃ったり、モロッコへ行ったり、男と遊んだり、苦しめたり」の相手だったのか、ロージーの家の使用人だったのか、大尉の経過や顛末を見ると僕は前者の方かなと。(笑〜彼女の事を愛していたか、少なくとも惚れていた) ※8/7 最後のシーンでジョジョに「ロージー」と名前呼びしてたから使用人ではないな(字幕は「ママ」だったけど)、それで女性不信となり男に・・・、「ブルックリン」の地元のセレブ男も、あんな目にあったら男に走りそう。
男は子供でも余り興味ないけど、ジョジョ役のローマン・グリフィン・デイヴィスは上手かったです、この子の演技力がないとこの作品全てが画餅に帰してしまうので、その点からも立派でした。
女優陣ではギャラが場違いな感じのS・ヨハンソンは選んだだけあって良かった、だけど、何と言ってもエルサ役のトーマシン・マッケンジーの印象が強い、アンネの分身にしては健康的だけどファンタジーの世界にリアルなガリガリはそれはそれで問題あるかもですしね。クロエちゃんがイマイチ伸び悩んでる今、その後継になれるかもしれない、大人役への転換は本当に難しい事ですが期待してしまいます、それくらい良かった。
「スリー・ビルボード」で名を挙げたサム・ロックウェルは美味しい役を思いっきり楽しんでましたね、これも、面白かったです。
「踊れること、それが魂の解放であり自由の象徴なのだ」、何だかラストの3分で誤魔化された気もするけど(それくらいラストがいい)、それなりのお勧め作品。(汗)
※何処へ向かう作品なのか全然、判らんかった。(笑〜ちょっと、そこを我慢して観て下さい)
※予告編のVサインのマーク、僕達の世代なら「ジョニーは戦場へ行った」
※日本も「ポツダム宣言」の無条件受諾がなければ、これより酷い事が平然と行われたのでしょう。
※今年の1番は今の所、「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」なんだけど、例年の僕のベスト10で言えば3位あたりが「座りの良い」位置、「天国でまた会おう」も「ジョジョ・ラビット」も良い作品だけど、観た数の少なかった去年のベスト10で言っても「僕たちは希望という名の列車に乗った」と同じ位置、「〜わたしの若草物語」が、その少し上かな、そろそろ、スタンド中段かその上のホームラン作品に出会いたいです。
君と吾れ 違いがあると 誰決めた
男と女 ほかにありしや
R2.7.23
DVD
監督 タイカ・ワイティティ
原作 クリスティン・ルーネンズ
脚本 タイカ・ワイティティ
撮影 ミハイ・マライメア・Jr.
音楽 マイケル・ジアッキノ
出演 ローマン・グリフィン・デイヴィス
トーマシン・マッケンジー
スカーレット・ヨハンソン
サム・ロックウェル タイカ・ワイティティ
10歳のジョジョ・ベッツラーはヒトラーを空想の友達とする程のガチガチの軍国少年、晴れてヒトラーユーゲント(ナチス青年団)に入団するもその優しい性格の為ジョジョ・ラビットの渾名を付けられてしまう。
敗色の濃いドイツ、ヒトラー信者のジョジョが知る事になる母親の真の姿、更に、その母は屋根裏にユダヤ人の少女を匿っていた・・・。
予告篇 https://www.youtube.com/watch?v=CNEdwEpVoEw
観たい映画が隣町で上映されてんだけど、何せ隣町は新宿に次ぐ感染のメッカ、仕方ないのでレンタルDVD。
中々、ビターなお伽話、終盤、手榴弾背中に背負わされたドイツ少年兵が指導官の元、嬉々として米兵に自爆攻撃させられるシーンとかある。でも、根本は「人は理解し合えるし、どんな相手でも知れば恋も出来る」という優しさなのかと思います。
「ユダヤ人は大人になると角が生えて尻尾も出来る」、そう教え込まれた軍国少年が否応なくユダヤ人少女と運命共同体となってしまう、その結果、彼女エルサと極北の位置に居る筈の自分が何ら変わらない人間であると知っていく成長譚。
