今何処(今の話の何処が面白いのかというと…)
マンガ、アニメ、特撮の感想ブログです。






今期アニメの『TIGER&BUNNY』(制作・サンライズ)を観ていたら、何となく『キングダム・カム』(原作・マーク・ウェイド、作画・アレックス・ロス)を思い出しまして、愛蔵版を見つけて来て購入。昔、読んだのですが、白髪混じりのスーパーマンと、白髪で薄くなっていて、でもすげえナイスなシニアになっているバットマンが異様にカッコ良くって、苦みばしった顔つきで会話しているだけで、思わずニヤけてしまう。
『キングダムカム』は、かつて、スーパーマンやバットマンたちスーパーヒーローが闊歩していて、ある事件が元でスーパーマンが引退した10年後の世界。様々な超能力を持った自称ヒーローたち“新世代”は増えに増えて世界中を席巻し、また夫々がぞれぞれの正義を主張して時に衝突し、既に一般の人々の脅威となっている。
見かねたスーパーマンは意を決して復活し、旧世代ヒーローたちを取りまとめてジャスティス・リーグを結成。“新世代”たちも、硬軟折り混ぜた交渉でリーグに組み入れようとして行く。そんな中、スーパーマンの引退後も、老体となりながらも機械化部隊を駆使してゴッサムシティを守っていたバットマンはリーグ入りを拒否する……と物語が展開して行きます。

……問題がカオスを呼ぶ前に、いち早く企業が超人たちを取り込んだのが『TIGER&BUNNY』?みたいに連想したのですが、そもそも『タイバニ』は、そんな洒落にならないような設定の超人はいないんですよねw
様々なタイプのヒーローが揃い踏みな所と「ヒーローとはなんぞや?」という問いかけが違う角度でされている所はあると思うんですが、そんなにリンクのある話でもなかったかな?(汗)

ただ、まあ、もう少し取止めなく話を続けると、僕はアメコミはほとんど読んでない人なんですが、それでも昔、この『キングダム・カム』と『ダークナイト・リターンズ』は機会があって読ませてもらっていました。あと最近、ロヒキアさんに頼み込んで『ウォッチメン』も読ませてもらいました。
ちなみに『ダークナイト・リターンズ』が1986年刊行、『ウォッチメン』も同じく1986年で終了が1987年。『キングダムカム』は1996年刊行で、流れとしては『ダークナイト・リターンズ』と『ウォッチメン』がもたらしたエポックから、再度、復古的な志向と革新的な志向の両立を持って『キングダム・カム』が成立した……という流れがあるようです。

…で、こっから自分の畑の話なんですが、僕はこのブログである物語類型というか特定のシリーズやジャンルとして形成された物語が隆盛の果てに、何らかの『臨界』を迎える話を何度かしていると思います。アメコミのヒーローコミックというジャンルにおいて上に述べた作品群は、まず間違いなくその『臨界』を顕した物語だと思います。(※アメコミほとんど読んでない人の話なのでロヒキアさんとかに聞きたくはある)

また、アメコミヒーローズに対する『ウォッチメン』と、日本のスーパーロボットものに対する『機動戦士ガンダム』は、非常に近しい位置づけであると考えています。……考えていますけど、同時に違うものじゃないか?という直感もあります。
違うというのは『ガンダム』がなければ、スーパーロボットにおいての『ウォッチメン』や『キングダム・カム』がどこかで生まれていて、『ガンダム』の出現によってその後生まれ、80年代のロボットものを席巻した、“リアルロボットもの”というジャンルはなかったのではないか?…などと考えるからです。
『ウォッチメン』は、スーパーヒーローに対するある種の角度からの突込みどころを追求して行くと、ああなる、それは正当なもの…という気がするわけですが、『ガンダム』はそれとは違い異端児的……ガンダム自身はスーパーロボットとしてあり得る形態ではあったけど、その後それに続いたリアル・ロボットたちからは、ある種のヒーロー性を剥奪した面があるように思えています(まあ、要検証なんですが)。

絶対悪ってなに?(´・ω・`)悪の終焉編(1)

