「ハンナ・アーレント」(「Hannah Arendt」独・ルクセンブルグ・仏・2012年)
監督 マルガレーテ・フォン・トロッタ
脚本 マルガレーテ・フォン・トロッタ
パメラ・カッツ
撮影 キャロリーヌ・シャンプティェ
音楽 アンドレ・マーゲンターラー
編集 ベッティナ・ベーラー
出演 バルバラ・スコヴァ
アクセル・ミルベルグ
ジャネット・マクティア
ユダヤ系ドイツ人女性ハンナ・アーレント。
実存主義で高名なドイツ人哲学者M・ハイデッカーの愛弟子であるが、ナチス・ドイツからの迫害を怖れ、フランスへ逃げ、そこでユダヤ・キャンプへ抑留されてしまう、後日、からくも脱走し、生き延びる経験を持つ。
そして1960年代。南米でモサドに捉えられたナチスSSの幹部アイヒマンの裁判に立ち会う事となる。
彼女はナチスの悪を哲学的に分析、雑誌に発表した・・・。
「百万人行けども我行かず」
自分の信念の元、真理を求め、ひたすらに我が道を行く女性。
その「生き様」を描いた作品です。
ドイツ人の映画ですね、強烈な意思と理論。
映画はハンナの生き様と共に、「悪」とは何かを考えさせるものになっています。
「人間の根源的な悪は利己心から来るものである、しかし、ナチスの悪は、それと別のものなのだ。全体主義の悪に於いて人間の悪は、考える努力を放棄し全体主義の歯車になり下がる事にある。ユダヤ人にとって、この上ない憎悪の対象、今回の裁判の被告であるアイヒマンに死刑は当然であるが、彼の正体は只の平凡な小役人でしかなく巨大な悪の歯車の一つにすぎないのである、彼は、只、その地位に在っただけである。アイヒマン個人が醜悪な極悪人という訳ではなく、違う人間が、その地位に在れば、その人間がアイヒマンになったのだ。人間は知性と思考を停止すれば誰もがアイヒマンに成り得るのだ」
その部分で僕が捉えた概略は上記のようなものでした。
理屈と強い女が好きな人には、お勧めです。
(僕は、ちょっと避けたいタイプ(笑))
※人間の根源的な悪は利己心から来るものである>
これは僕が小学生の時読んだ「サイボーグ009~ヨミ編」のクライマックスで、悪の象徴ブラック・ゴーストが言った、
「この世の悪を殺すには地球上の人間全てを殺さねばならない、悪は一人一人の人間の醜い欲望が作り出すモノだからだ」
と、ほぼ同義だと思います(思いっきり単純化したものだけど、単純化してるからこそ真理もある)
※似たような洞察は名コラムニストだった故・山本夏彦氏も書いていたと思います。
監督 マルガレーテ・フォン・トロッタ
脚本 マルガレーテ・フォン・トロッタ
パメラ・カッツ
撮影 キャロリーヌ・シャンプティェ
音楽 アンドレ・マーゲンターラー
編集 ベッティナ・ベーラー
出演 バルバラ・スコヴァ
アクセル・ミルベルグ
ジャネット・マクティア
ユダヤ系ドイツ人女性ハンナ・アーレント。
実存主義で高名なドイツ人哲学者M・ハイデッカーの愛弟子であるが、ナチス・ドイツからの迫害を怖れ、フランスへ逃げ、そこでユダヤ・キャンプへ抑留されてしまう、後日、からくも脱走し、生き延びる経験を持つ。
そして1960年代。南米でモサドに捉えられたナチスSSの幹部アイヒマンの裁判に立ち会う事となる。
彼女はナチスの悪を哲学的に分析、雑誌に発表した・・・。
「百万人行けども我行かず」
自分の信念の元、真理を求め、ひたすらに我が道を行く女性。
その「生き様」を描いた作品です。
ドイツ人の映画ですね、強烈な意思と理論。
映画はハンナの生き様と共に、「悪」とは何かを考えさせるものになっています。
「人間の根源的な悪は利己心から来るものである、しかし、ナチスの悪は、それと別のものなのだ。全体主義の悪に於いて人間の悪は、考える努力を放棄し全体主義の歯車になり下がる事にある。ユダヤ人にとって、この上ない憎悪の対象、今回の裁判の被告であるアイヒマンに死刑は当然であるが、彼の正体は只の平凡な小役人でしかなく巨大な悪の歯車の一つにすぎないのである、彼は、只、その地位に在っただけである。アイヒマン個人が醜悪な極悪人という訳ではなく、違う人間が、その地位に在れば、その人間がアイヒマンになったのだ。人間は知性と思考を停止すれば誰もがアイヒマンに成り得るのだ」
その部分で僕が捉えた概略は上記のようなものでした。
理屈と強い女が好きな人には、お勧めです。
(僕は、ちょっと避けたいタイプ(笑))
※人間の根源的な悪は利己心から来るものである>
これは僕が小学生の時読んだ「サイボーグ009~ヨミ編」のクライマックスで、悪の象徴ブラック・ゴーストが言った、
「この世の悪を殺すには地球上の人間全てを殺さねばならない、悪は一人一人の人間の醜い欲望が作り出すモノだからだ」
と、ほぼ同義だと思います(思いっきり単純化したものだけど、単純化してるからこそ真理もある)
※似たような洞察は名コラムニストだった故・山本夏彦氏も書いていたと思います。