僕の世代で言うと空想の虚像が主人公にアドバイスするというのはW・アレン主演の「ボギー!俺も男だ」だし、屋根裏のユダヤ人少女というのはJ・スティーブンス監督の「アンネの日記」、「アンネ〜」の泥棒捜査で夜間、ドイツ兵が隠れ家を家捜しするサスペンスがゲシュタポの家宅捜査に、連合軍のアムステルダム爆撃をバックにアンネとペーターがキスするシーンはベルリン?空襲をバックにしたジョジョとエルサの心の邂逅に、エルサの登場シーンは「貞子」だろ(笑)、と、まぁ、いろいろ有るけど、僕にとっては作品の完成度の前には問題とする程でもないかなと思いました。
この作品をお伽話とするのは、1960年代までのハリウッド作品でもないのにドイツのドイツ人が全て英語で喋ってる事、毎度の事ながら生活していくという経済的なことが無視されてる点(終盤、どうやって食ってる?ゴミ箱漁りじゃ食べていけないよ)、ゲシュタポが被疑者の家宅捜索するのに家族の履歴、親族、交友関係を調べずにやる訳がない、ドイツ人の几帳面さは世界が知ってる事、姉インゲの死をドイツでどうやって隠してたかの説明がないから。
クレンツェンドルフ大尉も随分と漫画チックに描かれいて、エルサの「大人の女とは?」という疑問にジョジョの母ロージーが答える「ダイヤを貰ったり、銃を撃ったり、モロッコへ行ったり、男と遊んだり、苦しめたり」の相手だったのか、ロージーの家の使用人だったのか、大尉の経過や顛末を見ると僕は前者の方かなと。(笑〜彼女の事を愛していたか、少なくとも惚れていた) ※8/7 最後のシーンでジョジョに「ロージー」と名前呼びしてたから使用人ではないな(字幕は「ママ」だったけど)、それで女性不信となり男に・・・、「ブルックリン」の地元のセレブ男も、あんな目にあったら男に走りそう。
男は子供でも余り興味ないけど、ジョジョ役のローマン・グリフィン・デイヴィスは上手かったです、この子の演技力がないとこの作品全てが画餅に帰してしまうので、その点からも立派でした。
女優陣ではギャラが場違いな感じのS・ヨハンソンは選んだだけあって良かった、だけど、何と言ってもエルサ役のトーマシン・マッケンジーの印象が強い、アンネの分身にしては健康的だけどファンタジーの世界にリアルなガリガリはそれはそれで問題あるかもですしね。クロエちゃんがイマイチ伸び悩んでる今、その後継になれるかもしれない、大人役への転換は本当に難しい事ですが期待してしまいます、それくらい良かった。
「スリー・ビルボード」で名を挙げたサム・ロックウェルは美味しい役を思いっきり楽しんでましたね、これも、面白かったです。
「踊れること、それが魂の解放であり自由の象徴なのだ」、何だかラストの3分で誤魔化された気もするけど(それくらいラストがいい)、それなりのお勧め作品。(汗)
※何処へ向かう作品なのか全然、判らんかった。(笑〜ちょっと、そこを我慢して観て下さい)
※予告編のVサインのマーク、僕達の世代なら「ジョニーは戦場へ行った」
※日本も「ポツダム宣言」の無条件受諾がなければ、これより酷い事が平然と行われたのでしょう。
※今年の1番は今の所、「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」なんだけど、例年の僕のベスト10で言えば3位あたりが「座りの良い」位置、「天国でまた会おう」も「ジョジョ・ラビット」も良い作品だけど、観た数の少なかった去年のベスト10で言っても「僕たちは希望という名の列車に乗った」と同じ位置、「〜わたしの若草物語」が、その少し上かな、そろそろ、スタンド中段かその上のホームラン作品に出会いたいです。
君と吾れ 違いがあると 誰決めた
男と女 ほかにありしや
R2.7.23
DVD