前回の記事で、miriさんから「どっぷりハマって」というコメントを頂いたの
ですが、まさか、この作品が、その「どっぷり」路線だったとは・・・、新聞の
星評価と「見出し」だけで観に行ったんですけど、「神経衰弱」でテキトーに
トランプめくったら1点!になってしまいました。(笑)
ちょっと今回の記事は、配給会社の宣伝文みたいになるかもしれません。
「さよなら渓谷」(2013年・日本)
監督 大森立嗣
脚本 大森立嗣
原作 吉田修一
音楽 平本正宏
エンディング・テーマ(作詞・作曲)椎名林檎
(歌)真木よう子
撮影 大塚亮
出演 真木よう子
大西信満
大森南朋
鈴木杏
小さな山あいの村、そこで起きた事件が切っ掛けで、隣に住む男女の素
性が暴かれてしまう。
男は、学生時代、集団レイプ事件を起こした一人だった・・・。
「愛の嵐」を観てる人、知ってる人なら、この物語の男女の構図は察する
事が出来ると思います。
殆んどネタバレですが、この作品、それを知っていたとしても、さほど問題
はないと思うし、却って主題の理解が早く出来る気がします。
「愛の嵐」と同じく男女の不条理な世界ですが、「愛の嵐」にある退廃美と
隠花的な雰囲気は有りません、ただ、堕ちていく感覚と社会からの隔絶感
は似てると思います。
この作品と「愛の嵐」の決定的違いは「愛」の存在、「愛の嵐」は身体の先
に幻想として「愛」があるのだけど、この二人には、世間が理解できない「愛」
ではあっても、二人の間に身体以上のモノが確かに存在しています。
演出の重点は、その二人の目に見えない揺れ動く心情を、如何に観客に
掴ませるか、に置かれてると思います。
これが、実に上手い。
小説に例えれば、最後の一行を書かないスタイルなんですけど、説明しな
い「豊かさ」が、この映画にはあります。
だからこそ、終わりの10分が惜しい。
117分の映画ですが、105分迄、殆んどミスがない素晴らしい演出。
でも、最後10分で説明しちゃうんですよね・・・。
男に、自分達二人の「主題」を喋らせてしまう、これは余計だったと思うし、
雑誌記者夫婦の顛末も本当に必要だったのか疑問でした。
この映画のラスト・カットは非常に切れ味が良いのですが、何となく、この
10分の帳尻合わせになってしまった感じもしないではない、ちょっと、勿体
ないです。
僕としては、温泉ランドの帰り道、橋の上で交わす会話の最後から、二人
の望遠ショット、更に引いていって暗転、で終わらせた方が、いろいろ自由
に想像できて良かった気がします。
(それでは不親切と言うなら、暗転の後、雑誌記者夫婦の顛末を無くして、
ラスト・シークエンスへ繋げればいい~物語は、あの橋の上で終わってるん
ですよね、その後はエピローグ)
僕の予想では、この先にトンデモナイ作品が出てこない限り、この作品が
今年の賞を総ナメにすると思います。(ここは、余り自信がないけど~笑)
特に真木よう子さんの主演女優賞は、ほぼ確定したんじゃないかな。
久し振りに、女優魂を見たと言うか本物の女優を見ました。
受け演技主体だった大西信満も、真木さんに隠れがちだけど、非常に良
かったと思います。
全体的に、(僕にとって)知らない役者さんばかりだったのが、この作品に
は幸いしました。
今は、観たばかりで確かな事は言えないのですが、僕にとって佳作以上
で有る事は確か、秀作、名作、傑作は時間の経過の後で答が出て来ると
思っています。
ですが、まさか、この作品が、その「どっぷり」路線だったとは・・・、新聞の
星評価と「見出し」だけで観に行ったんですけど、「神経衰弱」でテキトーに
トランプめくったら1点!になってしまいました。(笑)
ちょっと今回の記事は、配給会社の宣伝文みたいになるかもしれません。
「さよなら渓谷」(2013年・日本)
監督 大森立嗣
脚本 大森立嗣
原作 吉田修一
音楽 平本正宏
エンディング・テーマ(作詞・作曲)椎名林檎
(歌)真木よう子
撮影 大塚亮
出演 真木よう子
大西信満
大森南朋
鈴木杏
小さな山あいの村、そこで起きた事件が切っ掛けで、隣に住む男女の素
性が暴かれてしまう。
男は、学生時代、集団レイプ事件を起こした一人だった・・・。
「愛の嵐」を観てる人、知ってる人なら、この物語の男女の構図は察する
事が出来ると思います。
殆んどネタバレですが、この作品、それを知っていたとしても、さほど問題
はないと思うし、却って主題の理解が早く出来る気がします。
「愛の嵐」と同じく男女の不条理な世界ですが、「愛の嵐」にある退廃美と
隠花的な雰囲気は有りません、ただ、堕ちていく感覚と社会からの隔絶感
は似てると思います。
この作品と「愛の嵐」の決定的違いは「愛」の存在、「愛の嵐」は身体の先
に幻想として「愛」があるのだけど、この二人には、世間が理解できない「愛」
ではあっても、二人の間に身体以上のモノが確かに存在しています。
演出の重点は、その二人の目に見えない揺れ動く心情を、如何に観客に
掴ませるか、に置かれてると思います。
これが、実に上手い。
小説に例えれば、最後の一行を書かないスタイルなんですけど、説明しな
い「豊かさ」が、この映画にはあります。
だからこそ、終わりの10分が惜しい。
117分の映画ですが、105分迄、殆んどミスがない素晴らしい演出。
でも、最後10分で説明しちゃうんですよね・・・。
男に、自分達二人の「主題」を喋らせてしまう、これは余計だったと思うし、
雑誌記者夫婦の顛末も本当に必要だったのか疑問でした。
この映画のラスト・カットは非常に切れ味が良いのですが、何となく、この
10分の帳尻合わせになってしまった感じもしないではない、ちょっと、勿体
ないです。
僕としては、温泉ランドの帰り道、橋の上で交わす会話の最後から、二人
の望遠ショット、更に引いていって暗転、で終わらせた方が、いろいろ自由
に想像できて良かった気がします。
(それでは不親切と言うなら、暗転の後、雑誌記者夫婦の顛末を無くして、
ラスト・シークエンスへ繋げればいい~物語は、あの橋の上で終わってるん
ですよね、その後はエピローグ)
僕の予想では、この先にトンデモナイ作品が出てこない限り、この作品が
今年の賞を総ナメにすると思います。(ここは、余り自信がないけど~笑)
特に真木よう子さんの主演女優賞は、ほぼ確定したんじゃないかな。
久し振りに、女優魂を見たと言うか本物の女優を見ました。
受け演技主体だった大西信満も、真木さんに隠れがちだけど、非常に良
かったと思います。
全体的に、(僕にとって)知らない役者さんばかりだったのが、この作品に
は幸いしました。
今は、観たばかりで確かな事は言えないのですが、僕にとって佳作以上
で有る事は確か、秀作、名作、傑作は時間の経過の後で答が出て来ると
思っています。