(↑)ここの『「リアルロボット」という時代の終焉』という項でも軽く触れているのですが、ちょっと“リアルロボット時代”というものを自分なりに、まとめ、整理してみたいという思いがあります。このブログで断片的に書き記したり、どこかでまとめたり、そんな事を想定しています。

あと、まあ、僕は『臨界』の話は、多分、やたらすると思いますので、ちょっと単語だけでも覚えておいてもらえると嬉しいです。…というか記事のそこかしこで言ってはいると思います。そんな感じに取止めもなく終わっておきます。


キングダム・カム 愛蔵版 (ShoPro Books)
アレックス・ロス,秋友克也,依田光江
小学館集英社プロダクション

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コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )


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Unknown (ロヒキア)
2011-06-23 11:58:56
「臨界」があるとして、召還されるキャラクターが最初の「スーパーヒーロー」でもある超人ヒーローの代名詞「スーパーマン」と、究極の人間ヒーロー「バットマン」であり、両者を揃えられるDCは強いかなとか、そういう印象です。

そういう二極が徹底しているのが強みなんですが、『ウォッチメン』だと、DR.マンハッタンのみが極端に神の領域に踏み込んで、他は問題抱えた人間ヒーローなんですね。

まー、DR.マンハッタンは人間から神に進化?したんでしょうけど、スーパーマンは神が人間の世界に下ったというのがミソでして、その辺は日本だと『ウルトラマン』なのか?そういう意味ではウルトラマン・シリーズの臨界点は『ウルトラマン・ダイナ』なの?とか、そういう事は思ったけど、その先に『ウルトラ銀河伝説』とかあるんだしなー。

まー、臨界とは違うかもしれせんが、『ウォッチメン』やDKRより前に、アラン・ムーアがイマジナリー・ストーリーとして描いた『スーパーマン』の最終回『スーパーマン:ザ・ラストエピソード』も邦訳が出ているので、機会があれば是非!
 
 
 
Unknown (Humanfly)
2011-06-23 21:44:50
お久しぶりです。

'85~86年頃の『臨界』系アメコミに関しては、『ガンダム』より先行する富野作品の『ザンボット3』の方がしっくりくる気がします。ジャンルのお約束に作り手自身がツッコミを入れるようになった時期の作品群という意味で。
じゃ、『ガンダム』に当たるのは?と聞かれると、言葉に詰まるんですが(苦笑)。
(ただ、そういうタームだと、'85~86年頃の『臨界』系アメコミで、『ウォッチメン』からは一段知名度が低いけど、『キングダム・カム』の直接の元ネタになっている『スコードロン・スプリーム』は『ダグラム』的かな、とか思ったりしますが)

リアルロボットとの比較でいうと、9.11後のアメコミ(これは非常に『臨界』系のアメコミを意識している)は『ダンバイン』から『ZZガンダム』までの富野リアルロボットのような部分があるとも思っています。作品としての部分だけではなく、商業形態の成り立ちという部分でも、ですけど。

あと、ツイートでの話題をこっちに引っ張ってきてしまいますが、ジャスティス・リーグに関してですけど、JLAやアヴェンジャーズってそこまでビッグな奴らばかりじゃない、というか。マイナーヒーローも相当数いるし、時期によってメンバーが変わるという性質が結構重要だったりします。
……激弱なライダーマンも入っていないと”栄光の7人ライダー”足り得ないみたいな感じですかね。
 
 
 
Unknown (LD)
2011-06-24 02:14:16
Re:ロヒキアさん

> 『ウォッチメン』だと、DR.マンハッタンのみが極端に神の領域に踏み込んで、他は問題抱えた人間ヒーローなんですね。

他のヒーローたちからヒーロー性を取り上げる為にマンハッタンに超能力の昇華が成されている気がします。
『スーパーマン:ザ・ラストエピソード』も探してみます。


Re:humanflyさん

> 『ガンダム』より先行する富野作品の『ザンボット3』の方がしっくりくる気がします。

同意見です。じゃあ『ガンダム』は何に当たるか?で迷うあたりまで含めて、景観が一緒で安心しました。

というかTwitterやってるの?フォローするからID教えてよ。
 
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